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「NFT」はバブルであり、真の価値はその先にある。

特別な話ではない。クラウドファンディング、電子通貨、ストリーミング プラットフォーム、いつも最初は“バブル”だ。華やかで良い。だが、それぞれの機能を熟知し、求められている本質を理解していれば、活用方法を知ることができる。気付いておいた方が良い。

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太一(映画家):アーティスト業界情報局
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 最近のはなし: 』

ワーク フロム ホームで落ちた活力に久しく、心の筋肉痛を感じている日々だ。顔を合わせることもなくなった仲間たちだが相変わらず、日常生活と創作活動のコントラストは高く、見通す未来はビビッドだ。

“日本語”という最難易度を駆使するA,I,物理学者と、スタジオジブリの名作を生んできた巨匠、ディズニーに圧勝してなお歴史的な記録を更新し続けている国際メジャーたちが集い、28歳の情熱が指揮を執っている。

巨匠と天才たちは誰一人として、若き指揮官に質問をしない。
ただ提案されたアイディアのすべてを消化して、驚くべきクオリティーへと昇華する。次へ、次へと毎日は、発光している。なんて美しい仲間たちだ。

“時代が変わった”などと表現する人々がいるがそれはきっと、“自分が脱落した”だけなのだろう。「若者の○○○離れ」などという言葉はファンタジーであり、いつの時代だって若者は、正しい未来に向けて走り続けているはずだ。

寝不足を越えた心地よいアーティスト領域に脳圧をあげながら、
幸せな時間を生きさせてもらっている。

さて、はじめよう。

あぁ、ところで。
まだ日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際News:アジアのアーティストに「NFT」はもう一つの収入源として機能している

中国語圏の音楽業界がわずか1分で20万ドルを売り上げ、「NFT」の新記録を達成した。香港在住の著名なシンガーソングライターHanjin Tanはこれを、「長期的な実験の始まりに過ぎない。」と表現している。企業による“業界支配”と闘っているアーティストたちにとってのライフラインとなることが期待されている。Tan氏による27秒間のMP4形式のミュージックビデオは“77個限定”で販売され、それぞれは“7BNB(バイナンスコイン)” の根をつけ、現在では二時転売により価格が高騰している。NFTとは「non-fungible token」の略で、安全で一般にアクセス可能な台帳であるブロックチェーンを通じて追跡され、評価される、デジタル資産のことだ。NFTは、ここ数カ月の間に、クリスティーズのオークションで、6,900万ドル(76億円)の落札記録を達成して話題になっている。Tan氏が語る。「中国音楽業界の収入格差問題は、深刻でした。ミュージシャンたちは約30年間にわたり、虐められてきました。ストリーミングでの収入の90%はわずか1%の有名人へと流れます。中国のミュージシャンの50%は、音楽では生活できません。“別の収入源”が必要だったのです。」この実験は、かつてルネッサンスの時代に顕著だった「パトロンとクリエイター」の直接的な関係を復活させる新たなムーブメントになる可能性がある。パトロンとの直接的な関係は、アーティストのにとっての生命線になるだろう。- MAY 30, 2021 THE Hollywood REPORTER -

『 編集後記:』

メディアの発展とストリーミングの台頭は、1%の成功者を潤わせるばかり。中国の音楽業界による実効支配下に置いて、半数のアーティストは食べていけない。そこに登場したNFTが、チャンス以上の“生命線”になるだろう、という記事だ。

数ある“NFTバブル”への、後追い記事のように見える。だがこの情報の中で重要なのは、最後のシークエンス。「パトロンとクリエイターの関係復活か」という点だ。

『 編集後記:アーティストとパトロンの関係』

中世からアーティストたちは“パトロン”との二人三脚で、創作活動を行ってきた。政治家や事業家、スターや著名人たちは富める象徴として芸術を選びまた、文化の伝承として、プロパガンダのツールとしても、新たな機能を発見し続けてきた。

新たな技術を生み出すのは芸術家だが実のところ、時代に則した“芸術の新たな価値”を発見して伝搬させたのは常に、“パトロン”である。パトロンという存在なくして芸術は、存続できないと断言できる。

『 編集後記:消費される作品、枯れるアーティスト』

“興業”や“売買”による収益こそが芸術市場を支えているように見えるなら、それは近年の悪習による。芸術は、アーティストは“消費”され、枯れ果てている。生み出す作品は短期に価値を失い、新たな創作を求められる。“エンターテインメント”と“文化表現”の垣根が曖昧になり、芸術は消費物になった。

パトロンという言葉には、高慢な負のイメージがある。しかし正しくは、「保護者」「援護者」という意味であり、「Patron Saint」として“守護聖人”とも評される、文化芸術界の味方である。

『 編集後記:NFTは、バブルにある。』

なお、現在のNFTは“バブル”にあり、
「NFTでお金を稼ごう!」という目的意識は早期に、忘れるべきだ。

NFTの本質的な価値とは価格の高騰などではなく、「価値の発見」にある。
人類が見落としているあらゆる価値が管理保証され、所有者の履歴と共に、「芸術を護る」ことにこそ、意義がある。ましてや中央集権型の“業界”が存続していいるなら、声を上げると良い。

『 編集後記:芸術とアーティストの在り方』

「芸術は、生み、護り、育てるべきもの」である。
アーティストはまた護られるべき存在であると同時に、
命に代えて、“学ぶべき”だ。

創作への支援に感謝を忘れず、社会を、経済を、テクノロジーをそして人間を、学ばねばならない。作品を創るばかりでは、不勉強が過ぎる。
世界的な巨匠は誰もが、事業、社会、文化のスペシャリストだ。

ストイックなアーティストとは、学び続ける者のこと。
スタジオで創作活動を続けているだけの存在からは、価値は生まれない。
その違いを見抜けない業界人は、偽物である。

価値と自己満足の境界を見失いながらそれでも、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

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