見出し画像

日本企業文化は、アナログ限定

オンラインは、他国事業。そこで機能するのは、国際企業文化だ。
現代の情報プラットフォームを活用するアーティストなら、事業家なら、「国際ルール」を駆使すればいい。誰にでも、可能。

--------------------------------------------------------------------------
太一(映画家):アーティスト業界情報局
×
日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
--------------------------------------------------------------------------

『 最近のはなし: 』

日常的なやり取りをしているメキシコのビジネスパートナーが最近、大きなディールを獲得した。彼に祝いの品を贈ろうとしたのだが現地EC.がどれも“スペイン語”で、クリアできない。

彼は流暢な英語を操り、
時には人工知能型翻訳ソフトを介して、日本語の名文を送ってくる。

楽しい時代だ。
この世を去るその日にもわたしは、
テクノロジー情報をアップデートしていたい。

『 失敗法則という有効性 』

ここを読んでいる皆さんなら、「成功法則」を信じるほど幼くはないだろう。事業はもちろん創作活動においても、“そこに成功者がいる”ということは多かれ少なかれ、周囲は刈られている、ということ。再現性の無い成功法則など、カフェインほどの効果ものぞめない。

そこで、一次情報としての「失敗法則」を、共有してみよう。
再現性があるので、気をつけて欲しい。

また、活用しやすさを考慮して意図的に、簡潔に書く。
説明不足には、説明不要なのだ、と理解願いたい。
“転ぶ前に手を着く”、そこに説明は要らない。

『 とにかく正直に 』

日本人は、礼儀を重んじる。
事実そうであるし、すばらしい美徳だと想う。しかし一方で国際マーケットにおいては「本意不明」「不正確」「不実行」という負の連鎖を引き起こす。

自身の想いや相手への配慮はつまり、“自分に正直ではない接し方”だ。
その時の気分ままの態度であっても、説明を添えれば、問題ない。
基本には、「正直」で「オープン」という理念が通っている。

つまり、外国人のフリをする必要はなく、“日本人らしさ”はそのままで構わない。その日本人らしさが“違和感”にならないように、最初に説明すれば良い。

『 リスクとチャンスは、同量 』

チャンスばかりを欲しがるのは、相手の宝を奪う行為。
相手から望まれなくても、情報やチャンスを得たなら、“借りひとつ”である。相手に対して対価に見合う情報や支払いを経て、対等となる。

どんな時にも、相手が大統領であっても、“対等”を心がけることだ。
つまり、対等になれないほどビッグな相手なら、会いたがること自体が詐欺行為。相手に提供できる情報とチャンスが無いなら、支払いを申し出るべき。

初対面で金を払うなんて、失礼な! という感覚は理解できるが、チップは払う日本人の奇妙。初対面でも「企画開示合意契約」を交わすし、「守秘義務契約」や「企画参加同意趣意書」も交わす。自分からの提案なら、参加する相手へ、10-30万円程度の“握手的支払い”を行うべきだ。相手からのチャンスに乗るならまた、相手への支払いが必要だ。

逆もまた同様。

日本人はまぁ、請求しない。
善人のフリで請求しないくせに、誰よりも不快に敏感で、陰口をたたく。
請求し、交渉し、文句を言い、話し合い、合意して乾杯するのが国際ルールだ。

『 即決するためだけに、交渉する 』

日本のイメージは、「閉鎖的×遅い×不実行」という最悪の状態だ。
その印象が知れ渡っている。誠実で優しくて正確な日本人、なんて印象はもう誰も持っていないことを前提に対応していれば、腹も立たない。

「オープン×迅速×リスクを負う」のが国際ルールだ。

わたしは過去に多くの、国際映画人と日本映画人の契約に立ち会ってきた。しかしその多くは、及第点に終わった。日本人側が、交渉を絶つのだ

渡米し、親睦を深め、さていよいよ契約、という場面になると日本人は急に態度を固くし、“会社と上司への報告”を優先したがる。その場からZoomなり電話なりで面通しがてらの報告を入れれば良い。しかし日本人はホテルに戻り、報告書を用意してから、上司の始業時間を待って報告し、返答を待ち、その間、他国交相席の相手にアップデートすらせず、沈黙する。

想像してみて欲しい。
これは“日本人あるある”だ。

その場で決断、契約する決裁権が無いなら、その覚悟が無いなら最初からその人物は、このチャンス テーブルに座る資格が無い。

貴方がリスクを負えば、相手は見合う総量で応える。
応えないのは、詐欺師だけだ。

『 オンラインは、外国 』

ここまでの話を、どんな舞台で聞いていただろうか。
わたしは、自室にいる貴方を、想定して話している。貴方はモニターの中の相手に向かって、話し、笑い、乾杯していた。契約も送金も、オンラインだ。

国際人との交渉席は、もう、“外国舞台”ではない。
情報プラットフォームを活用したビジネスはことごとく、他国サービス。つまりは、国際ルールで機能している。

オンライン、とは、“外国”なのだ。

日本企業文化は、“日本製事業”の中でしか通用しない。SNSを駆使するなら、動画配信に注力するなら、ストリーミング公開を望むなら、
日本企業の文化から脱する必要がある。

日本の常識を疑い、国際ルールを理解し、
日本人らしくチャンスを掴んで欲しい。
外国人の真似、は一切要らない。

あぁ、ところで。
まだ日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際News:SONYが投資家に答える必要のある5つの戦略的質問

ソニー ピクチャーズ エンターテインメント(SPE)のチーフ、トニー ヴィンチケラは、親会社であるソニー グループがスタッフや投資家に向けて行う年次戦略発表会の一環として、日本時間の木曜日午前に基調講演を行う。SPEは最近、NETFLIXおよびDisneyへの出品契約を結び、称賛を集めている。その契約は、ハリウッドメジャーの他のスタジオがこぞってストリーミングサービスを独自構築するために、莫大なコストを投じている時期に行われた。一方のSPEはストリーマー ジャイアント(※第1位「NETFLIX」第2位「Amazon Prime」第3位「Disney+」)に対向する方法として、巨額を投じないスマートな方法として評されていることによる。親会社を含めて快調なSONYはこの基調講演で、投資家に向けて5つ、答えるべき必要がある。「SPEは正しいストリーミング戦略を選択したのか?」独自のプラットフォームを構築しないSPEに、中長期的な懸念の声が上がっている。「供給者に回ったSPEには十分な作品数があるのか?」現金を貯め込んでいるAmazonやAppleとは異なり、“武器商人”として仕入れが必要になるだろう。世界最大のゲーム/音楽会社でもある利を、活かせていない。「SPEはどう“アニメ市場”で勝てるのか?」日本のアニメーションは史上最高に成功しているが、SPEは弱い。買収を仕掛けているCrunchyrollすらも、Netflixの横にいる雑魚に過ぎない。「インドも攻めるか?それとも辞める?」日本はアジア戦略で、インドと対立するエリアにある。マーケットリーダーにもニッチな勝者にも、なれない危惧ある。「SONYはどのくらい戦略にオープンなのか?」現在SONYは、選べる地位にある。しかし、インドをはじめ、Disney、AmazonそしてFacebookの参入にも対峙することになるにもかかわらず、閉塞的である。エンタテインメント産業の素晴らしい点のひとつは、これまでの縦割り構造が消えていることだ。ウォールストリートは、日本の企業文化を嘆いている。 - MAY 25, 2021 VARIETY -

『 編集後記:』

親会社含めてSONYが好調、ストリーマーを目指さず“作品提供側”に回ったのも賢いが、そもそも勝てるのか? 最大の懸念は、“日本型企業文化”の古さだ。という記事。

つまるところこの記事の真意は、
日本の企業文化では、経営者、社員、契約社員が株主よりも優先的に扱われ、これがレイオフや急激な変化への害になっている、という結びである。

日本の企業、事業家は常に、そう観られている。
会議には、サインする決意で臨むと良いだろうそれが、初対面でも、だ。
リスクを負えないなら最初から、チャンスは望まない方が良い。

決意の果てに覚悟を以て、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記