動物・植物・南無阿弥陀仏[2021.05.01(AM)]

 21時過ぎに導入剤を飲んだが、聴覚の質感が全方位に均されてしまう感覚があるだけで、一向に眠気がやってこない。仕方がないので芥川也寸志 著『音楽の基礎』と、東浩紀 著『ゲーム的リアリズムの誕生』を読んだ。

 前者は、小さい頃に習っていたピアノ・レッスンを思い出しつつ、これまでの人生で不定形に捉え続けていた(音楽的なにおいのする)ものにわずかばかり輪郭を与えようとした。後者は、先月読んだ『動物化するポストモダン』の続編。

 椅子に座り、窓に背を向け、布団を膝にかけ、いつもとは違った角度で部屋に存在してみると、たとえそれが深夜の静けさに後押しされるのだとしても、幽体離脱してしまった自分が、主人のいなくなった部屋にひっそりとたたずんでいるような気分になる。つまり本を読むのにばっちりな雰囲気をつくりだせます。おすすめです。

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