制服の必要性

五常のチームメンバーとご飯を食べながら、カンボジアの学校制度の話になった。カンボジア人のソバンとインド人のサンジェイとプラーチがしきりに制服の無償提供について話していて、自分にはどうも解せなったから、「なんで制服ってそんなに大事なの?お金もかかるし、無い方がよいんじゃない?」と浅はかにも聞いてしまった。すると、こういう答えが返ってきた。

「テジュン、制服は大切なんだ。もちろん、学生だって分かることだったり、学生が制服を着て晴れがましい気分になるという利点もあるよ。だけど、もっと大切なことは、制服を着ることによって、子どもたちが外見的に格差を感じずに済むことなんだ。学校に着ていく服が無くて嫌だって理由で、学校にいかなくなっちゃう子どもだっているんだよ。」

ここまで聞いて自分の浅はかさを深く恥じ入った。確かに自分が小学校・中学校の頃は、周りの友だちが持っているオモチャを持っていなかったり、部活で着る服が少し古かったりして、ちょっとは嫌だなあと思う気分になることがあった。だけど、仮に毎日着る制服が無かったとしたら、その劣等感をどんなにもっと感じることになっていただろう。大人になってある程度分別がつくようになって、人間の価値は持っているお金や服にあるのではないと考えるのは簡単だけど、子どもの頃にそこまで悟るのはどだい無理な話だ。

グーグルで「制服 必要性」で検索しても、こんな話は出てこない。だけど、もう少しきちんと想像力を働かせたらこういう答えが自然に分かるようになるのだろうか。


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