5年目

ちょうど7月4日で会社創立して4周年で、今日から5年目に入った。そして、5年目初日はミャンマーで過ごしている。

それにしても、4年間あっという間だったな。梅田さんが貸してくれた事務所の一角で仕事をしていたのが昨日のことみたいだ。連用日記を書いているので過去の同日に何をしていたのか見てみると、ちょうど4年前のこの時期はナタリーのFAで慌ただしく過ごし、会社の資金調達をしていた。3年前はプノンペンから戻ってきて幼馴染の結婚式。2年前はミャンマーで朝日新聞の人の取材対応(そういえばあの人記事書いてくれなかったな)。去年もなぜかミャンマーだ(USAIDの人とミーティングをしていた、これもまだ実っていない)。

この4年間の感想を一言でいえば、ずっと辛かったけど一度たりとも後悔はしなかった、ということに尽きる。

他の人がどう感じているのかは知らないけど、起業の気分は坂道を自転車で登っていくのに近くて、平地だったらちょっとペダルを漕げば前にすいすい進むのに、全力で漕いでもなかなか前に進まないし、ちょっと休むと後ろに戻る(とはいえ、後ろを振り返ってみると相応に進んだことには気づく)。

我ながら、日本でほぼ知られていないマイクロファイナンスを専業にする会社を日本で創業したのは、エンジェル税制があるとはいえかなり難易度の高い意思決定をしたものだなあと思う。ある程度事業についての信頼も得られて、機関投資家が株主につくまで3年半がかかった。もしいま目の前に途上国特有の業態で起業して、日本の投資家からお金を集めようという青年が目の前に現れたら、再考を促すと思う。

辛かったけど後悔したことは一つもない。この仕事は、短期的な金儲け主義にはしらない限りは、お客さんの生活向上と一緒に伸びていく仕事なので、関わった人たちの生活が着実に良くなっていっている実感が常についてくる。マイクロファイナンスそのものの貧困削減効果は不透明だが、真面目にこの仕事をやれば、それはお客さんの生活が良くなることに確実につながっている。そういう仕事を選んだのは、とても幸せなことだと思う。


それにしても、ここまで会社をやってこられたのは、支えてくれた色んな人のお陰だ。お世話になった人の顔を想像するとあっという間に100人を超える。存在しなくても誰も困らないベンチャーが生き残るかどうかは、どれだけ多くの人がその会社を応援してくれているのかにかかっているのだと思う。

そういう人たちの思いを背負った仕事なので、これからも真善美と首尾一貫を胸に頑張ろうと思う。


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