方法論

本居宣長は学問の方法論について弟子から問われて、そんなもの何の役に立つかと話した(それでも書いたのだけど)。カール・マルクスも学問には王道はなく、その険しい坂道をよじ登る労苦を厭わない人だけがその頂上にたどり着けると言った(それでも、やっぱり「経済学批判」にちょっとだけ方法を書いた)。あ、そういえば、自分もExcelの表とかモデルの作り方について書いたときには、同様に「繰り返すことが最重要、そうしなきゃなんの意味もない」ということを書いた。かなり手前味噌っぽいけれども。

知的作業において、方法論は多少は役立つのだろう。しかし、はるかに大切なのは考え学び続けるという知的規律のほうなのだということは、ほぼ疑いがないことのように思われる。

たぶん、方法論は靴みたいなものだ。あったらそれはそれで便利だけど、きちんと走り続ければ何百キロでもそれなしで行くことができる。方法論本に凝るのは、形からスポーツに入るのと同じようなものなのかもしれない。

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