児童虐待防止推進月間のお願い
11月は児童虐待防止推進月間です。この機会を借りて、皆様にお伝えしたいことがあります。3分ほどで読み終わる文章ですので、お付き合い頂けたらうれしいです。
私は最近ほとんど日本にいないのですが、日本に戻ってくる度に、各地の一時保護所を訪問しています。Living in Peaceが支援している子どもたちは、社会的養護に入る前に児童相談所内にある一時保護所で一定期間を過ごしています。警察経由でここにやって来たり、児童相談所が家庭から子どもを強制的に連れて来たり、話し合いの結果保護所に来たりと、子どもがここにやってくる理由は様々です。
一時保護期間は平均して1ヶ月ですが、2ヶ月を超えることも珍しくありません。その期間に子どもたちは保護所の敷地の中から外に出られず、一時保護所の職員ですら「私だったら、スマホを取り上げられて、こんな閉じ込められた場所で生活していたら、1週間で気が狂うと思う」と話します。
特に都心部の一時保護所での経験は多くの子どもにとってトラウマを与えるようです。 例えば、ある都内施設の子どもたちは「悪いことをしたら、また一時保護所に連れて行くよ」という言葉を聞くと震え上がり、「良い子」になるそうです(そんな事を言う方もひどいと思いますが)。
とはいえ、決して行政の人が一方的な悪者である訳ではありません。問題とすべきは、一生懸命にやっている行政の人々が悪者にされざるをえない構造にあります。その構造は、今度発刊予定の書籍を通じてお伝えしたいと思っています。
各地の一時保護所を回りながら、改めて施設や里親家庭で暮らす子どもたちのことを考えるようになりました。子どもたちは、生まれ育った家庭で大変な思いをして、一時保護所で忘れられないようなトラウマを味わい、そしていきなり連れてこられた施設でこれまでの人間関係を全てリセットされます。
こうして大人の事情で振り回され続けた後に、18歳になると自立を求められ、半ば追い出されるように社会的養護(施設・里親家庭)を出て生活を始めています。
誰にも頼れない状態で社会に放り出されるのは、想像するだけで苦しくなります。例えば、ちょっとした病気をして会社を休んでクビになったりしたら、もう路頭に迷ってしまいます。文字通り後がないのです。
このように、社会的養護を出た青年たちに対する支援が圧倒的に足りないことに鑑み、私たちは「チャンスメーカー奨学金プログラム」を立ち上げました。これは、進学者にとって最大のハードルとなる家賃を補助するものです。学費補助金ではないため、青年たちは一般的な奨学金とLIPからのお金を同時受給できます。毎月3万円のお金を届けるだけでなく、定期的な面談を実施し、困ったときの相談相手になりたいと思っています。
月に1000円ずつ寄付してくださる方が30人集まれば、社会的養護出身者一人の4年間の学業を支えることができます。子どもたちを継続的に支えてくださる方は、是非このタイミングでチャンスメーカー奨学金プログラムにご加入ください。
http://www.kodomo.living-in-peace.org/#!scholarship/c17z7
まずは一度だけ寄付してみたいという方は、Japan Giving Platformに立ち上げている私たちのプロジェクトを経由してご寄付ください。こちらは11月の期間限定キャンペーンとなっています。
頂いたお金の大半は、責任をもって子どもたちのために使います。皆様のご協力を、何卒宜しくお願い致します。
慎泰俊
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