現代社会における「見ざる言わざる聞かざる」
You are what you eat(あなたはあなたが食べたものでできている)
というのはよく言われることで、インスタント食品などではなく、きちんと手間をかけて作られたものを食べようとしている人は多い。
これは情報においても同じだと思う。ジャンクフードを食べ続けたら不健康な体になるのと同様、ジャンク情報を摂取し続けると不健全な精神が出来上がる。
だからこそ、「見ざる言わざる聞かざる」という言葉がある。仏教でもずっとある教えで、悪いものを見ない、悪いものを言わない、悪いものを聞かない、ということだ。
現代社会ではその重要性が増している。SNSにはゴミのような情報と言葉が溢れてしまっているからだ。具体的にはこういうことを意識して生活しようと僕は思っている。
1.プロが時間と労力をかけてつくったものを観る。映画や時間をかけてつくられたドキュメンタリー、アーティストが魂を込めた作品や演奏、毎日訓練をしているアスリートが全力を尽くしたパフォーマンス、そういったアーティストやアスリートなどへのインタビューなどを優先して観る。次点は、きちんとした取材チームがつくっているニュース番組(BBC、アル・ジャジーラなど)。
2.読むものも同様。時間の試練をくぐりぬけた古典、学者がずっと研究をしてきたテーマについて書いたもの、実務家が経験を通じて学んだことを書いたもの、作家が心を込めて書いた小説、きちんとしたジャーナリストが丁寧な取材を通じて書いた本などを読む。こういった本は、実際に出版されるまでに何度も推敲されていて、圧倒的に質が高い。また、どうしても日本語で読む必要があるもの以外(具体的には、日本人作家の小説、日本史などの本)は、英語で読む。
深く考えていない人が適当に投げつけて出来上がった言葉たちには目を通さない。よってSNSは見ない(Facebook友人はゼロにしたし、Twitterもフォロー先はゼロにした)。もちろん、仕事上SNSを使わないといけない人もいるのだろうけれど、僕も含め、多くの人にはその必要がない。
3.相手が一人であれ、大勢であれ、同じ言葉を口にする。仮に話したことが録音されていても問題がないように話す。相手にメッセージを書くときは、それが転送されても顔面蒼白にならないことだけを書く。そういうことを続けていると、自然と精神状態が安定してくる(詳細は、「ブッダが説いたこと」という本を読んでみてほしい)。
4.自分の言葉で話す。借り物の言葉は使わない。何かについて感想を述べるとき、SNSやAmazonなどのレビューは読まない。そういうものを読んだりすると、どうしても借り物の言葉を使ってしまいがちだからだ。
自分の言葉を紡ぎ出すのは、本来とても時間がかかることだし、苦しいことだ。そして、それこそが自分で考えるということなんだと思う。
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