創業7周年

本日7月4日で弊社は創業7年を迎えました。

グループ全体の顧客は70万人を超えました。その多くは働く母親たちであり、彼女たちが支える子どもの数は200万人になります。これは日本の子ども総数の約10%になります。

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また、マネジング・パートナーであるArnaud Venturaの加入に加え、委員会等設置会社の導入、役員会議の強化などが進みました。グローバルにマイクロファイナンスを展開する会社の中では、最も優れたチームになったと思います。毎日、素晴らしい仲間に囲まれて仕事していると感じることができるのは、本当に幸せなことです。サービスのデジタル化もこの1年で一気に進みました。

とはいえ、現状は決して満足できるものではありません。創業当時に予定していた2021年6月末時点での総資産規模は未達となりそうです(去年までは達成していました)。本当に意義のあるサービスを提供するために行った顧客理解の取り組みはまだ道半ばです。

もちろん、Covid-19パンデミックやミャンマーのクーデターなど、この15ヶ月の事業環境は特に厳しいものでした。しかしながら、外的環境が良くも悪くも変化するのは所与のことなので、計画未達を環境だけのせいにするのは正しくないと思います。少なくとも、もっと多くのことができたはずです。

 

事業を7年続けて改めて感じるのは、狂気を維持しつつ冷静に計画することの大切さです。創業時に立てた目標が例えば「アジアのいくつかの途上国でマイクロファイナンスを行うこと」だったら、私たちは現在地にすらいなかったと思います。現実は厳しいものですが、その現実を直視してでもなお変わらない目標を掲げ、その実現のための方法を考え続けていこうと思います。

改めてとなりますが、私たちは民間セクターの世界銀行をつくるために創業されました。当面の目標は2030年までに50ヶ国 以上の途上国で1億人以上に安くて使いやすい金融サービスを届けることです。50カ国の構成はユーラシアが15ヶ国、アフリカが30ヶ国、その他が5ヶ国になるでしょう。人口でいえば、インド、インドネシア、ナイジェリア、パキスタン、バングラデシュ、エチオピア(外資規制が厳しいですが)、フィリピン、エジプト、コンゴ民主共和国などが全体の7〜8割を占めることになります。

グループ企業は60社ほどになるはずで、これをマネージする方法を考えないといけません。この数ヶ月の間に「プレイブック」づくりが始まりました。これは、オペレーション、プロダクト開発、IR、テクノロジー、リスク管理、内部監査などについての型を定義しているものです。このプレイブックは、世界中のベストプラクティスを参照しつつ、各国のグループ会社にいる優れた起業家や経営者の助けも得ながら作成していくもので、それを全世界で実装していこうと考えています。また、各国の時差や地域別の人材特性(例えばエンジニアを集めるのであればインドが一番です)などに鑑み、地域拠点も必要になると思います。

顧客あたりの資産残高が5万円だとしたら、目標達成時の総資産は5兆円になっています。それを実現するには、これから5000億円程度の資本を調達する必要があります。これを言うと失笑する投資家も多いのですが、多くのお金を集めないでこの目標を達成する方法を私は知りません。資本効率を最適化したとしても、世界を変えるにはたくさんのお金が必要なのは自明のことです。

この資金を非公開企業として集めきるのは容易ではないので、私たちは株式市場に上場する必要があります。上場をしたあとも、公募増資を何度か行わないといけません。そのためには、世界中の投資家を満足させるような事業成長、ガバナンス、統制の仕組みが必要です。

書き始めると止まらないのでこの程度にしますが、要は、ある程度まで遠くには来たものの、まだ弊社事業は始まったばかりにすぎないということです。世界中の潜在顧客のニーズに応えるためには、会社規模はこれから100倍に成長しないといけません。世界の歴史を前に進めるために、素晴らしい仲間たちと一緒に全力を尽くしていきますので、今後とも応援のほどをどうぞ宜しくお願いします。

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