2019年に読んだ本ベスト5

今年から英語で読める本は全部英語で読んでいるのだけど、日本語訳もあるはずなので、読んでみてください。

一位:Principles
これは3年に一冊レベルの当たり本。僕が考えていたことを、これまでに言語化した現代本は見つからなかった。類書はマルクス・アウレリウスの自省録とかなのだけど、原理原則を実践するにおいて、現代においてはテクノロジーを活用できるわけで、それを可能な限り用いるべきだ。自分がほしいものを知り、真実に至る方法を知り、そのための行動を定義する。そして、意思決定をシステム化すること。


2位:Zero to One
噂になっている本はついつい敬遠してしまいがちで、遅れてこれを読んだのだけど、"What important truth do very few people agree with you on? "は、この本を読んで以来ずっと問い続けていることだ。超過利益を得る基本的な方法は独占を作り出すこと、ニッチから始めること、10倍を目指し続け過激にビジネスモデルを変えること、土台(持分構造など)が壊れた会社は直せないこと、創業社長の給与が低い会社ほどパフォーマンスが高いこと、スタートアップはミッションとチームで人を惹きつけること、など金言ばかり。スタートアップ必読図書。


3位:孟子
すでに読んだことがあった本ではあるのだけど、改めて読んで本当にその通りだなと思うことが多かった。特に、組織のリーダーが自分の利益や保身にはしると組織が治められることは無いというのは、現代でもその通りだ(悲しいことにそういう会社や国家は多くなっている印象があるけど)。


4位:Creativity, Inc.
ピクサーの本。ヒルズで行われていたピクサー展も素晴らしかった。創造性が必要な仕事においては、個々人を信じて可能な限り任せること、ヒエラルキーを感じさせるような組織構造を可能な限り排除すること、創造性を引き出すのに適した仕事環境を用意すること。ジョブズとのストーリーなども面白かった。


5位:The Business of Platforms
プラットフォームであるのに儲かるものとそうでないものがある理由を説明してくれている。規模を拡大したときにネットワーク効果が本当に働くものとそうでないものがあり、偽のネットワーク効果しかでない場合は規模を拡大しても儲からない。WeWorkやUberがその例だ。また、プラットフォームにはInnovation Platform(AWSなど)とTransaction Platform(Amazonマーケットプレイス)がある。プラットフォームビジネスにいつも存在する鶏卵問題の解決についても、極めて示唆深いことが書かれている。


番外編:曲線と直線の宇宙
もう絶版になっている、亀倉雄策のデザイン論。出版から35年経つのに全く内容が色褪せない。



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