抑圧者に対する最高の報復

他の人もそうだと思うけど、僕は起業する前もそうだし、起業してからも相応に色んな目に遭っている。パスポートがないから外国に入国するときにトラブルに遭うネタが頻出なのは、ここでの相手側が匿名のイミグレ担当であり話にしやすいからだ。個人名を出したら問題になるようなことにも出くわす。

それでも心に決めているのは、どんな目に遭ったとしても、その人達を恨みはしないし、その人たちに仕返しをできる立場になってもやり返さないことだ。そして、ひどい目にあっている最中も、精神の尊厳を守ること。

昔いじめられた先輩に何か仕返しするつもりもないし、高校サッカー部時代に散々からかっていた同級生をやり込めるつもりもないし、社会人になってから酷いことを言ってきた・してきた人をあとで告発したりイジめたりするつもりもない。

そういうのは心が弱い人がすることであって、精神的に自分の足できちんと自立できた人間がやることではない。「力を持っているから、力を持たない人間を虐げてもよい」という考えから逃げられないから、そういうことになってしまう。ここで言う力は、お金でも、権力でも、権威でもある。

自分の立場が強いものになったとき、抑圧してきた人たちに対する最高の報復は、その抑圧者側の論理から卒業して、彼ら・彼女らを赦して抱擁することだと僕は思っている。そして、やられたことをあまり気に留めず、心の幸せを保つこと。念の為だけど、相手が犯罪を犯していたりする場合は、その人が法的な裁きを受けるのは当然だと思う。また、現時点で不当な扱いを受けているのであれば、それに対しては声をあげるべきだ。僕が言いたいのは、自分が抑圧できる側に立ったときの態度の話だ。偉大な独立の指導者たちはみんなそうしてきた。

簡単なことではないのだけど、それなしに本当の解放はやってこないのだろうと思っている。


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