伊勢神宮と常若

全国から10人くらいの首長さんたちが集まって行っている合宿に、社会的養護関連のスピーカーで参加してきた。場所が三重で、その合宿日程の中には、伊勢神宮の参拝があった。出雲大社にも伊勢神宮にも一生縁はないかと思ってたけど、去年末は出雲大社をランニングで通過して、今回こうやって伊勢神宮にもきて、地方の二大神社に来ることができた、とか思っていたが、後になって神社の格を調べてみると伊勢神宮(正式名称は「神宮」)は神社の中でも別格ということを知る。

とても不思議な空気感の漂う場所だったのだけど、一番面白いなと思ったのは、20年に一度建物を全て入れ替える遷宮という仕組み。遷宮は建物が古いから建て替えるだけかと思っていたのだけど、神々を祀る神社が常に新しくあり続ける「常若(とこわか)」の精神を象徴するためであると知った。

宗教建築物で、常に新しいことに価値を置くものは他にあるのだろうか。僕の知る限り存在しない。また、日本では、人々が住む建物であっても新しいものが高く評価され、新築物件には高い値段がつく(ヨーロッパでは古い家に高値がつく)。地震が多いという地域性もあるものの、それだけでは説明しきれない、新しい家への崇拝のようなものがある気がする。

ここで乱暴な議論に立ち入るのは避ける必要があるけど、この新しい家を尊重する風土と日本の思想との間に何らかの関連があるのだろうか。20年に一度建て替えられる建物と、明治維新、戦前・戦後に見られたように時折指向性が完全にリセットされる性質。


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