集団的自衛権はなぜ違憲なのか

編集者さんから献本頂き、木村草太先生の「集団的自衛権はなぜ違憲なのか」を読んだ。皮肉を交えながらも冷静な筆致で、現政権の一連の行動の法的問題点のみならず、ガバナンス的問題点を指摘している。

本書を読むと、「現憲法下では集団的自衛権は違憲である」という結論に疑いの余地は無さそうに見える。また、法制局長官に非専門家である外務省出身者を置いたり、憲法改正についての識者会議にまともに学会から相手にされる憲法学者が呼ばれなかったりしてたのは初めて知った。

だったら憲法改正をしたらいいのに、と多くの人は言うけど、いま国民投票やってもまず否決されるのが現状。「現政権は民意を無視している」と言う人が少なくないが、決してそういうことはなくて、むしろ、すごく世論を気にしながら、とても慎重に物事を進めているように見える。時にはネタを小出しにして、反応を見るみたいなことも含めて。

もし9条を変え、国家による自由権侵害を多少は認める方向で憲法改正することだけの集中するとしたら、僕ならこうするんだろう。
(1)可能な限り長期政権にして衆参2/3を常にキープ
(2)国内ナショナリズムが台頭するための色んな方策を打っておく。できれば他国やテロリストへのちょっかいも出す
(3)国際紛争が起きて邦人死亡などを伴う国家的パニックが来るのを待つ
(4)その時にすかさず改正案提出(この迅速対応のためにも衆参2/3が必須)

ちなみに、僕はいまの日本国憲法が好きだけど、国の自己決定権として、正真正銘自分たちの手で作った憲法を持ちたいと思うのはまあ理解できる。仮に結果としてほぼ同じ内容になったとしても、自分たちの手で作りたいよね、そりゃ。表現の自由の制限とかは勘弁してほしいけど。


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