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未来への不安払拭法の提案

日本人は基本、今よりも未来にフォーカスして生きているように思います。貯蓄が好きなのも全て『先々の不安を案じる』傾向にあるからだと思います。


絶え間なく出版される自己啓発本は、不安に対して自分の感情を処理する方法が紹介されており、自分の考えが行き詰まった時にアドバイスを乞うもの。ただ、読んだところで結局『前向きになろう』『忘れよう』というメッセージに集約され、そこにいくまでにどうしたらいいか?は教えてくれません。

前向きになったり忘れることができればこんなに悩むことはないんです。

それができないから困っている。私は割と安定感のない人生を送っており、就職氷河期世代、失われた世代のど真ん中に位置していますが、一時が万事不運な時代の影響を受けたわけではなく、都度波に乗り、結果自分のやりたい仕事についてきました。チャンスもいっぱいあってそれをことごとく掴んできました。こういう人もいるんです。しかもこの間、先のことを案じていたことなどありません。

思うに、未来への不安というのは実は『自分への不安』だと思うのです☝️

もし自分に何か不運が降りかかったらどうしよう?
もし失敗したらどうしよう?

老後の貯蓄の不安も明日の不安も、結局これではないでしょうか?

私のオリジナル不安払拭法

唯一、私が人生で一番不安になったのは『鍼灸あん摩マッサージ師の国家試験に落ちるかもしれない』という時でした。
3年間の全ての時間とお金が無駄になるかもしれないという崖っぷちです。私は落ちたら前職に戻り、ひたむきに文句も言わず会社員をやることを誓っていました。これが嫌なわけではありませんでしたが『3年間が無駄になる』ということが堪え難いストレスでした。

試験というものに一発逆転できる可能性はありません。

これまで真面目にやってこなかった報いというか、知らない問題を知ってるように答えることは不可能なのです。試験の問いにおいて、知ったかぶることは不可能。私は専門学校時代、ブラジリアン柔術にハマり、学校と並行して格闘技デビューしていたため勉強がおろそかになっていたのです。
それなのに留年もせず国家試験に受かったことは半ば奇跡なのですが、私のイマジネーションの世界では『もう未来はとっくに決まっている』と考えます。


私が試験に受かるor落ちるは、もう試験を受ける前から決まっているのです☝️いくら不安になろうが楽観的になろうが、『私』という性格がマークシートを『ギリギリの知識』で埋めていく以上、受かるか落ちるかはもう決まっている。結論、ほぼ落ちるということ。
真面目に放課後残って、毎日鬼のように勉強していた生徒さんと私が同じ結末を辿るわけがないのです。そう考えると不安という名の『気持ち』という部分は要らないわけです。

こんな時、残された手持ちの武器は柔術で培った体力とカン、そして持っているであろう運だけです。これしかありません。

それをどうするか?ということですが、とにかく『懇切丁寧に考えた珠玉の解答を提出する』ということ。周りの人達はサラサラ答えてサッサと部屋から出て行こうとも、私は確認という確認を怠ってはいけない。問題を前から解いて、後ろから解き、更に前から解いて最後に後ろから解く。知らない、膨大な問題をこんなに何度も熟考するのはものすごい体力と気力が必要です。これをやり、最後の一人となるまで部屋に残るメンタルの強さ。『コイツ、いつまで問題解いてんだ?』と思われてもいい。悔いのない受験にするために、今できることを全力をもってやっているだけなのです。

これで結果、受かりました。

もし『不安』という感情にのまれていたら受かっていないと思います。私は準備を怠っていたわけですから、知らない問題が多い=問題に答えられない=最悪マークシートだから正解に当たればいい、という神頼みになります。こうなるとわからない問題に当たった時『考える』ことすらしなくなります。
でも、私の不安払拭法の観点からいいますと、もう合否は決まっているわけですから安心してここで全力を注ぐべき。つまり『落ちる』という結果に対して残り1%の『受かる』可能性に賭けるしかないということです。落ちると思いながら受けるのと、もしかしたら受かるかもしれないと思いながら受けることの違いです。


ちなみにこの国家試験では誰も落ちると思っていない人が落ちました。人生なんてこんなものです。


ポジティブに考えようとすると逆に不安になる

自己啓発や心理学では、基本ポジティブに考えることを勧めてきます。それに越したことはありません。私のように悪い結末を想定して、決めつけて考えるのは不健康かもしれません。ただ、ポジティブというのは考えれば考えるほど不安が増すものでもあります。
『自分は大丈夫!』と暗示にかけていると、残りの数%の不安がやたら光輝いて見えます。これすらも潰そうとすると、もはや現実を見ない、受けつけないことに他なりません。

基本、不安なものは『わからないもの』でありわからないものが『現実』であったりします。見ないという選択は余計に心の傷を大きくする可能性もあるんです。

常にBパターンを用意する試み

自分の性格、思考パターンにより日々選択を迫られるのが人生です。その選択を間違ったら最悪な結末を迎えることにはなるのですが、間違うも間違わないも『結論はとっくに決まっている』。もしこうしていたら…?あの時こうしていれば…と思ったところで、自分の性格を考えてみてください、別の方向を向く気なんかなかったのではないですか?悩んだ挙句、そっちへ行って後悔したとて、結局巡り巡って同じところへ到着すると思うんです。

ですから、そっちへは行きたくないと思ったら今から全力で反対方向を向くしかないのですが、そっちへ行きたいのに時代の流れや環境でどうやら無理そうだ…と不安に思うなら『Bパターンを用意する』ことをオススメします。
ダメだったらこうする、もし違ったらこうしよう、と考えることです。具体的に考えることで漠然とした不安は消えます。そしてBパターン以上に何パターンあってもいいと思います。

PDCAサイクルは通用しないかもしれない

会社でスタッフに意識を持って働いてもらうため、PDCAサイクルというのが一時期流行っていました。目標設定からゴールまで描き、ただ『こなす』だけの仕事はやめよう、という試み。ただこれ、今後廃れていくかもしれません。

新型コロナウイルスの出現により想定外の事態が出現したからです。

PDCAサイクルは想定外は想定していません。順調に回ることが決まっていることがベースです。つまり、今既に順調であって更に利益を出すための発想であると私は思います。
ですから、想定外の時に『お客様に納得のいくサービスを提供し…』などと言ってみたところで、お客様まず一人もいないけど?ということになりかねないのです。
そういう時は、お客様に来てもらう術を考えるしかなく、順調にゴールに向かうことは一旦諦めて、Bパターンを用意した方が得策だと思います。

不安という気持ちが選択を誤らせるかもしれない

このまま、自分という性格が歳を重ねていけば自ずとどうなるか?結論は出ています。病気というものがそれを物語っていて、自分がどう思おうとこればかりはどうにもなりません。

甘い物好きが甘い物を食べ続けた結果どうなるか?というので例えると、そういう人が『糖尿病になるかもしれない』という不安から、食生活を変えずに血糖値を下げる薬を飲むという選択をしたとします。数値を下げれば少しの間健康でいられますが、結局最後は薬が効かなくなり何もせず食べ続けた人とゴールは一緒になります。


ゴールが糖尿病発症だとしたら、今からすぐに全力で食生活を変える方が糖尿病を発症せずに済む可能性は確実に高くなるんです。


糖尿病になる不安、などという気持ちを持つ必要はなく✋『このまま甘い物を食べ続ければ糖尿病になる』と考えることです。


自ずと決まっているゴールがあるということを前提に考えるとポジティブである必要はないんです。ポジであろうとネガであろうと、数々の選択を毎日繰り返した結果のゴールは決まっているし、本当は自分が一番わかっています。ただ余計な不安を抱えて、不安にのまれることにより『良くなる可能性が減っている』だけのこと。もし、未来に不安を覚えたら一度立ち止まってこう考えてみてください。『もう既に結果は出ている』と。だから、安心して全力を出して、継続するだけ。

思考を巡らせる機会が多くなった現代です。でもその思考、いらないかもしれない、今日はそういうお話でした☺︎






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