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沙々杯 中岡はじめ賞 寺社編

さて、盛り上がりを見せている「みんなの俳句大会・冬 沙々杯」ですが…
ここで、「勝手に個人賞」を発表したいと思います。

ひとつお断りしておきますが、選んだ俳句は完全に「私の好み」です。
それ以上も以下もありません。

そして、それぞれの御句に、感想を添えさせていただきますが…
私は俳句に関しては、素人です。
いかんせん、昨年の秋に初めて俳句を詠んだもので。

まぁ勝手に個人賞なので、好きにやらせていただきます(笑)
では発表。


八雲立つ出雲初雪誓ふ愛

鮎太さん

八雲立つ、は和歌において「出雲」にかかる枕詞です。
余談ですが、

八雲立つ出雲八重垣妻籠つまごみに八重垣作るその八重垣を

これが、日本最古の歌です。
素戔嗚尊すさのおのみことの作で、古事記にも載っています。
素戔嗚尊が、クシナダヒメと結婚した際の、祝いの歌だといわれています。

あらためて、御句に戻ります。

八雲立つ出雲初雪誓ふ愛

出雲は、言わずと知れた「縁結び」の神様・大国主命おおくにぬしのみことが祀られています。

その神様の前で、愛を誓う…
ひょっとしたら、出雲大社でのプロポーズだったのか。
それとも、ひっそりと愛を誓ったのか。

いずれにせよ、「出雲」と「誓う愛」の取り合わせが良いと思いました。
初雪というからには、初詣だったのかもしれません。

十七音という、短い俳句にこめられた景色が素晴らしい。
私も出雲大社にお参りしたことがあり、より親しみを感じました。


焚き上げの漆黒に舞う淡き煤

おとやさん

こちらの御句について…

毎年、年が明けて初詣に家を出ます。
神社でのお焚き上げのための炎を見るのが好きなのです。
境内の中の引き締まった冷たい空気の中で常に形を変え続ける炎。祈りの役目を終えたものを空へ返す炎。

おとやさんは、投句記事でこのように書かれていました。

お焚き上げ、私も毎年神社で目にします。
もっとも、私の地元では2月3日の節分ですが。

そうか、あのお焚き上げは、祈りの役目を終えたものを、空に返す炎だったのか。
毎年、漠然と「縁起物」をお焚き上げの炎にくべていましたが…
なるほど、言われてみればそうですね。

空に返す。
その視点が良いなぁと思いました。

境内の引き締まった空気。
寒さ。
夜空、そして燃え続ける炎。

風景としても、素晴らしいです。
季語は見当たりませんが、沙々杯は季語なしOKなので、問題ありません。


室生寺の雪のきざはし七百段

maychan0512さん

こちらの御句を拝見した時…
「室生寺キターーーーーーーーーー!」
と思いました。

室生寺は、奈良県の山深い所にあるお寺です。
古くから「女人高野」として親しまれてきました。
(かつて高野山は、女人禁制だったので)

私も何度か、お参りしたことがあります。
雪の日にも、一度お参りした記憶があります。

春はシャクナゲ、秋は紅葉…
そして、冬は雪。
室生寺は、自然の風景もきれいです。

そして。
その室生寺の「雪のきざはし」です。

階段でもなく、石段でもなく、「きざはし」と表現されたのが素敵だなぁと思いました。
まさに、古寺の情緒ですよ。
平仮名で書かれているのも良いですね。

そのきざはしを、七百段。
のぼった先には、室生寺の奥の院があります。

実は、私は奥の院まではお参りしたことがありません。
次に訪れた時は、奥の院にもお参りしようと思いました。


時ならぬ風花舞いし神社かみやしろ

mocaさん

「時ならぬ風花」の表現が、とても神秘的だと思いました。
また風花は、晩冬の季語です。

晴れた空を雪がひとひらずつ舞落ちてくることをいう。雪になるかなと思っているうちに何時の間にかに止んでしまっている。

きごさい

よく晴れた日。
神社でお参りしていると、ふと風花が舞い落ちてきた。

それは、神様からのメッセージだったのか…
私はそのように感じました。
(私はスピ系ではないですよ、念のため)

投句記事には、

年末のご挨拶まわり中、某お宮で、予報にはない風花が、風にあおられて、たくさん、たくさん、ふわーーーっと舞い降りてきた時の事を書きました。幻想的でとても綺麗な光景でした

と書かれていました。
その風景が、一句に込められています。

まさに、幻想的。
風景がありありと浮かんできます。


雪纏う神籤みくじのつぼみ春を待つ

はみんぐばーどさん

雪纏う御籤。
もうこれだけで、神社なんだなぁとわかります。

そして、御籤のつぼみ。
この表現も良いなぁと思いました。
お御籤の内容が悪かった時、境内の木に結び付けるんですよね。

投句記事にも、

御神籤を引いたら、なんと子供の御神籤が凶。これから受験だと言うのに、人生初めての凶が出て、がっかりするやら面白いやら。

学問の欄の「努力が足りない」を心に刻んで、御神籤掛けへ結びに行くと、既にたくさん結ばれた御神籤に、ふんわりと雪が積もっていました。白くてまるいつぼみが並んでいるようでした。

と書かれていました。

結ばれたお御籤に、雪が積もっていた。
それが、白くて丸いつぼみのようだった。

視点が良いなぁと思いました。
私もよく神社にお参りしますが、この発想はありませんでした。
厳密には季重なりですが、今回は良しとします♥️

願わくば、そのつぼみが花開きますように。
子供さんの合格を、陰ながら祈っております。


賽銭の額でいさかう若夫婦

やらぽん塾長@noteグローアップ塾さん

何ともほのぼのした御句、と思いました。

実は私も、同じことをしたことが、あります。
まぁ、諍うというほどのものでは、ありませんでしたが…

夫が賽銭箱に、千円札を入れようとした時…
「そこまでせんでも、良くない?」
と言ったことがあります。

お賽銭とは、神仏に対する「気持ち」です。
基本的には、お賽銭の金額は自由です。
だから、金額はいくらでも良いんですけどね(笑)

それにしても、ほのぼのした御句。
良きだと思いました。
こちらも季語がありませんが、沙々杯自体が「冬っぽい句」なのでOKです。


さて、ここまで感想を書かせていただきましたが…
あくまで、俳句素人である「私の感想」です。
本来の御句の意味と違っていたら、すみません。

さて、個人賞はあと3つ♪
あ、4つか。

まだまだお楽しみに♡

沙々杯決勝の締め切りは、本日(1/28)20時まで!

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