コント「命乞い」台本


コント「命乞い」


(関町一人板付き)

関町「(電話で)まだヤツは捕まらんのか!?いつまでもウチの屋敷で好き放題させるな!(電話切る)…ちっ!役立たず共が!」

SE-ノック音

関町「誰だ?連絡は電話でしろと…。」

(田所、銃を持って入ってくる。)

関町「貴様…!ウチのボディーガード達はどうした!?」
田所「あぁ、そいつらだったら廊下でおねんねしてるぜ。」
関町「バカな!?…お、お前…、目的は何だ…?」
田所「お前が裏で武器を取引しているのは知っている。その大元の名前を言え。」
関町「か、勘弁してくれよ…!そんな事したら、この裏社会でもう生きていけなくなっちまう!今こうして、屋敷に侵入されてる事だって噂が回ったら立場がヤバいんだ!」
田所「そうかい。じゃ、ここで死んでもらうしかないな。」
関町「そんな!それは勘弁してくれよぉ!」
田所「名前を言うか、死ぬか、自分で好きな方を選ぶんだな。」
関町「頼むよ!どっちも勘弁してくれ!」
田所「そいつは虫が良すぎるんじゃねぇか?」
関町「(土下座して)頼む〜!名前は言わせないでくれ〜!命も助けてくれ〜!あと、侵入した事も世間には内緒にしてくれぇ〜!!」
田所「そいつは、…ちょっと本当に虫が良いんじゃないのか…?」
関町「ボディーガード達にはお前は俺が追い払った事にしてくれぇ〜!!」
田所「…待て待て…。どういう感情で言ってるんだ、お前。」
関町「泣きながら帰った事にしてくれ〜!」
田所「え?俺が?」
関町「カッコつけさせてくれぇ〜!!」
田所「うん、いや、お前、自分が今どういう状況か分かってんのか?お前は今生きるか死ぬかの…。」
関町「その時計もくれぇ〜!!」
田所「ん!?」
関町「その腕時計も高そうだからくれぇ〜!!」
田所「気ぃ狂ってんのか、お前。(銃を向ける)」
関町「勘弁してくれ!お、お前、あれだろ!?どうせ金で雇われたんだろ!?い、いくらだ!?…その倍!いや…、三倍くれぇ〜!!」
田所「もう何を言ってるんだお前は…。(額に銃を突き付ける)」
関町「ああああぁぁぁぁ……。女も紹介してくれぇ〜…。」
田所「…お前どういう幼少期送って来たんだ……?」
関町「…ブスはやめてくれぇ〜……。」
(田所、銃を押し付ける)
関町「巨乳の…!」
(田所、離してまた押し付ける)
関町「エロい女…!」
田所「……お前、どうやら、俺が本気で撃たないと思ってるんじゃないか?」

(田所、肩を撃つ)

SE-銃声

関町「ああああぁぁぁぁぁ!!!!」
田所「相手が本気かどうかも分からないようで良くこの世界で…。」
関町「なんか面白い話してくれぇ〜!!!」
田所「え??」
関町「鉄板話を聞かせてくれ〜!!!」
田所「何なんだコイツは…。」
関町「(しがみついてくる)頼む〜!」
田所「ちょ、離せ、お前…!」
関町「(もみ合いになりながら)テーマは『年末』で話してくれ〜!!」
田所「ちょ、何してんだお前…!」
関町「長いのはカッタルイから短めのヤツにしてくれ〜!」
田所「気持ちわり!は、離せテメー!!!(突き飛ばす)」
関町「あぁ!」
田所「ん?あれ?(銃が奪われている事に気付く)」
関町「(かまえて)う、うう…。」
田所「貴様…。」
関町「う、う…、撃ち方教えてくれ〜!!!」
田所「えー!!」

暗転


[解説]

作ったのは多分2014年くらい。

泣きながらワガママを言ってくる男の設定を思い付き、「この設定で一本作ってくるわ」と相方に告げて持ち帰った。家で書き始めるもすぐ行き詰まり、翌日相方に「やっぱりあのコント無しにして」と伝えて暫くの間パソコンの中で眠っていたのがこのコントです。

数カ月後、ライブの為に新ネタを考えていたが全く思い付かず、もう一度チャレンジしてみるかとこのネタの台本を再び書き進めて何とかオチまで書いたものの、ハッキリ言って台本上だと全く面白いと思えませんでした。

しかし、新ネタライブの〆切りまで時間が無かった為とりあえず相方に渡し、「このネタはお前の言い方で面白くなるコントだから。お前のパワー次第だから。」とバレないように責任を相方になすり付けた結果、今の形になりました。

そんな経緯もあって自分の中での位置が低かったこのコントは、周りからの薦めで2016年の賞レースに使用するまでほぼお蔵入り状態でした。

まぁでもなんやかんやで、作って良かったですね。




ご無理はなさらず。 いただけるのであれば有難く創作意欲と飯の種にさせて頂きます。