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【短歌】

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【短歌】をまとめたものです。
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#現代短歌

この酸味サンドがいいよハムチーズそのままもいいよライ麦パン

菜の花のうるさいくらいにぎやかな黄色たちに上書きされたい

新緑とキツツク音と青空と広がるリズム静かな風と

パラパラと降る髪の毛はひと月のアルバムのようで思いにふける

フカフカのコッペパンねむる具材たちつぶさぬようそっともってみる

カスタード新たな出会い求めてはパン屋の中のクリームパンに

水面に雲といっしょに青い空アホ毛のように並ぶ苗苗(なえなえ)

真夜中にバイクらの音遠くから聞こえてきたよ初夏のはじまり

曇天の雨つぶの打つ初手の音大嵐の始まりの合図

朝4時にカラスカッコー叫び合うジャズのようだと変換できず

星屑が願い受け止め輝いて消えるのならば好きなところで

やってくるまた明日がまたやってくる無限回廊に一輪挿しを

薄暗い日中こそが本舞台銀河のごとく並ぶ紫陽花

雨音が心にかさねいやしてく静かな音で浄化されてく