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日平の夕日 ~隣のしんちゃん2~

こんにちは!多田ビニ本と申します

ビニ本作ってる人ではありませんが、ビニ本的なコンテンツを愛してます

#西野亮廣 さんの#帝国に挑む に触発されて過去を振り返りながら思い出をつづっております

「しんちゃんと紳士のたしなみ」

しんちゃんについては

はじめての投稿で触れているが、自宅の倉庫整理していたら、ボロボロのゴルフバックが出てきて

1つエピソードを思い出したので

忘れないうちに書いておこうと思う

しんちゃんはガキ大将であったが、遊びを開発することに関しては天才的で

当時「絶対に触るな」と言われていた父ちゃんのゴルフバックを見つけると

「田んぼゴルフしようぜ!」

と言って、稲刈りが終わったばかりの田んぼへ走って行った

家の廻りはほぼ全面田んぼに囲まれていて、今のように整理されていなかったので、さまざまなホールが無限にあった

田園出身者(何かカッコいい)にはお馴染みだろうが稲刈りが終わった田んぼには等間隔に刈ったあとの稲の株が残っていて

それをティーにしてショットし、水を出すための水道益に最終的に入れるという遊びだ

しんちゃんが株にゴルフボール乗せておもいっきり打った

玉は低弾道で地をはって飛んでいった

「しんちゃんスゲー」

父ちゃんにばれたら怒られるという後ろめたさは、すでに無くなっていて

ただただワクワクしていた

僕もしんちゃんの真似して、株にゴルフボールを置きおもいっきり打ってみた

「スコーン」

といい音がして、ボールは青い空に舞い上がり

「ボスッ」

と田んぼに刺さった音がした

何と!自分の打ったボールの場所で見ている、しんちゃんの遥か先に落ちたようだ

オシッコの距離をはじめ(前作隣のしんちゃん参照)何をしても勝てなかったしんちゃんにはじめて勝った瞬間だった

しんちゃんも呆然としている

使っていたクラブが しんちゃん→パター、僕→ドライバーだったので今思えば当たり前なのだが

第1ホールは僕の圧勝であった

僕は初めての快挙にめちゃくちゃテンションあがっていて、しんちゃんの感情なんて気にもせず

もう一度あの快感を得ようと

次の田んぼに走った

勝った人から打つということで、次の第1打は僕の番

テンションあがって、周りで何が起きているのか確認することもなくドライバーをおもいっきり振った

『カィーン』

あれ?何かさっきと手応えが違うぞ?

ボールではなく何かがクルクル宙を舞い

「ドスっ」

と田んぼに刺さった

何だ?

ふと見ると、しんちゃんがしゃがんだ姿勢で固まってる

いやな予感がして、「何か」が何なのか確認した

「何か」は『パターの先っぽ』だった

やってしまった

しんちゃんに「何で?」と聞いたが、「ごめん」と言い残し走って帰ってしまった

何故そんなことをしたのかは、大人になったしんちゃんに聞いても憶えていなかった

子供のイタズラは実験である

と誰かが言ってたが、しんちゃんはリスクの高い実験に手出し、失敗したのかもしれない

どうしたらよいかわからず、とりあえず父ちゃんのゴルフバックに先っぽ無くなったパターを逆さに入れた

すぐ謝れば良かったのだろうが、覚悟が出来るまで少し時間が欲しかった

その日の夜

意を決して、父ちゃんと母ちゃんに昼の出来事を洗いざらい話した

とりあえず、どうやって壊れたかわからないが壊してしまったと謝った

拳骨一発くらいは覚悟していたが

以外にも母ちゃんが放った

「コイツらの手が届く場所に置いておいた、あんたが悪い」

という援護射撃により、父ちゃんにぶん殴られることはなく

何とか事なきを得た

次の日しんちゃんが、申し訳なさそうに家に来て

「怒られた?」

と聞いてきた

色々思うことはあったが、「謝ったら大丈夫大丈夫だった」とだけ伝えた

ホッとしていつも通り遊びはじめたが

しんちゃんが先っぽ取れたパターを使って

『シルバーチャリオッツゥ!』

とやってた時は、子供心に

「オイッ!今すんなよ!」

と思った

じゃあまたね

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