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塔山忠臣のシンセサイザー講座《第3回》

今回の新作を手に入れてくれてありがとう。

まだまだ始まったばかりの旅路だけど、

自分のイマジネーションが死なない限り

作曲という手紙を書きつづって聴いてくれるあなたの耳に届くように歩みをとめない。

色々なことが起こる人生の中、お互い歳をかさね

変化し続けなければならないだろう。

そんな中で耳から入る音であなたと何かを共有し、

明日また踏み出す刺激を目指して。

東京に出てきて、特にコレと言ってやりたいこと

出来ることもなく。酒などと出会って

ダラダラというよりどちらかと言うと『???』

『おれは何のために?』と生きて来た自分が

ほぼ洋楽専門ではあるけれども、

たまたま音楽を聴くという行為に出会った。

学生時代は一切、音楽というものを聴いてこなかった自分が(珍しいよね)セックス・ピストルズに始まりニルヴァーナという基本必須講座からスタートし、

本当に毎週末毎週末タワレコやHMVに通い、

文字通りアルファベットAから順に(邦楽のあ行てきな)

面白そうなモノを見てまわるという

日々が続いた。

ジャケットが目に止まることもあれば(ジャケ買いってヤツ)バンド名が気になることもあった。

有名メジャー、無名マイナーは関係なく、

選ぶ基準は『面白そう』

その『面白そう』も音だけというワケでもなく、

そのアーティストの見た目の雰囲気や(カッコいい可愛い的な安い意味ではなく)

インタビューなどから見ることが出来るそのアーティストの考え方や物事に対する姿勢、

世の中に対する『ヘンだろ?』『おかしくないか?』という

主に怒りの観点や価値観が

自分にフィットすると、

とてものめり込む傾向にあった。

(怒りイコール激しいサウンドという意味ではなく)

分かりにくいかも知れないけれど

極端な話、サウンド的にはパッと聴き

そんなにまだ好きになりきれて無かったとしても

ソイツが制作中に思い描いてたもの

悩み考えてた感情のカケラを感じた時、

『わかるわ〜!』

コイツある種わけわからんこのサウンド(芸術)を、

本気で〝ガチ〟で

創り上げたんだなぁ〜!!!

と驚きを感じた時。

僕自身、

その作品が本当に大好きになる。

流行っているモノに惹かれるなら誰かがススメてくれるから楽なのだが、

こればっかりは自分で探さなきゃアカンから

めちゃ大変なのである。

今は音楽の聴き方や買い方、

アーティストの作り方も効率よく

より効果のある方法論を探求し

音楽というものの価値があがったのか

さがってんのか

ワケわからん時代である。

朝、食パンにしらすとシソをのっけたものに

マヨネーズなどでしばきあげた作品を食べながら

動画など見ていると

『売れそうだな〜』と思うモノは多々あれど、

〝なんじゃ、コリャ〜!!!〟

〝なんじゃ、コリャ〜!!!〟

・・・・・。

〝なんじゃ、コリャ〜!!!〟

と2回連続で叫んだあとに行間をつけて

(音楽では大切♪)

3回目に確信、

さらに

叫び出したくなるような

そしてメインであるせっかくのシラスを一匹残らず

あとで拾わなきゃイケないような刺激は、

受けることが少なくなった。

懐古したいとは思わないが、蚕(カイコ)のように

型に閉じこもった保守的な世間に

興味はナイ。

そんなフワフワした美意識や

価値観が漂う現代だからこそ、

自分のような

プロではない、音楽のことなんて何も知らない

ただの音楽リスナーが

出来ることがまだ何かあるのではないか。

作曲という名のあなたへの手紙

自分の道は自分で変えるしかないのだ。

(塔山忠臣)


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