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横光利一句碑のある丘〜伊賀市

伊賀市に「横光公園」という清らかな公園があります。

「横光利一は、大正から昭和にかけて日本の代表的な作家として活躍。「文学の神様」という呼び名が付けられました。
平成11年春、横光利一の生誕100年を記念して母小菊の故郷であり小学生時代の一時期を暮らした野村の地に公園が造られました。
園内には父梅次郎が鉄道技師として関西鉄道建設に関わり加太トンネル工事に使ったレンガや絶筆「洋燈」をモチーフにしたモニュメントがあります。また、東京都世田谷区の自宅庭のザクロの株分けをされています。 (伊賀市ホームページより)」

この公園を「清らか」と表現しましたが、気持ちが良い、爽やか、清々しい、優しい、…といった、まったくもって、個人の主観です。

初めて私がランプを見たのは、六つの時、雪の降る夜、紫色の縮緬のお高祖頭巾を冠つた母につれられて、東京から伊賀の山中の柘植といふ田舎町へ歸つたときであった。「洋燈」より
横光公園から文学碑のある岡へ移動しました。
「蟻薹上に餓ゑて月高し 横光」句碑

横光利一文学碑(句碑)のある岡に、今はもう訪れる人はいない。(草ぼうぼうの様子から推測)
そこにある句碑、

  蟻薹上に餓ゑて月高し

「薹(花軸)」がお寺か廃屋の低い屋根の上に伸びているのでしょう。畑でないほうがいい。その花軸に登る蟻。背後の空には白い月が。。。

ここでこの月が昼の月ではなく、夜だったら?
見えないものを観る、幻想的な世界が広がりますね。

横光利一は俳句の達人でもあったのだと知りました。

2023.10.13