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松阪散策②「小津安二郎松阪記念館」

小津安二郎監督の生誕120年なんですね。明治36年(1903)12月12日、東京深川生まれ。

小津安二郎監督の記念館や資料館は、全国にいくつもあるようです。9歳から19歳までの青春を過ごしたここ・松阪の地にも「小津安二郎松阪記念館」があります。2021年4月オープン。

場所は、松阪城跡の一角。松阪市歴史民俗資料館の2階です。

小津安二郎松阪記念館のことは、実は、1年前に、飯高町(合併により今は松阪市)の「小津安二郎資料室」を訪ねたときに知りました。

次訪ねるのは松阪記念館だなと思いつつ飯高の小津安二郎資料館を辞したのですが、1年経ってようやくそれが実現したのであります。

オープンまもない松阪記念館ですが、建物はなんかかなり古い木造です。明治45年(1012)に建てられた図書館だったといいます。その建物を活用した、歴史民俗資料館の開館が昭和58年(1978)。そしてこのたび、2階に小津安二郎記念館が併設されたという経緯のようです。

館内は一部展示を除き撮影可でした。

「東京物語」 昭和28年。

「早春」 昭和31年。

「彼岸花」 昭和33年。

「秋刀魚の味」 昭和37年。

小津監督作品は、これまでけっこう数観ましたね。大阪九条のシネ・ヌーヴォーで。またDVDやテレビなどで。なんといっても「紀子三部作」がよかったです。

「晩春」  昭和24年(1949) 笠智衆、原節子
「麦秋」  昭和26年(1951) 原節子、菅井一郎
「東京物語」昭和32年(1957) 笠智衆、原節子

ちなみに三作品で演じた原節子の役名が共通して「紀子」であったことから、「紀子三部作」と呼ばれている。

古きものの美しい復権
永遠の静止 すべては小津の眼差しに守られて
ただ画面のなかに生きつづける
沈黙と抑制
ノスタルジーと余韻
失われたものが美しくよみがえる
 (蔵書「『「小津安二郎と読む』フィルムアート社」から引用。)


「小津調。。。いいなあ」という気持ちが高じて、何年か前に、映画「晩春」の撮影舞台になった鎌倉のあちこちを訪ねることまでしてしまいました。

小津安二郎監督の映像による表現手法は、文章による表現手法とは違いますが、学べるところがいっぱいあると思います。

小津安二郎はもう古い。過去の人。
そんなこたーありません。

ほんとうは生誕120年なんだからもっと盛り上がってほしい(マスメディア)と感じています。(自分が知らないだけで盛り上がっているのかな?)

そして郷土資料館2階のつつましい美学もわかりますが、もう少し小津映画愛全開を感じることのできる記念館であってほしいとも。←個人の感想です。

小津安二郎。享年60歳。昭和38年(1963)。

いつか、全国にある小津記念館を訪ねるぞお!

※「松阪散策③(終章)」は伊勢湾の戦争遺跡について書くつもりです。


2023.8.20
旅した日:2023.8.17