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改造詩人

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世界を改造する詩作の試作。
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#詩

改造詩人肆拾参号「Still (仮)」

ぼろぼろのジーンズを捨て 街の隅っこに何かを探している グラビアのロックスターはしわくち…

只野小平
2年前

改造詩人肆拾弐号「キネマ支配人の憂鬱」

油の切れかかったハンドルを力任せに回し、シャッターを下ろす エントランスの絨毯に落ちたポ…

只野小平
2年前
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改造詩人肆拾壱号「薔薇とアンドロイド」

死んだ大地に 打ち捨てられたジオラマ 瓦礫の森に風が過ぎ  冷たい骨は砂になる 白い部屋…

只野小平
2年前
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改造詩人号肆拾号「澄んでるな」

羽を広げた鶺鴒が 冬の日差しで輝いてる どこへいくんだろうな ブーツの踵を鳴らしながら …

只野小平
2年前

改造詩人参拾玖号「午後三時の憂鬱とワクワク」

午後三時の日差しがカーテンを透かす 湿気ったポテトチップ 食べる気がしない テレビをつけ…

只野小平
2年前

改造詩人参拾捌号「Wonder for  The Wanderer」

荒野を一人で さまよう旅人 誰とも語らず 何か探している 飲み飽きた炭酸を片手に キレイなア…

只野小平
2年前

改造詩人参拾漆号「路地裏とアシッドレイン」

割れたガラスは何も語らない 残響は闇に遠のく 窓の外は雨模様 暗い街はメランコリックに染まる 壊れたレコード 針を通して あの歌が沈黙を満たす 焼き付いた思い出が 時を止める 5分7秒のノイズ 毒の混じった雨の中 アスファルトを泳いでいく 何かが死んだ街の中 行き先もなく歩いていく くたびれたコートを脱ぎ去り 8本目のタバコに火を付ける 立ち上る紫煙の中に 浮かび上がる 二度と戻らぬアドゥレセンス 灰色のギターを抱えて あてどなく弦を爪弾く

改造詩人参拾伍号「マグマライザー」

ガリガリ ガガガ ゴリゴリ ゴゴゴ 地底を進む 巨大なドリル 唸るキャタピラ 輝くボディ…

只野小平
3年前
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改造詩人参拾肆号「Feel like 99 Future」

コントラストの強い空 メリハリのついた白い雲 アスファルトがギラついて 街は輝く 立ち並…

只野小平
3年前

改造詩人参拾参号「ダズル・ステイトメント」

「夢はきっと叶う」と微笑む テレビの中の反町順子 「あなたは望まれて生まれてきた」と語る…

只野小平
3年前

改造詩人参拾弐号「AMEBA」

カラダ グニャグニャ ココロ ウゾウゾ アメーバが這いずり回る 有象無象に紛れ紛れて 今…

只野小平
3年前

改造詩人参拾壱号「Run away(I can't)」

I lost the way to safe Screaming in torment Pain and forfeiture turn to the specter …

只野小平
3年前
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改造詩人参拾号「世界で一番大事なのはワタシなので」

ワタシの中にはワタシという人格があって、形而下世界には内的作用によって動いているワタシの…

只野小平
3年前
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改造詩人弐拾玖号「泡沫の人魚」

群れを離れて渚に横たわる 一人の獣は 白く燃える太陽に身を焦がして凍えている あざ笑う青空の中で 餌を探す猛禽が遠く弧を描く 獣の細い腕に刻まれた鱗のような痣 それが獣を 群れから追いやった 潮騒の音に痣がうずいて 獣は 居場所を求めて 哭いた 地獄のような白日の中で 獣は 人魚と出会った 幾億年 揺れ続ける海と陸の狭間で 荒波に傷ついた人魚は 黒い砂の上で 眠っていた 白昼夢の煌きの中 人魚の白い全身に 美しい鱗が輝いてた 世界の全てが      そこにあった