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憧れ 更なる隔たり編まとめ

前々回に電車の中で
席を譲る時の話しをしましたが…。

目の前にご年配の方、
席を譲ろうと思う、
即座に体が動く、
席を譲る、
目的完了。

ただこれだけの事なんですが
これがなかなか出来ない。

譲りたい気持ちはあるのに
頭の中でぐるぐるぐるぐる考えて

目の前にご年配の方、
席を譲ろうと思う、
即座に頭が働く、
席を譲れない、
終着駅到着。

となってしまうんです。


自分はなんて気が小さいんだ!
どうしてこうなるのか。
でも、これも自分か。
思い切って変えて行くべきか。

でもなぁ…。

そこで、ハタと気付く!

自分にも出来る
席を譲る方法があるじゃないか!

そうだ!
これなら自分でも気楽に
100%席を譲る事が出来る!

と、行き着くのが
こう言った思考の人が
必ず到達する


『端から座らない』


と、なる訳です(笑)


座らなければ譲る必要もない。
と言うかもう既に


『譲っている!』


自分の目的は既に達成されている!


のだ!、と
自分に言い聞かせて

いくら空いていようが座りません。
ほとんどガラ空きでも座りません。

だって、

次の駅で沢山乗ってくるかもしれない

から(笑)

我ながらアホやなぁ、
と思いつつ、
体力より精神的にその方が
よっぽど気楽なのです。

が!

せっかくそうして自分の中の正義を
気楽に貫いている車中…

自分の定位置、
出入り口の扉の右側に立っていると…、


そこに、


車椅子の方が…。

『…。』

『こ、これは…』

もうこうなるとすっかり
頭の中はいつもの展開でして…。


『く、車椅子…?』


思いもよらぬ展開。


もちろん、
だからどう、と言う事ではないけれど、
やっぱり気になってしまう。

今はいい、
電車は走り出している。
特急電車だし、到着までの約20分程、
電車に乗っているだけだ…。


でも…、


この方は降りる時どうされるんだろうか?

当時ボクには車椅子の知識も無ければ
扱った事もほとんどない。

まぁもちろん乗降駅同士で
情報の連絡ははあるだろうから
大丈夫なんだろう、


けど…。


もし、そうじゃなかった場合、


もちろんフォローはしたい…。
でも、こんな車椅子の扱い素人に
そんな事が出来るのだろうか?

押すやら引くやらは出来ても
電車とホームの段差や隙間を
回避する術は自分にはない…。

ご本人に聞きながらなら出来るのか?

いや、

こんな素人に恐る恐る手伝われる方が
かえって迷惑だし不安じゃなかろうか?

扉が開いたらすぐ様駅員さんを呼びに行くか?

あ💦

そう言えばこの特急電車は
次の駅以降にも先はある。

駅員さんを呼びに行く間に発車してしまうんじゃ?

そうなれば自分はその場を
猛スピードで逃げ出したみたいなもんじゃないか!


あ、


そもそもこの方は次の駅で降りる、
とは限らないじゃないか?

それならこんな悩んでる自分は
単なる取り越し苦労だ…。

でも、
次の駅で降りる可能性だって充分にあり得る。

どちらの選択肢も踏まえて
心の準備が必要じゃないか!💦


うーん💦
結局お手伝いする方向で考えるか…💦


よし、
不審に思われないように気を付けながら
車椅子の構造を観察してみよう。


…、


何の解決も見ないまま、
電車は快調に次の駅に向かっています。

い、いかん、
単純なんだろうけど外観だけでは
扱い方までわからない💦

どうする?!
次の駅はもうすぐだぞ💦

がんばってなんとか手伝うのか
駅員さんに助けをもとめるのか

もう迷ってる時間は無い!

よし!
ここは覚悟を決めて
わちゃわちゃでもお手伝いしよう!✨


そうなれば


どうやって声をかけよう…、


どこまで悩むねん💦
って事なんでしょうけど、

咄嗟に体が動かなければ
こうして頭の中でいろいろな葛藤と
シミュレーションが必要なのです😅


『お手伝いしましょうか?』


かな?


うーん、でも
素人のくせに上から過ぎないか?
こんな感じで行くと
慣れた人間だと勘違されまいか?

じゃあ、素直に


『素人なんですけど

      お手伝いする事はありますか?』


うーん、
それこそありがた迷惑か?


かと言っていきなり無言で
ハンドル握られたら恐怖だろうし💦


じゃあ…


そんな事を考えていると


『間もなく○○駅です』


のアナウンスが!💦


『ダメだ!ぶっつけ本番じゃないかっ!』


ここはもう腹を括るしかありません。


さぁ!まずは
降りるのか?!降りないのか?!

降りるならどのタイミングで声を掛ける?!

えーい!ここは字数の少ない方で


『お手伝いしましょうか?』


これで行こう!


『○○駅〜、○○駅〜。』


いよいよ電車が止まり
扉が開こうとしています!


『さぁ!どうだ?!どうするんだ?!』


『…、』


そして…


いよいよ扉が開きました!


ここではまだ降りるのかわからない、
少し間を空けて…


声を…、


掛けようとした瞬間


その男性は慣れた手つきで
ひょいっと車椅子の前輪を持ち上げ
勢いよくホームに降り立ったのです!


『え…?!』


一瞬の出来事に呆気に取られて
そのテクニックに見惚れていました。


『あ!』


見惚れている場合じゃありません💦
自分が降り忘れる所でした😅


サッと電車から降り
車椅子の男性を目で追うと同時に


い、いや!まだ問題はあるぞ!💦


そう、
電車から上手く降りられたとしても、
まだこの先には長い階段があるじゃないか!


さすがにあの素晴らしいテクニックを持ってしても
あの階段を降りる事は出来ないだろう💦

ここまで来ると頭が云々と言ってる場合じゃない!

咄嗟に走り出して
車椅子の男性を追いかけました!

そして追いついた時、
案の定、その下りの階段の前で
立ち往生されている様子…。

さすがにボクが抱えて降りる訳にはいかない、
とにかく声を掛けてから
駅員さんを呼びに行こう…。

苦節20分程、
いよいよこの瞬間がやって来た、
短いようで長かったな、ここまで…

ついに男性の肩に手を…


と、


その時


その男性がおもむろに立ち上がり、
手慣れた手付きで車椅子を


『パタン』


と、たたみ、


階段を

スタタタタタタッ

と、駆け降り、
下に着いたかと思うと

『ガシャン!』

と車椅子を元に戻し
チャっと座ると

『スィーーーム』

とボクの前から姿を消しました…。



『…』


『返して、ボクの20分…』


『どぼちてこうなるの…』

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