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70年間現役ミュージシャン

中牟礼貞則さんの89歳のバースデー@新宿ピットイン。
私のレーベルで作った音楽活動60周年のアルバムがご縁で始まったこのライブ、今年10回目。
毎年、ケーキを差し入れて、ロウソクを吹き消して頂いてます。

今年は、ステージ前にインタビュー動画を撮りました。19歳で九州の鹿児島、出水から上京。
プロになった時、今日を予想しましたか?という問いに対するお答えは、

「毎日、ライブや録音をして、しかし、ミュージシャン仲間と雑談する事も、酒を飲む事もなく、直帰してまたさらに練習。海外のミュージシャンをコピーするなどもせず、自分ならどう弾くかだけを追求して来ました。そして淡々と70年経ったわけです」

確かに、今でも居残ってお喋りするなどほとんど無い。89歳の今もアンプとギターを持ち、1人電車で移動。人の噂や評価も一切しない。内外問わず、他のギタリストの話も一切しない。

この方は今や、中国の故事にある弓の名手と同じ境地にいらっしゃるのでは無いか?あの、弓矢を見て、これは何ですか?と尋ねたという。

「毎日目の前にギターを置いて見ていますが、自分がそれを弾くのかな?と妙な気がします」

そして、本番になると若者を蹴散らすほどの気迫でソロを弾く。誰にも優しく、丁寧だが、目は笑っていないような?

「思う事はいっぱいありますよ。言いたく無いだけで」

そして70年間、マイペースで淡々とギターを弾き続け。
来月、日本有数のピアニスト6人と、弦楽カルテットと共演するアルバムを録音します。

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