見出し画像

COVID-19接触確認アプリ説明のイベントをした

先週、COVID-19の接触確認アプリをテーマにしたオンラインイベントを行いました。ゲストで来てもらった上原さんありがとうございます。(上原さんの資料がここにあります。)
イベント前に考えていた表向きのテーマとしては、このアプリの仕組みを知って、AppleとGoogleの戦略というか、手法を考察してみよう、という感じでした。が、イベントを進めるにつれて、それよりも実運用面の話が面白かったのでそれに関して書こうと思います。

実運用の中では通知サーバーの役割が結構重要

ちょうど、イベントと同じ日に厚生労働省から発表がありました。
今回のApple/Googleが発表した仕組み自体は全世界共通なのですが、陽性者通知サーバーの運用に関しては、各国の保健機関の責任において検査結果の担保をしています。実運用としては、陽性者に処理番号を知らせて、本人に入力させる形になっています。(この辺のUIに関しても公開されています)
ですので、外国の方の陽性者が滞在国のアプリを入れて、滞在国で陽性判定されれば問題ないですが、それ以外だと今の仕組みだと検知されないかと思います。国に戻ってから陽性判定されたような場合ですね。
国ごとの通知サーバー同士の情報共有の仕組みに関しての資料は見つけられなかったのですが、これを外交上の手続きで解決しようとすると大変だろうなと予想されます。


国民6割のインストールの壁

国民の6割くらいがインストールしていないと、統計的に効果を発揮しないと言われています。プライバシーに関しては問題ないですが、それを説明して国民の6割に能動的にインストールさせるとなると大変だと思います。
しかしながら、これは大きな社会実験と考えると興味深いです。
COVID-19の個人の行動変容に関して、プライバシー問題無く、ネット上からデータに基づいて直接個人に働きかけられる仕組みは現在これくらいしかありません。

公共の福祉の観点から言えば、スマートフォン所持者に関しては強制的に導入しても良いと思いますが、今後それをどうやっておこなっていくかに注目しています。


日本において個人の基本的人権に関わることで強制的な手続きを取ることは不可能に近いので「公共の福祉」の理由やデータをオープンにして、コモンセンスにしていくのが最短ルートです。
その点で、Code for Japanを中心とした各地のCOVID-19状況を可視化したシステム(オープンソース)は、良い例だと思います。StayHomeの理由はあれを見たら明らかでした。

今回のアプリに関しては、さっそくそのコードやUIがGithubで公開されていますし、そもそも最初の仕様から公開されており、その点は大変意識されていると思います。

政府と個人を直接繋ぐシステムの実験としてピッタリなので、インストールに関しては強めの誘導施策が出てくるのではないかと予想しています。市町村や所属企業単位での働きかけや、出国入国など、何か感染に関係するアクションをするときの条件になったりなど。
個人的には、このような特殊なUXや細かなセキュリティの技術的情報がオープンになってみんなで議論できる状況は大変興味深いです。上記のGithubの情報もいろいろ参考になります。

オンラインイベントの資料


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?