無意味な校則の意味

 無意味な校則、その目的は校則を守らせることそれ自体にある。すなわち、何をするかわからない子供の行動を規制すること、先生たちが子供を扱う管理コストを下げることにある。そしてもう一つ、より重要なのは子供たちに学校の指示には従う以外の選択肢は無いことを知らしめることにある。だから、むしろ無意味な校則であればあるほど意味がある。無意味な校則に強制的に従わせられることで、子供たちから思考力や抵抗力が奪われてしまう。そうやって身体的にも精神的にも子供達を隷従させていく。権力者にとって都合のいい人間が学校で量産されていく。

 だとすれば、無意味な校則の無意味さを訴えて校則改正しようとするのは戦い方として間違っていて、そんなことは先生方は最初から承知している。だから突くべきポイントはそこではない。その内容に正当な意味や理由や根拠があるわけではないのだから。そうではなく、先生方が根拠として挙げる目的を達せないことを示した上で、それを守らせることで一体何をしたいのかと問うべきだろう。問うべきは校則の中身ではなく、校則を守らせようとする先生方の意図である。

 会社の意味のない人事異動も人事考課制度も同じで、その意図は会社の指示に従わせ、従順な従業員を作ることにある。しかし、一方で言うことを聞けと言いつつ、一方で創造的なことをしろとは矛盾しているとは思わないか。言うことを聞いて創造的になれるはずないではないか。

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