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コンバートの深さ

フットボールの世界ではもともと
プレーしていたポジションとは異なる
ポジションでプレーすることを
コンバートと言います。
例えば昨年引退したガレス・ベイル
トッテナム時代は超攻撃的SBとして
プレーしていましたが、マドリーに
移籍してからは右WGでプレーしていました。

CL決勝でのオーバーヘッドなど印象的なゴールを多く決めたベイル
現在は現役時からプレーしていたゴルフの選手に転身

このように完全に異なるポジションに
コンバートされる例もあれば、
ペップ・グアルディオラ監督が指揮
していたバルセロナではもともと右WG
だった若き日のリオネル・メッシ
Falso nueve(偽9番)にコンバートされ、
ティキ・タカで一世を風靡しました。

メッシをはじめとするカンテラーノ達による
圧倒的なポゼッション戦術はどのチームも太刀打ちできなかった

コンバートと言えばこれらの他にも
年齢を重ねるごとにポジションを
変化させていく選手もいますね。
元日本代表の長谷部誠選手は
プロデビュー時はドリブラーでしたが
20代半ばからはボランチとして、そして
30代後半になると3CBの一角、リベロとして
プレーし、39歳となる今でも現役で
戦っています。まさにレジェンドですね。
カイザーと呼ばれる長谷部選手は西ドイツの
伝説の選手、フランツ・ベッケンバウアーを
彷彿とさせる貫禄。

日本代表として3大会でキャプテンマークを巻いた
フランクフルトでも重要なタスクを担っている


リベロと言えばこの人、フランツ・ベッケンバウアー
一回プレー集見てみてください。
自陣PA内でボール奪ったあと5人抜いて得点決めたりしてます。

現代フットボールには「偽○○」という
呼ばれ方をするポジション(?)が存在します。
上記した偽9番の他に偽SB、偽WG、偽CB…
ポジションという概念自体が昔よりも
重要視されなくなっている、というより
ピッチを区切った時にどの空間が一番
重要であり危険であるかが大切なのです。


◎ハーフスペースの使い方
◎バイタルエリアの密集
◎5レーン理論により5レーン
 全てを埋めることで高い位置での
 ポゼッションを可能にする
◎相手のプレスを回避するための
 CBのボール持ち運びの重要性

などなどが現代フットボールを語るうえで
重要なトピックとなっています。

5レーン

433で5レーンを埋めようとすると
シンプルにやるならこのようになります。
しかしこれだと前5枚、後ろ5枚で分断され、
アンカーの選手をマークされると間の
パスコースが無くなり、ビルドアップが
困難になりかねません。

偽SB

これがかの有名な偽SB(右SBの可変)です。
SBが中に入りアンカーの横にポジションを
とります。そうすると後ろは3CBになります。
これで内側のパスコースが2個に増えるため、
守備側は両方をがっちり抑えることは
難しくなります。ここを2枚抑えてしまうと
今度はサイドのCBがボールを持ち運んで
ラインを突破してしまうため、両方に
ある程度の牽制をかける必要があります。

偽SB(両方Ver.)

これはマジでなんでやるのか
よく分かっていなんですけれど
昨季のシティや今季のバルセロナで
数試合見られた現象。アンカーの
両脇にSBが位置取り、2ー3ー5のように
なります。しかしながら、このやり方だと
バックラインからWGへのパスコースが
無くなり、短いパス交換に終始してしまい、
プレス回避もかなり難易度が高くなります。
何故ならサイドに一時的に逃げるという
選択肢が無くなってしまうからです。
相手を押し込む際一時的にこうなることは
あるとしても、これを保持時の基本とする
のは個人的には良いものとは思いません。

偽9番(Falso nueve)

正に言葉のそのまま、9番の選手が
本来のポジションではなく、中盤の
位置(トップ下付近)まで下がることで
ビルドアップにより関与するようになります。
ペップバルサでやってみましょう。

基本的にメッシがトップ下付近に
下りると、右WGのビジャは中央寄りの
ポジションをとるようになり、その空いた
スペースには右SBのダニ・アウヴェスが
オーバーラップします。残りのピケ、
プジョル、アビダルは3バックを形成します。

右IHのチャビは少し下がり目でボールを受けることが多かったので、ダニ・アウヴェスはタイミングを見て内側に入り、メッシと一番近いポジションをとったり、WGのように大外をとったりします。これは感覚的なものが大きの出中々出来るものではありません。

とまあこんな感じでコンバートと可変システムって割と関係があるんですよね。もう1個コンバートと可変システムで代表的なものがありますがそれはまた今度紹介します。

fin.

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