見出し画像

その香水は誰の為?


始めに

最近寒くなりすぎやしないかと思っていた時にある楽曲が私に色んな意味でぶっ刺さったので紹介したいと思います。その楽曲とは…
=LOVEの15thシングル『ラストノートしか知らない』です。
何で急に=LOVE?と思われるかもしれませんが、中学からの友達が大好きで
よく私に語ってくれるので私も興味を持って調べていくうちに今回見つけるに至ったというわけなのです。
曲風はざっくりいうとまさに「The 冬ソング」「2番目の女」と言ったところでしょうか。切なさと儚さにあふれている楽曲ですが歌詞の意味に感嘆させられたため、これは書かねば!と思い書いています(現在11月30日)。

ラストノートとは?

それではまず、この楽曲のタイトルにもある「ラストノート」とはどういう意味なのか、気になりませんか?知っている方もいらっしゃると思いますが紹介しておきます。

香水のトップノート・ミドルノート・ラストノートとは、時間ごとに
変化する香りを表す言葉。「トップノート」は香りを付けてから5分から
10分以内の香りのこと。「ミドルノート」は香りの中心となる30分から
1時間くらいの香り、そして「ラストノート」は最後に感じる香り。

トップノートは揮発性が高い性質を持つのでパッと香ってはくるものの、すぐに飛んでしまい長く持たない。
ミドルノートはその香りの特徴となる重要なパートで、調香師が最も表現したい部分にあたる。香りのピラミッドにおいては真ん中の位置に表され、フレグランスの心臓部に該当することから海外では「ハートノート」と言われたりもする。
香りのピラミッドでは一番下に位置するベースの部分に当たるのが「ラストノート」で、香りをまとってから2時間以降香りが消えていくまでの状態を指しており、「残り香」ともいわれるもの。

https://coloria.jp/magazine/articles/UKFZY

つまりタイトルの『ラストノートしか知らない』は「彼が香水をつけてから時間が経った後の香りしか知らない」という解釈ができるわけです。
この時点でもう切なくてどうしようもないのですが、頑張ります。

歌詞

きっと きっと 私の為じゃない 香水は…

It hurts to see you
Why do I want to need you now?

家路 急ぐ人と 私は すれ違う
駅の光に 吸い寄せられた

今日も待っていたの メイクだってそのまま
急に?なんて言って 急ぐ冬の道

他にも大事な人がいるの?
毒入り林檎は甘い
君が会いに来て
なんて嘘だよ 私が会いたい

淡い香り 熱い体温に溶けて君がいる
みんなは知らない私だけの香り
抱き締められ(抱き締められ)
ダメって わかってる
気付いたら (気付いたら)
ラストノートに 恋をしてしまった

消えそうなライトに 群がる火取り虫
小さい光 離さないように
君から「何してる?」が欲しい
メッセージ 右に傾く
いつからだろう なんて思っても 私は言えない
待ってるだけよ

重い香り 誰が感じているのか 今日の夜
泥濘 嵌った 私は眠れずに
動けないまま(動けないまま)
薄い香水で 思い出す 君の温もり

夜明けの街灯が
私の事を指差して笑った
朝に感じるトップノートだって
好きだよのミドル
全部欲しいのに
誰かを まだ想ってる君です

淡い香り 熱い体温に溶けて君がいる
みんなは知らない 「特別」に酔って

痛み 泣いて 君が

好きよ 夜に会いたくなるのは君だけで
終わりに向かって灰のように落ちる
恋でもいい(恋でもいい)
私 バカみたい
気付いたら (気付いたら)
ラストノートに 恋をしてしまった

It hurts to see you
Why do I want to need you now?
ラストノートしか知らないままでいい

=LOVE 15th single『ラストノートしか知らない』

解説・考察

まず今回のシングルのセンターは19歳の齋藤樹亜羅さん。同い年…。
MVでは最初齋藤さんが「いっそ、出会わなければよかったのかな。それでも…私は…」と呟き、楽曲が始まります。

■「きっと きっと 私のためじゃない 香水は」
これは上述した通り香りが薄くなっている状態を表しています。
ラストノートは付けてから2時間ほど経過した後の匂い。つまり
他の誰かの為にその香水をつけた後なのではないかという考えです。

「今日も待っていたの メイクだってそのまま」
■「急に?なんて言って 急ぐ冬の道」

嬉しさからメイクや身だしなみなども気にせず「彼」に会うために急ぐ姿が描かれています。

■「毒入り林檎は甘い」
これがどのような意味を持つのか分からなかったのですが、毒入りの林檎といえば、皆さん「白雪姫」を思い起こすのではないでしょうか。もしくは「アダムとイヴ」の「禁断の果実」としての林檎。これは完全に余談ですが実は猛毒の林檎のようなものがこの世に実在するらしいのです。
それがカリブ海沿岸とガラパゴス諸島を含む、南アメリカ大陸北部からフロリダにかけての地域で、水辺の高い樹になっている黄緑色の小さなリンゴ似の果実、マンチニールです。何から何まで猛毒の樹らしく近寄ることすらいけないと言われています。スペイン人が“manzanilla de la muerte”「死の小林檎」と名付けたらしいです。
まあここら辺は豆知識というかうんちくというか、、、なんですけれども、歌詞としてのメッセージとしては「危ないものほど魅力的に見える」ということなのではないかなと思いました。これは完全に想像です、、、。

「君が会いに来て なんて嘘だよ 私が会いたい」
これはもう完全に女性側が男性に唯々会いたいという意思を強く示しているワンシーンですね。「私が会いたいの」というメッセージ性。

■「淡い香り 熱い体温に溶けて君がいる みんなは知らない私だけの香り」
淡い香り:上述した通り「ラストノート」のこと
「みんなは知らない私だけの香り」このフレーズが私的にこの楽曲のNo.1
フレーズと言っても過言ではないです。
ここでなぜ「みんな」と言っているのか。それは、彼は勿論他の人と会っているし、他の女性と会っているかもしれない。でも、「この時間」に彼と会うのはいつも私、だから他の人は知らない、自分だけが知っているこの香り、という特別感というか私だけのものというメッセージ
このワンフレーズは私の心に本当にぶっ刺さりました。良すぎるよ。

■「君から「何してる?」が欲しい メッセージ 右に傾く」
ここはMVのコメント欄にもありましたが、メッセージが右に傾く、つまりLINEをイメージしてもらえば(他のSNSのDMなどでもOK)分かると思いますが、チャット内が自分からのメッセージばかりで埋まっていて相手からのメッセージが来ないという意味なんだそうです。「右に傾く」という表現が良いですよね。こちらからの一方的な愛みたいな。

■「夜明けの街灯が 私の事を指差して笑った」
夜遅くに会っているから夜明けを迎えてしまい、明るくなる前の空を照らす街灯が私の姿を見て嘲笑っているような、まさに擬人法(国語でやったことあると思います)ですが、会うのが遅いからもう別れの時間になってしまったという悲しさと、何も気にせずただ会うために来た私の不憫さを笑うという何とも悲しくも皮肉めいた歌詞。

■「朝に感じるトップノートだって 好きだよのミドル 全部欲しいのに」
これも上述した通り香水のことなのですが、ラストノートだけでなくトップノートの時間も、ミドルノートの時間も全部一緒にいたいのに、という叶わない願いを吐露するシーン。

■「ラストノートに恋をしてしまった」
もうこのフレーズがこの楽曲の全てですよね。勿論いつの時間も一緒にいたい、彼の一番でありたいという気持ちはありつつも、あの淡い香水で彼を思い出すとあるように彼を思い出すのには何よりも夜遅く、あの時間に嗅ぐ消えかけた香水の匂いなのであって、彼女はそれに恋をしてしまった。彼と同じくらいそのラストノートに恋をしてしまったということなのではないでしょうか。ここは筆舌に尽くしがたいものではあるのですが、彼とラストノート(淡い香水の匂い)への想いを示しているのかな。

おわりに

ここまで長々と解説というか考察をしましたがいかがでしたでしょうか。
正直今までほとんど=LOVEの楽曲は聴いたことがなかったのですが、この曲はなぜか本当に心に突き刺さって今もずっと聞いています。
切ない曲は元々個人的にすごく好きだったのでこれからも聞き続けるかなと思います。もしよろしければ一度聴いていただけると嬉しいです。


fin.



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?