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〈33〉今年もメジロとシジュウカラがやってきた!/ぴーちゃんハウスは野鳥食堂だ

冬になると野鳥が家の近くを飛び回る。去年もこのnote〈17〉に書いたが、毎年、すぐ近くまで飛んで来て、私が用意した餌を食べる。今年もまた、メジロやシジュウカラが可愛い姿を見せてくれる季節だ。

彼らの姿を見かけるようになると、すぐにNさん(オット)が手づくりした給餌台、名付けて「ぴーちゃんハウス」を2階のウッドデッキの手すりに吊り下げる。ハウスの外にはおびき寄せるためのミカンをぶら下げ、中にもミカン、熟柿(八百屋の隅に5個100円で売られていたドロドロのやつ)、牛脂(肉を買うときに貰っておいて冷凍庫に貯めたもの)を置いている。すぐには近づかないが、慣れてくると毎日やってきて、せっせとついばむ。

それを家の中から双眼鏡で観察するのだ。シジュウカラが牛脂を頬張る様子や、満腹なったメジロがボーッと枝で休憩する様子は、残念ながらスマホのカメラでは写せない。双眼鏡で見えるままに撮影できるスマホがあれば、精巧な玩具みたいに可愛い姿をここに残せるのにと、いつも思う。オットはカメラマンだが「撮ってあげようか」とは絶対言わない。ま、こんなお遊びに付き合わせるわけにはいかないしね。(ただしNさんも野鳥を見るのは大好き!毎朝、双眼鏡を覗いてから出社する)

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しかし、今年はいつもと様子が違う。例年、12月にはぴーちゃんハウスの出番になるが、この冬は暖かいせいか、なかなかメジロの姿が見えなかった。山にはまだいっぱい食べ物があるからだろうか?年を越して、1月中旬になって、ようやくチーチーという地鳴きを聞いた。目を凝らすと、葉っぱみたいな緑の小さな姿がそこらじゅうを飛び回っているのを確認できて、ようやくハウスの出番となったわけだ。

様子が違うのは鳥の数や種類もだ。シジュウカラやヤマガラが少ない。嫌われ者のヒヨドリも見かけない。もしかすると昨秋、隣家の藪がきれいに取り払われたせいかもしれない。見た目はとてもスッキリしたが、そのヤブこそ野鳥たちの隠れ家だったから。大きな鳥に脅かされると、小鳥たちは一目散にその藪に逃げ込んでいた。それがなくなって、恐怖心をしずめる避難所が見つからないのかもしれない。それでも、何羽かのメジロとシジュウカラが毎日ハウスに来てくれる。こないだはウグイスもチラと餌台を覗いていった。種類の違う野鳥たちがみんな一緒に行動するらしい。だからメジロを餌台に誘い込めば、好奇心の強いシジュウカラも「どれどれ」と寄ってくるし、つられて他の小鳥も来てくれるわけだ。

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今年、初めて気づいたことかがある。シジュウカラは餌台では牛脂しか食べないが、じつは庭のツワブキの実をついばんでいた!ここに家を建てたとき、近くの空き地にツワブキガたくさん咲いていたので、一株分けてもらい、わが家の崖に植えたらあっという間に広がったものだ。秋から冬に黄色い花が咲き、その後はタンポポのような綿毛となり、その根元に小さな実がつく。どんなに牛脂が美味しくても、そればっかりではダメで、やっぱり自然のものも食べないと野性が鈍るのだろうか。数羽が競うようにツワブキをつついている姿は何とも可愛い。

野鳥食堂は、桜が咲いたら閉店だ。どんなに甘いミカンも、ギトギトの牛脂も、やっぱり花蜜には負ける。あと2ヶ月足らずの冬だけのお楽しみだ。




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