原体験(暗いので閲覧注意)

内観をしていて、色々と思い浮かんできた事があったので、徒然と。原体験って普通は3歳以下の事を言うらしいんだけど、ただ辛かった事を書いてるだけになっちゃいました。その辺は許して。年齢もなんとなく覚えてるだけで、正確ではないと思う。普段抑圧している暗い部分だからね。落ちこんでる時は読まない方がいいよ。


友達と遊んでいた。彼が遊んでいた最中に投げた石が、たまたま僕の頭に当たった。ちょっと痛かっただけで気にしないでいると、彼が深刻な顔で見つめてくるので、おでこの辺りを触ったら、手にべっとり血が付いていた。それを見た瞬間フラッとして、そのまますぐ家に帰ったら家族総出で大慌てだった。鏡を見ると、顔の半分が血で染っていた。この時から、今でも若干の血液恐怖がある。いや、血液恐怖というよりは自傷恐怖かな。少し擦りむいただけでも、動悸がして、思考が数秒止まる感覚がある。8歳の頃の出来事。


両親とアパートに住んでいた頃、よく父と母が大喧嘩していた。母(父?)が包丁を持ち出して「殺してやる」と叫んでいた。お互いに蹴ったり殴ったりとしていたが、僕には止める勇気がなくて、いつもテレビの後ろに隠れたり、キッチンの方へ逃げて、収まるのを待っていた。時にはワザと皿を落として割ってみたり、テレビを押して倒したりして、自分が叱られる事で止めようとしていた。

このことを、ある時勧誘に来た創価学会の人に相談したら「あなたが止めるのよ」と言われた。だから父と母の顔色を伺って、不機嫌そうになったらすぐに自分がドジをして、それで丸く収めていた。それ以来、大人の顔色ばかり伺っている。相手の表情や仕草、目線などの細かな動きで、感情の機微が感じられるようになった。だから、顔の見えない電話が恐ろしくてたまらない。大人と話す時は、常に作り笑いをするのも、この時の影響だと思う。時々口角が引き攣ってしまって、上手く笑えない時がある。それを隠そうとして、余計に緊張してしまう。たぶん3〜5歳ぐらいの出来事。


父が亡くなって、祖母が入院してすぐ、知らない男が家に上がり込んできた。「親戚」という概念をようやく覚えてきて、そうなのかな?と思っていたのだが、ある時、僕が彼に触ったら、彼にいきなり胸ぐらを掴まれ、宙に持ち上げられた状態で怒鳴りつけられた。息がしづらくて苦しかったので、母に助けを求めたのだが、「辞めなよ」と小声で言うだけで何も止めようとしてくれなかった。確か10分ぐらい続いたと思う。

ある朝起きると、その男と母が、隣の布団で裸で抱き合いながら眠っていた。なんとなく空虚だった。「大人」というものへの信頼が、全て露と消えた。今でも大人は嫌いだ。それが存在しない曖昧な属性だと分かっていても、嫌いだ。死にたい訳じゃなかったが、自分の存在できる場所が何処にもないように思えた。父が亡くなって半年も経っていなかったと思う。

しばらくして、母のスマホを覗く機会があった。その男とのLINEを見た。父が生きている頃から関係があったと分かった。内容は気持ち悪かった。それ以上思い出したくない。それ以降、僕は性を抑圧していると思う。あんまり精神分析的には見たくないのだが、エディプスコンプレックスっぽい状況だった。父のところに不倫相手を代入しただけで。たぶん父の死の間際に、母のことを頼まれたからだと思う。彼にはそれから10年ほど罵倒され続けることになる。6歳の頃の出来事。

祖母が亡くなって、葬儀の時。祖母の遺産や死亡保険をどうするかという議論していた際、母が1番近くにいて、母が1番面倒を見てきたのだから、母が貰うべきだということになったのだが、母の1番上の姉だけは賛成しなかった。他の人達が買い物に行くとかで、親戚がその姉と、姉の家族、母、僕だけになった。その時、姉の夫が、僕の持っていたおもちゃを奪い取って、母の頭を叩いた。叔母の家族はそれを見て笑っていた。全員死ねばいいと思った。多分ね。6歳の頃の出来事。

学校の授業中に当てられた。僕が女言葉で答えると、最初に担任が笑って、それからクラスのみんなが笑った。何が面白いのかが分からなかった。ちょうどその頃から「私」という一人称を自然と使うようになっていた。「お前って女みたいだよな、気持ち悪」と言われた。何が気持ち悪いのかが分からなかったので、何も言い返さなかった。名前の最後に「子」を付けてイジってくる子が居た。嫌だった。それからというもの、一人称が安定しない。でも、なんとなく「僕」の時は本音を書いていると思う。10歳の頃の出来事。

新潟から富山に引っ越した。母の不倫相手は、着いて来ないという。人生で1番嬉しかった。ようやく解放されたと思った。転校先の学校は、担任がThe体育会系という感じで、中々馴染めなかった。知らない土地に、方言も自分一人だけ標準語で、少しづつ嫌だなと思いつつも通っていた。半年ほど経った冬、いつものように家に帰ると、駐車場に知らない車があった。家の中に入り、リビングのドアを開けると、そこには母の不倫相手が座っていた。人生で初めて絶望した。またあの暮らしが始まるのかと思った。

家も学校も休める場所では無くなって「なんであんなヤツと一緒に住まなきゃいけないの?」「アイツを家から追い出して」と母に懇願した。母はうやむやにするだけで、何もしなかった。ある時我慢の限界が来て、包丁を持って彼の居る部屋の前まで行ったのだが、父との約束を思い出して、辞めた。勇気もなかった。初めて明確に人に殺意を抱いた。「どれだけ嫌でも普通は殺すなんて発想は出ないよ」という人は、そのまま幸せに生きてください。僕には無理でした。11歳の頃の出来事。


書いている最中に色々と思い出してきて、胸が苦しい。けど、身を削って書いた感覚があるから、嬉しくもある。それに、ちょっと幼児退行した。