抜き打ちテストの推論

来週のある日、”抜き打ちテスト”を行うと発表した教授の話。
教授は、「当日になってみないと、どの日にテストがあるか予期できないはずだ」と言いました。

ある学生が、「木曜日までテストがなければ、金曜日だと予期できるから、金曜日にテストはありえない」と証明して、次に木曜日でもない、水曜日でもない･･･と順に証明した。
結局、来週はテストはないと結論付けました。

しかし、教授は火曜日にテストを行い、発表通り約束を果たしました。

金曜日にテストが行われないという学生の最初の推論が正しいことは、たいていの人は認めるでしょう。
しかし、いったんこれを正しい推論として認めてしまうと、学生の推論全体が正しくなってしまうように見える。
つまり、金曜日にテストは行われないことが確定すれば、木曜日にも行われない。水曜日にも行われない･･･。

学生の最初の推論がそもそも間違っているのです。
もし木曜日までテストが行われなく過ごし、金曜日にテストは行われないと推論して良かったのでしょうか？

そんな推論をして気軽に金曜日に学校に行くと、それこそ予期していなかったテストが行われるのです。

論理学者の間でほぼ一致している見解としては、教授は約束を守ることは知っていても、学生にはそれを知る方法がない、ということです。
金曜日を含め、どの曜日についても、テストが行われるかどうかに関して正しく推論することは不可能なのです。