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めちゃくちゃロマンチックなこと書く。

春が奪われた。

あたしは春が大好きなのだ。
いろんなこと思い出してうっとりしたり、誰かを想ってぐすんてしたり、桜を見に行ったり、外でビール飲んだり、日差し浴びたり、焼き鳥食べたり、夜はまだ寒いねなんつって自転車こいだり、銭湯に行ってほくほくして帰ったり、花粉すげえなーあー春だなぁって思いながら近所の学校のチャイムを聞いて布団を干したりするのが、好きなのだ。

なのにまったく春を満喫しないまま、4月を迎えてしまった。

けれど、命があるだけ御の字かもしれない。
命の危機と生活の危機に直面してる人たちがたくさんいる。

なんてことだ、コロナってやつのせいだ。
コロナと言えばビールだ。
あたしの行っている美容室はコロナビールを110円で出してくれるので、美容室に行くたんびにコロナビールを飲んで酔っぱらうのが吉であったのだが、今後コロナビールを飲むたびこの季節のことを思い出すのであろう。

コロナが憎い、という感情は今はない。
でも、あたふたしてる。
驚異的な感染力を持つウイルスの前で、人間はまったくもって無力。
少し前に知ってドはまりした、ドイツの哲学者マルクス・ガブリエルの本でも読んで、心を落ち着けたい。
宗教とか信じる神とかがいる人はそういうもので心を落ち着けるんたろう。

それにしても、政府がグダグダなのは憎い。
他の国ができていることがなんでできないのか。わかっちゃいたけど日本って全然先進国じゃなかった。ハリボテだよ。情けないよ。小さな国としてやり直した方がいいよ。トップがあんな奴なのが悔しいよ。オリンピック?ちゃんちゃらおかしいよ。

そりゃあたしだって舐めてた。ヨーロッパやアメリカ、他の国の様子見てて恐ろしいって思ってたのに、そうなるはずない、そうなりませんようにって思ってるだけだった。
ここからどうなるのかな。どうか少しでもゆるやかに、少しでも早くピークアウトしていきますように。祈るような気持ちでいます。

2/14 オーストラリアから来てる友達(4月に帰国予定だった)とPower Breakfast。
コロナ怖いよね、って話してたけどまだ大丈夫でしょって雰囲気だった。その後友達は3月中旬に前倒しで帰国した。一歩遅かったらオーストラリア出入国禁止で帰れなかったはず。間に合ってよかった。

2/26 映画3本ハシゴする。
『J.T.リロイ』『his』『ナイヴス・アウト』
1本目観たあと席にマスクを落としたことに気づきすぐ戻ったんだけど、掃除の方に捨てられてしまっていた。スタッフさんが「申し訳ございません、こちらでよければ」と新しいマスクをくれた。マスクが貴重になってきたからだった。

2/27 夕方、「3/2から4月の始業式まで小中高全国一斉休校」と安倍が言って、潮目が変わった。
マジかよ...って感じだった。何しろ急すぎた。友達や先生たちとのお別れもちゃんとできない感じだった。学童も入ってなくて仕事で子どもの面倒見られない家の子どもたちを何人か、うちで面倒見るよってことにした。3月中はほぼ在宅で仕事しながら寺子屋してた。年度末の締めと4月の準備、先の見えない中でやることはめちゃくちゃ多くてヘトヘトになった。

今思えば、休校が決まった時点で閉められるお店は閉めて補償も出して、少しでも街中の人口分散させるべきだったんだよね。だって子どもは外に出るなって言ってるのに、大人が出てたらまったく意味ないもん。だがしかしまだその時点ではオリンピックやる気だったからね。どうにかして4月中くらいで日本大丈夫アピールしたかったんだろうね。
政治判断に、感染リスクの対応が負けたんだね。
まったく、人の命をなんだと思ってるんだろうね。

3/4 楽しみにしていた『初恋』をバルト9で観た。
めちゃくちゃおもしろいのにめちゃくちゃ空いていた。切ない。みんなに薦めたいのだけど、だんだん映画館に行くのもリスキーになってきて、映画館行く奴なんて本当に映画好きな人だけって感じ。

3/11 2ヶ月くらい前から予定していた飲み会。どうしようかね?と峻巡するも、大学の時の友達で何年かぶりで会う人たちもおり、決行。新宿の焼肉屋、いつもは並んで待つようなところであったが空いていた。皆、一軒目だけでまっすぐ帰った。二丁目で久しぶりに踊りたかったし、カラオケなども行きたかったが、クラスターも発生していてそのような場所を敬遠する流れになってきた。

3/15 新宿武蔵野館で『レ・ミゼラブル』を観た。
噂通りの傑作だった。
席を1つ空けての販売。はじめての出来事で戸惑ったがそれでも上映してくれてることがありがたかった。隣に人がいないことで少し安心したのも事実。お芝居やライブなどが続々と中止、延期になっていた。世の中がエンターテイメントどころじゃなくなってきていた。
映画館が閉まることなんてあるのかなぁ、そうなったらマジで悲しいなぁとぼんやり考えていた。

3/18 TOHO新宿で『ミッドサマー』ディレクターズカット版を女友達と観る。女友達と観るにふさわしい映画だった。マジで映画館閉まるフラグ立ってきた。2丁目でさくっと飲んで帰る。夜の街に人が少なくなってきた。

3/22 友達の車で高尾山に行ってきた。除菌スプレーを持ち歩くようになった。普段だったら行列ができるほど道が混んでるらしい。人混みがないので気分も楽。久々に自然を満喫できてよかった。行く先々で桜も少し見れた。蕎麦がめちゃくちゃ美味しかった。トリックアート美術館が途中にあり、予定してなかったが入ってみた。人数制限をしながらの入館だった。息子「こんなに楽しいと思ってなくて心の準備しないで行っちゃったから、次は心の準備をしてから行ってじっくり楽しみたい!」とのこと。また行ける日が来たらぜひ行こう。次は大勢で行こう。

3/24 教室での修了式、短縮での卒業式。みんな友達に久しぶりに会えてうれしそう。最後の校歌。切なくて切なくて涙した。息子の小学校は今年でなくなってしまう。こんなお別れの仕方じゃ気持ちが整理できない。マスク姿の子どもたちを昇降口の前に集めて写真を撮った。

3/25 子どもたちと近所の公園で昼花見&夜は川沿いで友達と花見。例年なら夜でも飲んでる人がいたりする場所だけど、犬の散歩とジョギングの人がちらほらいるだけだった。肌寒くて、もの悲しい花見になってしまった。
昼間は広いグラウンドでサッカーもした。休校中は校庭も使えなかったので、こんな伸び伸び体を動かしたのは久しぶり。子どもたちのなんとうれしそうなことか。当たり前のことが当たり前じゃなくなることが大人にとっても相当ストレスなのに、子どもはどれだけ我慢を強いられているのだろう。
夜、小池都知事が週末の外出自粛を呼びかけたので、再び買いだめが発生。トイレットペーパー、納豆、卵、牛乳、レトルト、カップ麺、缶詰め、肉、野菜などなどなんでもなくなる。

3/26 都内で『てげはえとう』の初めてのラジオ収録。窓を開けてマスクをして。気持ちが滅入ってきた中で友達に会えるのはうれしい。こんな機会も失われてしまうのかな、と思ってたら、ラジオ収録後に稽古に向かったマギーから「4月の公演が無期延期になった」との連絡。苦しい。

3/27 東京から地方に向かわないでください、イタリアと同じことが起きます!と言われていたので帰省をやめようとしていたのだけど、線香上げに来い!と父親がうるさいのでしぶしぶ帰る。
「高齢者はコロナで死ぬんだよ!」と言ったら「俺は高齢者じゃねえ!」とのこと。殺しても死ななさそうである。
トイレットペーパーがたくさん売っていることに驚く。さすがにマスクや除菌系はなかった。食料品もいっぱい売っていたのでレトルトや缶詰めなどを買って持って帰ることにする。
お葬式に出られなかった祖母の墓参りをして、昔馴染みの寿司屋へ。
閉まっていないことにも驚き。寿司が食べられる喜び。息子は初めての廻らないお寿司。
カウンターに座って「こんなにおいしい中トロ初めて食べた!」と言っていた。

東京では毎日40人くらいずつ感染者が発表されていた。栃木はこの時点では感染者延べ11人。まだまだ危機感薄い。しかし、危機感が薄いことでこちらも少しストレスが軽減される節あり。

週末、東京では遂に大手のシネコンが営業中止。
百貨店も閉めるところあり。
地元の映画館で『ハーレイ・クイン 華麗なる逆襲』を観る。映画館はガラガラ。今観ないと観れなくなるかもしれない、という切迫した気持ち。
ちょーおもしろかったしハーレイがかわいくて、大好きだった。早くみんなにオススメしたいが、観に行ける人なんてほぼいないだろう。

3/29 季節外れの雪。地元(栃木)はかなり積もったので、犬のように転げ回って遊ぶ息子。友達に会えないのは何よりも寂しい様子。東京に戻ったら雪は止んでいたが、少しだけでも遊びたいと、残っていた雪で友達と遊ぶ。

3/30 朝、志村けんがコロナで亡くなったとのニュース。信じられない気持ち。予定があり、気を付けながら外出しなくてはいけなかったが、街が明らかに暗かった。

4/6 明日、緊急事態宣言が出されるという予告があり、4/7の入学式始業式の中止が夜にアナウンスされる。二転三転しながらも、準備を進めてきたのでへなへなとなってしまい、春休み中、学校で世話になっている子どもたちの前で泣き崩れてしまった。子どもたちが不憫すぎて、どうしたらいいかわからず無力感。緊張の糸がプツンと切れたが腹括るしかないなという感じ。がんばるのをやめた。

4/8 東京と近隣の県の映画館がほぼすべて閉まる。4月は映画館で映画が観られないのか。
こんなことは当たり前だけど今までなかったね。

4/10 東京都が休業要請する職種をやっと発表して、人の流れが大げさに変わるかなと思ったけど、そうでもなかった。新宿や渋谷、銀座、浅草とか元々外から来る人で賑わってる街はゴーストタウンのようになっているが、地元の商店街は普段と変わらないか、いつもより人が多いくらい。ただ、美容室やビレバンなど閉めているお店もある。系列の大きな古着屋も閉めている。夜になると暗い。居酒屋は夜20時に閉めろと言われてるので、昼間テイクアウトのお弁当を店先で売っている。住んでいるのが飲み屋の多い街なので、どうにかがんばってほしいなと土曜のお昼はお弁当を買いに行った。

4/13から、うちの区では学童・児童館・保育園も、両親が医療従事者や交通機関で働いている家庭の特例を除き、完全に中止になった。
あたしは今週もまだ、仕事で外出しなくてはいけない。
夫も然り。二人ともけっこうリスクの高いところで働いているので、日々、消毒消毒。
とにかく清潔、不潔を守ってウイルスから身を守る、人にもうつさない、ぐらいしかできないのが現状。

学校は教科書だけ配布し、休校中の課題やプリントは出してくれたものの、学習は家庭で一切合切面倒見なくてはならない。

家で小学生に勉強させることがいかに大変か。
子どもたちの頭の中では休校=春休みなわけだから、まったくもってメリハリがつかない。
しかし家で乳幼児の世話をしながらリモートワークの過酷さはマジで想像を越える。
絶対無理。2人いて、交代交代面倒見て、どうにかやっていけるレベルだろう。1人は絶対無理。
親1人で子ども2人とか3人見ながら仕事は100%無理。
みんながんばりすぎないで。諦めて~~~!

このように、全然ロマンチックじゃない日々を送っている。
ロマンチックなこと書こうとしたのに。

夢を見た。
好きな人と、映画館で一緒に映画を観る夢。
レモンサワーを飲みながら、笑ったりたまに手を繋いだりして。

映画が終わったら、何食べようかな。
どこへ行こうかな。
あたしは大好きな新宿御苑に行って、もう桜は散ってしまったけど、緑をたくさん眺めたい。

暗くなったら穴ぐらみたいなスペイン料理屋に行って、ワインを飲んだり、なんかチーズがかかった料理を食べたりする。

人混みの中を手を繋いで風切って二丁目まで歩く。場末のクラブで思いきり酔っぱらって踊る。

ものすごくおしゃれして、キラキラしてたりピカピカしてたりするものを身につける。
まるでハーレイ・クインのように派手に振る舞う。
あたしたちは、誰が見ても格好がよい二人。

どうしてるのかな、と思ってこんな機会だから連絡してみりゃいいんだけど、なんかそんなのもどうなの?と思ってしまい二の足を踏む。

そうやって二の足踏んだり、えいやっと思って連絡してみたりしている男や女がたくさんこの世にいるんだろうね。

どうか、こんなさなかにも、恋をしている人たちに、幸あれ。

この機会に愛を伝えられるのであれば、絶対伝えたほうがいいよ。
あとから恥ずかしくなったとしても、そんなの取るに足らないことだよ。

今生きてることを存分に味わうべきだよ。

NY,Hawaii,Swiss に住んでいる友達とメッセージやオンライン通話する。

皆、無事で安心。

Hawaiiの友達が『Crush Landing on You』観て!というので、見始まった。
(『愛の不時着』Netflixで見れます)

完全に、完璧に、あたしの求めるロマンチックがそこにあり、もう何も言うことはなく、ただただ憑依したように、泣いた。

リ隊長~!ユン・セリ~~!

ありがとうございます。

ロマンチックがあれば生きていけます。
ロマンチックは希望。

さて、まだ全然ロマンチックが足りてないので、まだ全然生き延びなくてはならない。

3月や4月に公開予定だった映画も、これから映画館で観れる日が来るまで生き延びなくてはならない。

生き延びなくてはならない理由をたくさん見つけて、なんとか生き延びよう。

あとのことはそれから。

とりあえず気抜いて生きよう。

あたしも元気な限り、ちょっとずつなんか書きます。