引退して実家へ戻ったご贔屓さんの話

月末に渡していたお手紙の返事が来ていた。
いただいてた手料理の感想を、どやった?どやった?と求められてたので、あれこれ考えながら返信を送ることにした。  

差出人欄は名前だけで、消印も故郷になってるのを確認すると、ほんとにもう大阪にはいないんだなあというのを改めて感じた。
前回お返事もらった時は、どうせ家ばれてるからって、住所が書いてあった人だった。  

得意のチーズケーキも、酒のつまみも、ほんと引越し間際の急な話なのに作って渡してくれて、やり遂げてくださった。
美味しかった。
チーズケーキは、ちゃんとラッピングされててマメだなあって泣けた。  

甘さもちょうどよかった。
ラップされてたからか、柔らかさが保たれてて。
チーズケーキは、所望したお姉さんが私の分も受け取って、夜に渡しに来てくれた。
その日は、飲んで遅くに帰宅したから、翌朝に大事に食べさせてもらった。  

酒のつまみも、もらった日は遅くなったから翌日飲みながら食べて。
煮込む時間が足りないってツイートしてたけど、時間ない中であれだけ味がついてたら上出来。
ほんとはもっと濃い予定だったのかな、とおもったら、こんなバタバタした時じゃなくてこっちにいる間に実現できてたらよかったのかなって、少し後悔。
でも、大阪離れて帰郷するんじゃなかったら、なかなか実現しないことなんだよなあって。  

きっとタイムアウトで実現しないと思ってたから、わがまま全部回収してくれてびっくりするしかなかった。
このタッパは返すの?って母に聞かれて、「もう実家に帰ってしまったから返せないんだよ、返さなくていいやつだよ」って返事した時が、1番寂しかった。  

手紙の返事には、彼と長年仲良くしていた人のことを、あとはよろしく頼みましたよって書いてあった。
一番の仲良しが帰郷してしまったら、益々外に出ないんじゃないかって思ってて、
思いがけないとこで独りになったら、もしかしたら意欲が削がれるんじゃないかって危惧してて…。
だから、もともと見捨てず時々声かけて見届けるつもりではいた。
改めてあんな風にお願いされて、文字にされたら、たまらなくなってしまった。
この2人の組み合わせだから、うまく14年も仲良くできたのだろうと思ってて、他の人ではコントロールできないとも思ってるから。
やりたいことがある限りは自分のペースで細くやり続ける先輩みたいなのが向いてると思うんだけど、
離脱していく人ばかりが目について心折れないとも限らないので、見守る大役はしっかりつとめさせてもらいたい。  

年が明けてから、去年もこの時期にわがまま聞いてもらったことを、ずっと思い出していた。
バレンタインとホワイトデーに凹んでいたわたしに、優しく手を差し伸べてくれたから、去年はへこまないで生きていけた。
些細なことだと言ってくれそうだけど、随分救われたっていうことを返信した。  

酔っ払い過ぎた時に落ち着くまで相手してもらったり、ほんと色々してもらったから、親友の世話を引き継ぐことでせめてお返しになればいいなあ。  

いろんなことをいっぱいしてもらって、してないのはセックスだけだよね!と言えるくらいには、元気(笑)。
そんなアホなことを、言っていないとまだまだ泣いてしまうので。
別の人と仲良いと思ってたし…なんて遠慮を取っ払って話せるようになっていてよかった。  

twitterやブログから消えるのは寂しいなと思うんだけど、なんとか決心して帰郷した気持ちが揺らいだりとか色々あるよねって考えたら我儘言えないしなあって思うことにした。  

何してるのかな元気かなって、知れるツールとしてはブログかtwitterは欲しいところだったけど、連絡取れるだけでも恵まれてるのだよねと。  

人の人生の節目に立ち会ったときは、そんなことを考えて寂しくなっていますけど。
とりあえずは元気ですので、と返信するのが精一杯。  

また、会えるだろうか。
また会いましょうって言ってくれたから、多分、会えるとは思うけれど。  

この先何年、つながりが切れないままで居られるのか。
お世話になった人との関わりは、永く続くことを願って。  

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