シンプルながら「勉強」が一番効率の良い「自己啓発」になる
タクミです。
Noteでは、過去に東大の大学院受験の体験を書いています。
私は30代の会社員です。新卒で入社した会社に8年間勤めています。
最近、時間があるときに、過去10年間のモチベーション推移をGoodnotesに描いてみました。
すると、東大の大学院に合格した23歳から就職活動が始まる前までの25歳まで、常にピークでモチベーションが高く、
残念なことに新卒入社してからはモチベーションが低い状態が続いていることがわかりました。(ここ最近はまた上がっています)
モチベーションが上がらないとき、私は学生時代から「自己啓発」本を読んで、「より良い生き方をしよう」と鼓舞してきました。
しかし、自己啓発はチョコレートを食べるようなもの。
チョコレートを食べた瞬間は糖分が摂取され、急速に消化吸収されてテンションが上がります。
しかし、次第にいくらチョコレートの摂取量を増やしても、最初の一粒を食べたときと同じ高揚感は味わえず、惰性で食べ続けて体調が悪くなります。
自己啓発本は、読んだ瞬間は高揚感がありますが、
最も重要な「行動」をする前に、「良いことを学べてよかった」と自己解決してしまい、結果、行動に繋がらず、人生が変わらないという失敗を続けることになります。
私も東大の大学院の勉強を始める前は、ずっとこの負のループから抜け出せず、頭でっかちで行動しないニート状態になり、大学をサボり、1年間、大学を留年しています。
前おきは長くなりましたが、自己啓発をしたいなら「勉強」するのがシンプルな解決方法です。
社会人になってからの資格取得は無意味だ。という人がいます。半分正解で半分間違いです。
資格を取得する目的が「今よりもお金を稼ぎたい」であれば、無意味になる確率が高いです。
その理由は、お金を稼ぐ方法を「被雇用者」とするならば、「年収の高い会社に転職する」か「役職を上げる」しか方法がないからです。
そして転職して年収を上げるのも、今の会社で出世するのも「運」が大きく左右します。
年収が高く安定して長く働ける会社は、採用人数は少なく、人が辞めないので、採用は積極的ではありません。
年収が高く、バンバン採用している会社は、激務、高ストレス、リストラの頻度が高く、人が定着しないので、仮に転職できても1〜2年しか働けません。
それでは今の会社で出世するにはどうするか、というと、残業を増やすくらいしか方法はないと思います。
土日も取引先や上司とゴルフに行く、というような業界でなければ、仕事の量を増やしていくことしかできないからです。
しかし、これも昨今の働き方改革で難しくなっています。
となると、最初に配属された部署や、上司の組織での力、上司との性格の相性、トラブルの遭遇率、同僚の能力差という、さまざまな運によって出世は左右されてしまうことがわかります。
このような中で、資格の取得という条件が、年収アップの条件に入ってくるかというと疑問です。
結局のところ、新卒時代に入社した会社の年収が、その人の生涯賃金になる確率が一番高く、そして入社できる会社は、大学のレベルでほぼ決まってきます。
ということは、社会人になった22歳〜25歳の時点で、ほとんど給与は決まっており、社会人の頑張りで資格取得することは、年収アップとは関係のない「自己啓発」になるか、会社からの命令で取得するだけの「宿題」になるわけです。
それでは資格取得は無意味なのか、というと全く異なります。
なぜなら資格取得は「自己啓発」だからです。
資格を取得しても年収を増やす可能性は0に近いですが、それでも1%でも上がる確率があるなら、資格を受ける価値はあると思います。
冒頭で、私は社会人になってからモチベーションが低い状態が続いていると書きました。
モチベーションと幸福度は、異なる指標ですが、仮に幸福度が年収で決まる、という某研究の結果が正しいなら、その研究で発表されている数値に達している私は、年々、幸福度が上がり、モチベーションもアップするはずです。
しかし、現状はそうなっていないのです。仕事のストレスが幸福度の上昇を凌駕するからです。
最近になって、私のモチベーションが上がったのは、仕事の環境が(一時的に)変わり、仕事の負荷が大きく削減されたためです。
そして、余暇も余裕が出てきたので、会社から命令されて取得するのが苦手だった資格の勉強を「自発的に」再開し、それがまたモチベーションアップにつながっています。
「自己啓発」は生涯にわたり必要なものです。
何も、高いお金を出して本を読んだり、異国の地に行ったり、何かに打ち込む必要はありません。
お金がかからなくても、個人のブログやYouTubeを見たり、近所を散歩したり、実家に帰って家族と談笑したり、そんな平凡なことでも自己啓発できるものです。
ただ、その中で資格取得がおすすめなのは、「資格取得は形に残るもの」だからです。
会社員になってしまうと、個人の仕事の成果は全て会社に帰属します。
個人の成果を評価してほしい、と思っても、日本の企業では、上司からの評価はあってないようなもので、出来レースで決まっているものです。
年々、経験が増えるごとに年を取るのが早く感じるようになり、年齢分の年末年始を迎える頃には、「私は今年、何をしてきたんだろう」と思うようになります。
そこで、「そうだ。今年は〇〇の資格を取れた。来年は〇〇に挑戦しよう」となる。
この些細な出来事が、ちょっとした自己啓発につながります。
私は、2023年は4つの資格を受験しました。そのうち2つは不合格でしたが、2つは合格できました。
資格に合格できたおかげで、1冊も自己啓発本を読んだり、名言を読んで感化されることをしなくても、「自分の成果」を客観的に把握することができます。
資格の難易度は、簡単なものから難しいものまで、バラバラにしておくと、良いでしょう。
簡単な資格をとっただけだと、「難しいことに挑戦しなかった1年だった」と、真面目な性格の人は悩んでしまいます。
また、難しい資格だけだと、「何一つ資格が取れなかった無駄な1年だった」と、同じく悩んでしまいます。
資格を取るために必要なお金は少ないです。
日本の資格なら、大体は1週間の食費代くらいでしょうか。値上がりしていても、5000円から1万円あれば受けられるでしょう。
資本主義第一のアメリカの資格は、1回の受験で5万円〜10万円もかかる!とんでもない資格ばかりです。
せっかく日本に住んでいる会社員の方は、受験料も安くて達成度も味わいやすく、ボケ防止にもなって、周囲から白い目で見られるリスクが低い資格取得にトライしてみることをおすすめします。