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If you want to be happy,be!

 わたしが京本くんを自担と呼ぼうと決めたのはCHAGE THE ERAの横アリ最終日で奇しくもその日がわたしが自分の目で、そこにいるJrのSixTONESをみた最後の日となった。
 その公演ではサプライズ的に宮城追加の発表があり、そのときのことをわたしは宝物のように覚えているし、ドームでデビューの発表が出てからのごたごたをずっとその記憶を支えとしてやり過ごしてきた。
 ところが覚えてるのは京本くんのことではなく発表があったときの樹くんの狼狽方だったりそれを見た北斗くんがスタッフさんの告知の音量にたいして冗談めかして文句を言っていたときだったりする。それぐらいこの2人のことがわたしの中でとびきりぐっときた瞬間だった。ちなみに追加公演に関して京本くんのことで覚えてるのは「仙台といえば牛タンか〜!!」と言ってたことです。牛タン美味しいもんね。
 箱推ししかできない性分はJrという括りの中ではひどく厄介だった。MAがなくなったこと、2人とも退所したこと、They武道が変わったこと、中途半端にみてきた経験はそれでも「Jrは箱で絶対に推したらあとがつらい」という感覚をもつには十分だった。
 YouTubeができる前とできた後ではJrの箱の括りの感覚もまた違うのはわかってた。それでもやっぱり怖かった。Love-tuneと安井さんのこともあった。ここではもう言及はしないけど。
 それでも横アリラストでSixTONESが見せてくれたものはとびきりの多幸感と「これを逃すなんてどうかしてる」という焦りだった。そして宮城追加のときにみた地に足のついた姿とそれと同じぐらい信用したくなる未来だった。信用なんて正直アイドルに使うべきじゃないと思ってる。信用してたのにという感覚は「裏切られた」という勝手な被害者意識を生みかねない。だからあんまり使いたくはない。でも思わず使いたくなるほど追加公演ではしゃぐ彼らの未来を信じたくなったし、今まで尻込みしてた部分を引っ叩かれたようにすらなった。もうこんなの降参するしかないじゃないか。
 結局、そのときの新曲だったRollin'の京本くんがあまりにかっこよかったこと、そのときに「一緒に頑張ろうね」といってくれたこと、Wアンコールがあまりにハッピーすぎたことが契機となり、わたしは京本くんとSixTONESに白旗をあげることになったのだった。
 
 京本担としての初めての現場はエリザベートだった。いきなりラスボスすぎんか?
 何度か入ることができたが、一度マイクが途中で切れてしまった公演があった。長丁場の舞台だからトラブルがあるのはもうしょうがないことだとはいえ、この大舞台だ。気づいた瞬間のことはあまり記憶にない。
 マイクが入ってないとすぐに気づいたのだろう、京本くんは途中で声の音量を変えた。わたしはたまたま二階の最後列に座っていたのだが、そこでも声は十分聞こえた。カテコでいつも通り腰のあたりで手を振る姿にわんわん泣いた。すごい人を好きになってしまったぞという感動とそのほか諸々。
 エリザベートの間にニュージーズが発表になった。最初ニュースを見たときは名前が本当に理解できなくて「はて?」と首を傾げた。何度も何度も読み返して、Twitterのトレンド欄に上がる頃にようやく「京本くんがブロードウェイミュージカルの、しかもディズニー作品の主演をする」という事態が理解できた。うそ。今も時々「本当に主演するんか…?」と思ってニュージーズのサイトのコメントを見に行ってる。あのときのパニックは今も続いてる。
 その頃SixTONESのYouTubeはおやおや?という方に変わっていた。旅行が多いのは各々忙しいからだろうか?と思ったけれど10万円旅の卒業旅行感はなんだ。というかそんないきなりぽんっと10万あげて予算はどうなるんだ。
 それでもそれとデビューは結びつかなかった。多分この頃は彼らからデビューという言葉をあまり聞かなくなっていたから。そのかわり「デビュー以外の手でもみんなの元に音楽を届けたい」という言葉をよく聞いていた。わたしは慎太郎くんがYouTubeでいっていた滑走路の話が好きで今でも時々そこだけのために聞いたりする。だからそういう思いもまた、後に続く人のためにデビュー以外の道を増やすためなのだろうと疑っていなかった。彼らならやり遂げられるだろうと思ってもいたし、そういう未来を見れる部分には間に合ったことがうれしかった。

 本格的な夏がくる前にエリザベートの京本くん楽を迎えた。補助席抽選で入ることができた楽はもうすごい泣いた。最初に出てくるだけでも泣いたし、ミルクやエーヤンももう見れないと思うと寂しくて仕方なかった。ニュージーズの主演に選ばれたということは若手俳優の登竜門であるルドルフはもうみることはないだろうと半ば確信していた。カテコでニコニコして照れながらでてきた姿に敵わないという思いを片手に立ち寄った日生劇場はなんだか特別な場所に思えた。同時にここに来年来るときにはジャニーズJrという肩書はどうなっているのだろうかと思った。
 
 ドームは最初から入る気がなかった。Jrなのだという事実をがっと突きつけられるのがちょっとつらいなと思ったのと単に仕事が忙しかったのとその次の週にA.B.C-Zのコンサートで休むことにしていたから。配信でいいだろう〜と思った。
 定時ダッシュして駅で配信をつけた。SixTONESはなかなか出てこない。6人揃った姿を見るのは随分久々に思えたし、次はいつになるんだろうと思った。
 映像をみて「ああ、これは何かが決まる日だ」ときっと誰もが確信しただろう。わたしもした。それでもデビューだ!とは思えなかった。それぐらい、少なくとも5/1までにあったデビューの気配はないでいた。
 SixTONESの登場は気球だった。いや気球かーい!とずっこけた。気球、すごい似合わない。
 樹くんのラップは鬼気迫るものがあった。でもどうしても私には(ここは太字。あくまで私の主観です)この後に控える何かが嬉しいものに見えなくて、「Snow manに置いていかれたかもしれない」とただひたすら携帯を握ってドームを見ていた。
 デビューの発表の瞬間、わたしは家から徒歩2分ほどの道端にいた。スマホを握りしめて泣きながら盛夏の夜の匂いを嗅いでいた。あの生温い空気も震える手も今でも覚えてる。
 でも不思議なことにそのとき何を思ったのかはスコンと抜けている。うれしかったのか悔しかったのか怒っていたのか。ただもつれる足で家に帰って玄関にたどり着いた途端へたり込んでただ泣いていた。

 何を怒っても何を悔しくても、それを喜びが上回る瞬間があっても、喜ばれなければならない。
 配信が終わってアンコールが表示されない画面を見ながら半ば使命感のようにそう思った。ここから先SixTONES以外のJrのことはあまり言及しないようにしようと決めた。それらのことを喜ぶ権利も触れる権利もないように思えた。それがあの300人(300人いたか?)の中から6人を選んだ人間としての義務だと思った。だって彼らはデビューするんだから。
 
 自担と呼ぶ前口癖のようにはやくデビューしてほしいと言っていた時期がある。あのときのわたしがあんなに望んだ、いや彼らのことを知ってずっと望んだ未来が決まった。
 それでも同時デビュー、しかもオリコン集計は合わせてという事態を考えるとどうしようもなかった。いままで積み重ねて、その度に喜んできた道が途端になかったもののように見えた。VSという形でこれまでの彼らの関係を無理やりエモーショナルの型に押し込められたようで何かあるたびに気を揉んだ。
 だからといって止まることは許されないし、そんな中でも彼らは彼らなりに思ってることを伝えてくれた。ファンのことなんか心配しなくていいのに、と情けなくおもえてその度にくよくよした。気にしいで優しい人たち。知ったときからずーっとそこは変わらない。
 
 アイドルは人が売りの商売だ。だからたのむから大切にしてほしい。彼らが大切にしてるものぐらいはせめて丁寧に扱ってほしい。ドーム前からあった不和のようなものはジャニーズ伝説で決定的なものになったから正直あの人になにも期待はしてない。
 それでもわたしはわたしの好きな人たちが好きだといってる以上、嫌いにはなりたくないのだ。

 もう気づけば今月に差し迫っている。不安なことはある。怒ることも悔しいこともある。それでもImitation RainのPVを見たとき、PVを見ている彼らを見たとき、それでもやっぱりドーム前のわたしが望んだ未来は間違いなく音を立ててきているのだとようやく思えた。わたしの好きな人たちがデビューするのだと、声を大にして言いたくなった。
 彼らの未来がどうなるのか、デビューしたらなにが待っているのか、「変わりたくない」「変わらない」といってくれていて、エゴであると知りながらわたしもそれを願ってしまうけれど、変わらなければいけないこともあるだろう。そもそもアイドルとしての未来が幸せなものであれ、と願うのも所詮はファンのエゴだ。身勝手な願いだ。それでも願ってしまう。横アリでみた飛び跳ねるような多幸感に満ちた未来がどうか彼らの先にあるようにと。
 前だけを見るのは難しい。下を向くこともあるだろう。それでも振り返れば宝物のような横アリの記憶がある。あの日は今と地続きだ。途切れるわけじゃない。デビューしてからもそれは同じだ。

 6人でいられる未来を掴み取ってくれてありがとう。インディーズでもいいと一時期はいってたけどCDをデビュー組として届けてくれる未来を選んでくれてありがとう。
 わたしは6人のことが本当に大好きです。
 
 SixTONES、デビュー決定おめでとう。今やっとドームが終わってから心の底から言えた気がした。
 1/22がとびきりの未来になるように。
 
 
 
 
 
 
 
 

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