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エレファント・マン走り書き(〜10/7)

 気づきが増えたため以下走り書き。前回同様、あくまで一個人の感想のため特に当てにはしないでください。

・「いわば素晴らしき残念賞」をずっと考えてるけどゴム理事長は自分とトリーヴズ医師を重ねてるのかな。自分が得た地位や見てきたものは「残念賞」だと。

・ロンドンにたどり着くところ、「小瀧が元気だったから 笑」とパンフで言われてたと思えないほどどんどん死にそうになっていくので、本気でハラハラしてしまう……。トリーヴズ医師の手を掴む時に震えてるのが好きです。

・これは全般を通してなのですが、メリックがパニックになるお芝居がどんどんよくなる……。映画のメリックを彷彿とさせるような動きではあるんですが、息遣いや顔の硬直のさせ方、息遣い含めて見るたびにメリックに近づいているような気がしてる。

・救貧院の話をするシーンの感情の乗り方が毎回良くなってるのがつらい。初日は割合淡々と話していたんですが、今の時点では救貧院にいたときの感情を思い出したかのように「どぉんどぉん」という声も机を叩く音も大きく強くなっていくのと「子供たち、救貧院にいくの?」という優しさの落差。だからこそ後半、「救貧院に行くしかねぇか」というロスに対して「悪いね、ロス。それが世の中なんだよ」と返すのがあまりにも効いてくる。

・あの部分は健常なのかということを尋ねるケンダル夫人に対して説明するトリーヴズ医師がなんかどんどんコミカルになっていくんですけど気のせいかな!?直前のケンダル夫人の練習も含めて一瞬だけクスッと笑える肩の力の抜けるシーン。

・「みんな片手で作ったって言うと褒めてくれる」⇄「(僕らのことも)両手で作ってくれればよかったのに」

・毎回思うけどジョン卿本当なにしたの?

・ケンダル夫人との雨のシーン、そういうこと!?と思ったけれどうまく言語化できないのでまだまだ保留。でもフェアじゃないと思った理由はなんとなくわかった気もする。あと、女性の名前をあげて違うっていう下りのテンポがよくなっててカンパニーとしての育ち(というと偉そうかもしれないけど)を感じました。取材レポ見てても思ったけど可愛がられてるんだろうな〜。

・ロスが再びやってくるシーンがあまりにもボジョレーすぎて「今日が1番良かった……」って言いながら毎回出てきてる。ここが本当に好きです。特に10/7夜公演はロスが出ていく時に嗚咽漏らしながら扉を見ていてうわ〜!!となりました。単に怒ってるだけではなくて、できることならロスを救貧院に行かせるような真似はしたくなかったんじゃないかな。でもそれが世の中だから。

・トリーヴズ医師との問答。ここもまだ考えてるんですけど天国を信じ、神様を信じるメリックと安全な全身麻酔があればよいといい、科学を信じるトリーヴズでは相容れないのは明白で。
ここの章立てのタイトルが「まだ安全な全身麻酔は実用化されておらず」で、この時代だと天国を信じることと安全な全身麻酔の実用を信じることはそう大差ないのかもしれませんね。

・反転(と勝手に呼んでる)シーン、ここ二公演ぐらい双眼鏡使って見てたんですけどゴム理事長から話聞く時「ほ〜」というふうに口を窄めたり、はにかんでみたりと思ったより表情豊かで表情の作れないメリックとの差に驚きます。
何より本当に声がいい。よく通るし、説得力があるし、聞き慣れた小瀧くんの声ではありますが、やはり違うのですこし不思議な気分になります。
あと暗転の一分未満の時間でメリックとして立ってるの毎回魔法みたい。
ところで、ここはトリーヴズ医師の夢なわけですが、このメリックはトリーヴズ医師の投影なのかそれとも「普通」(という言い方はよくないかもしれませんが、作中に倣います)であったもしものメリックなのかどっちなんでしょうね。

・トリーヴズ医師の独白。ここ座席の位置的に気づかなかったのですが、下手側にはメリックが模型を作っているシルエットがずっと映ってるんですね(このときはけてるんだと思ってた)

・これ10/7夜公演で初めて気づいたんですが、十字架のパーツを胸元にやるの前からやってました!?!?

・小瀧くん、スープ飲んでむせる演技上手くない?

・お迎えにくる見せ物小屋の女性たちの歌詞が「汝が崇める他の人たちのように(Sleep like others you learn to admire)」(※日本語は悲劇喜劇掲載のものより、英語は原本から抜粋)」から「あなたが好きなみんなのように」に変わってるの、小瀧くんが作り上げたメリック像に寄り添っている感じがしてとても好きです。多分リズムの問題なんでしょうけど、「崇める」というより「好き」という表現が今回の優しくてだからこそどこか硝子の破片のようなメリックにはとても似合う。

・「エレファント・マンが死んでる!」という最期の最後に個人ではなくて俗称で呼ばれるのがきつい

・最終レポートでトリーヴズ医師が付け加えたいことやっぱり大聖堂の模型が出来てたことなのかな〜と何度見ても思うんですけどここは人それぞれに委ねられてる気がする。


 つらつらと書き連ねてきましたが、毎回新たな発見と変化があって舞台の楽しさを改めて感じています。カテコではけるときに猫背でペタペタ歩いていく小瀧くんを見て「小瀧くんだ……」と思うのは正直何度噛みしめてもとてつもない幸せです。ただし腰が死ぬ。肩が凝る内容だからか毎回ボロボロになって帰ってきてます。最終日は腰が爆発するかもしれない。
 
 

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