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【幕の内弁当を説明せよ】アラサー(ほぼ)ニートの国際交流

オーストラリア人の友達がいる。名前はRくん。
日本に興味津々で、オーストラリアで日本語を勉強している。


発音に自信がない私は、ときどきRくんに音読を聞いてもらう。


このあいだ音読したテキストの内容は、
歌舞伎のショーが始まる前に幕の内弁当を食べよう!
というシチュエーション。


音読が終わって、

Me:How was it?
R:What's makunouchi?
Me:It's a kind of lunch box. Speaking of kabuki, we eat makunouchi.
R:Hmm, I can't understand.

私:どうだった?
R:幕の内ってなに?
私:お弁当の種類の一つで、歌舞伎と言えば幕の内なんだよ
R:えー、わかんないよ


ううむ。幕の内弁当がなんなのかなんて、考えたこともなかった。

ハロー通訳アカデミーから出ている『日本的事象英文説明300選』には、

Makunouchi-bento
Makunouchi-bento is a box lunch. It usually consists of small rice balls sprinkled with black sesame seeds, and an assortment of broiled fish, rolled omelets, vegetables, and pickles.

幕の内弁当は箱詰めの昼食である。幕の内弁当には、普通、黒ごまをふった小さなおにぎりと一緒に、焼き魚、卵焼き、野菜、漬物を取り合わせたものが入っている。

(ハロー通訳アカデミー 学院長植山源一郎著 日本的事象英文説明300選 P37)


なるほど。確かに具材はこんな感じだ。

ごま塩ごはんに梅干しがちょこんと乗って、おかずは焼き魚にだし巻き卵とお漬物。


ただ、私は聞いたことがある。

”幕の内”とは、”幕と幕の間”という意味で、幕間に食べるお弁当を幕の内弁当と呼んだらしい、ということを。


Wikipedia先生によると、江戸時代後期には幕の内と呼ばれるお弁当があったらしい。

ほほう。なんて長い歴史だろう。


語源については諸説あって、観客が幕の内に食べたからとか、役者さんが幕の内側で食べたからとか、お相撲さん由来の説もあるみたい。


歴史が長いとあやふやになることもあるよね。


どの説にも共通しているのは、江戸時代に人気を博した大衆向け芝居文化の中で広まったお弁当だということ。


ちょっとせっかちな江戸っ子が、お芝居を楽しみにしながら食べたお弁当。
それと同じものを私たちも食べている。


おおおおうぅっ、これは胸が高鳴っちゃう。


幕の内弁当って地味なイメージがあったけど、れっきとした日本文化なんだなぁ。かっこいい。



ちなみに、これもWikipedia先生が教えてくれたんですが、

明治時代に駅弁として幕の内弁当が売られ始めた当初、お値段は12銭。
今のお金に換算してなんと2~3千円!高級!!

地味だなんて言ってごめんなさい。



Rくんが日本に来たら、歌舞伎を見に行って幕の内弁当を食べたい。

コンビニで幕の内弁当を買って食べる方が日本の日常ぽくていいかな。

食べ比べてみるのもおもしろいかも。

どんなリアクションするかなぁ。