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【餡子はジャムか問題】アラサー(ほぼ)ニートの国際交流

オーストラリア人の友達がいます。名前はRくん。
日本に興味津々で、オーストラリアで日本語を勉強しています。

先日、お昼ごはんを食べすぎて、どうにも眠くてたまらなかったので、眠気覚ましにとちょっとおしゃべりをしたときのこと。

Me:I have to study, but I'm really sleepy now to eat lunch so much.
R:haha, What did you eat?
Me:Ogura toasts.
R:Ogura? What's ogura? Wait, I'll Search. 
   Wow, looks delicious!! Does it taste sweet, right?
Me:Yes, but it's different from chocolates or whipped cream.
R:Oh, is it? I think… is it like jam?
Me:Ummm

私:勉強しなきゃいけないのにお昼食べ過ぎちゃって眠いよー
R:あはは、なに食べたの?
私:小倉トースト。
R:おぐら?おぐらって何?待って、検索する。
  わぁ、おいしそう!これ甘いやつだね。
私:うん、でもチョコとかクリームとは違うよ。
R:そうなの?たぶん、ジャムみたいな感じ?
私:う~ん

確かに、ジャムのようといえばジャムのようでもありますね。
思うに、ジャムは素材と砂糖を煮たもの。餡子は小豆と砂糖を煮たもの。

この方程式でいくと、
イチゴと砂糖を煮たらいちごジャム、
ブルーベリーと砂糖を煮たらブルーベリージャム、
小豆と砂糖を煮たら小豆ジャムじゃないか!!

いやいや待て待て。ジャムと餡子じゃ食感というか舌触りが違うと思うのだよ。
ジャムはトロっとなめらか、餡子は少しざら味があるというか。
というかざら味って日本語合ってるのかしら。

気になる。いやざら味じゃなくて、ジャムと餡子の違いが気になる。

Google教授に助けを求めると、どうやら鍵は「ゲル化」らしい。
なんでも、ゲル化というドロッとした状態を科学的に作りだしたものがジャムなんだとか。餡子はゲル化していないのでジャムではない。ふむふむ。

作り方もけっこう違う。
ジャムは素材と砂糖を一緒に煮込んで煮詰めてつくる。途中、レモン果汁を加える。レモンに含まれる成分がゲル化に必要なんだって。知らなかった。

一方の餡子はというと、これがなかなか大変そう。
豆を煮て蒸らし、いったん煮汁を捨て、水を新しくしてもう一度煮る。沸騰したら水を足しながら煮て、豆の芯まで柔らかくなったらザルにあげる。砂糖を水に溶いて火にかけ、煮ておいた豆を入れて一気に練り、完成。

なるほど。どちらも煮込むものと思っていたけど、最後の練りの工程は餡子にあってジャムにはない。
たしかに、”練る”の響きは、餡子にはしっくりくるけど、ジャムを練るなんて言わない。

よし。今度からは、ジャムは素材と砂糖を煮詰めてドロッとさせたもの、餡子は小豆を煮てから砂糖水と練ったもの、と答えよう。

いや、でもこの説明、日本人ならなるほどと思うかもしれないけど、餡子を食べたことがない海外の人に伝わるのかな。

ここはやはり食感重視の方がいいんじゃなかろうか。

ジャムはフルーティーで酸味の利いた甘み、ドロッとしていて舌触りなめらか。
餡子は豆らしいざらっとした感じが少しあって、酸味はなく、豆の素朴な味がベースだけどとにかく甘い。おお、我ながら秀逸な食レポ。

とにもかくにも、日本にきたら食べてみてほしいな。おいしいから。