柴崎 聡

旅行会社でプランニングの仕事に携わり「旅と音楽」をテーマに、コンサートイベントを国内外…

柴崎 聡

旅行会社でプランニングの仕事に携わり「旅と音楽」をテーマに、コンサートイベントを国内外で企画しています。

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    〜「グローバルの旅」価値のある旅へ〜

記事一覧

カナダをサイクリングする

コロナ禍で鎖国状態だった2022年に日本の観光業界を活性化しようというカナダ観光局からの呼びかけでカナダ現地視察と意見交換会が行われた。日本から5社の旅行会社が参加…

柴崎   聡
5日前
1

ルレ・エ・シャトー

フランスのオーベルジュを視察しようと考え、南フランスの小さな町ヴァランスにある「メゾン・ピック」に宿泊した。交通の不便な田舎町にあるレストランには数部屋の宿泊部…

柴崎   聡
6日前
2

NEWTONとの旅

科学雑誌『Newton』とのコラボレーションでツアーを企画した。最初は中国の三峡クルーズの旅であった。94年に着工し、2020年に長江の本流がせき止められる計画になっていた…

柴崎   聡
11日前
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ベンツで走るドイツの旅

メルセデス・ベンツ日本と行った共同企画がある。ドイツ旅行でベンツ本社を訪れ、自分の車をオーダーする旅である。参加した者は、現地の工場で自分の好みのボディカラーや…

柴崎   聡
2か月前

クロアチアのバーバラ

バルカン半島にあるクロアチアは、かつてのユーゴスラビアである。 この国には「7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、 3つの宗教、2つの文字、1つの国家…

柴崎   聡
2か月前
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noteで出版 その2

ある程度noteでの記述が進んできたところで出版社 (銀の鈴社 https://www.ginsuzu.com)にレイアウトのサンプルを作ってもらった。項目ごとにどのくらいの文字と写真があ…

柴崎   聡
2か月前
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日本の旅と神話の舞台

皇室ジャーナリストの久能靖さんに当社の「旅の案内人」としてツアーの企画と同行をお願いしてきた。長い間、皇室を取材され、著作も多く、皇室の宮中行事のことなどについ…

柴崎   聡
2か月前
1

ウクライナの少年

ウクライナ ドニエプル川クルーズ サックス奏者の三四朗さんとウクライナに行くことになった。ウクライナには苦難の歴史がある。東ヨーロッパに位置していたキエフ大公国が…

柴崎   聡
2か月前
2

天空の星空コンサート

ストリートミュージャンという生き方 「音楽(演奏)を生業として生活する」ということは夢があり、素晴らしい生き方だと思う。その反面、それを仕事として生活してゆくこ…

柴崎   聡
3か月前
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ウィーンフィルと旅する

世界初の挑戦 「グローバル クラシック コンサート」は旅行に参加された方にお楽しみいただけることを目的に国内外で実施してきた。第1回目の開催は1987年にサントリーホー…

柴崎   聡
3か月前

noteで出版

断捨離と出版 溢れ出した写真を整理する必要があり、この機会にnoteを書いて自分の本を出版し、写真の整理を同時に進めようと考えた。 今までの仕事のことや旅先での写真な…

柴崎   聡
3か月前
2

ヴァイオリンと刀

武道と音楽の修行 QE2のクルーズで初めてお会いした古澤巌さん。香港の九龍から香港島に渡るスタークルーズの船内に刀を持ち込んできた。居合刀である。「君も居合をやって…

柴崎   聡
3か月前
1

バッハの故郷への旅

リバークルーズの旅 東西ドイツが統一され、旧東ドイツ側の町々を訪れる旅を企画した。ライプツィヒやドレスデンなど音楽家に所縁のある場所を訪れるにはエルベ川のクルー…

柴崎   聡
3か月前
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グローバルとの出会い

初めてのクルーズ体験 「QE2(クィーンエリザベスII世号)の世界クルーズに乗船してみないか?」年上の友人に誘われた。私は、初めてのクルーズで外国客船の体験に胸を躍ら…

柴崎   聡
3か月前
2

望郷のバラードとルーマニア

旅と音楽の企画がうまれる 天満敦子さんとお会いしたのは、私がまだ家業の出版社で働いていた時期だった。当時「望郷のバラード」という曲がクラシック界でのめずらしいヒ…

柴崎   聡
3か月前

選択する旅

「こんな時こそ経済復興のために金沢にツアーで来てください!」能登地震直後に計画していた旅をどうすべきか思案していた時に地元の方から届いたメッセージである。 「石川…

柴崎   聡
3か月前
カナダをサイクリングする

カナダをサイクリングする

コロナ禍で鎖国状態だった2022年に日本の観光業界を活性化しようというカナダ観光局からの呼びかけでカナダ現地視察と意見交換会が行われた。日本から5社の旅行会社が参加してエドモントンへ向かった。大手から中小の会社のメンバーが揃いバスでバンフに向かうと、途中の路上に野生動物が無防備に現れるので驚いた。

ロッキー山脈を遠方に見ながらジャスパーの町に向かう途中でいろいろな動物と出会った。カナダは野生動物

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ルレ・エ・シャトー

ルレ・エ・シャトー

フランスのオーベルジュを視察しようと考え、南フランスの小さな町ヴァランスにある「メゾン・ピック」に宿泊した。交通の不便な田舎町にあるレストランには数部屋の宿泊部屋が階上にあり、フロアー毎がプライペート空間になっていた。人影がない町に夕暮れが近づいてくる頃、パリナンバーの高級車がどんどん集まってきてあっという間に駐車場がいっぱいになった。女性シェフであるアンヌの料理を目的にしてこの田舎町に集まってき

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NEWTONとの旅

NEWTONとの旅

科学雑誌『Newton』とのコラボレーションでツアーを企画した。最初は中国の三峡クルーズの旅であった。94年に着工し、2020年に長江の本流がせき止められる計画になっていた。ダムが完成する前に、長江沿いに住む100万人以上の住民を別の場所に移転させる必要がある巨大プロジェクトだ。『Newton』誌は「帰らざる三峡」という特集テーマで、CGを利用した完成後の光景や、発電のシステムなどをビジュアルに解

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ベンツで走るドイツの旅

ベンツで走るドイツの旅

メルセデス・ベンツ日本と行った共同企画がある。ドイツ旅行でベンツ本社を訪れ、自分の車をオーダーする旅である。参加した者は、現地の工場で自分の好みのボディカラーや内装などを指定し、注文数ヶ月後に日本に輸送される仕組みであった。ツアーでは、ドイツ中部にあるホッケンハイム・サーキット場を貸し切りにして、最新モデルのメルセデスを試乗していただいた。F1レーサーによるドライビングのレクチャーの後、数台のメル

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クロアチアのバーバラ

クロアチアのバーバラ

バルカン半島にあるクロアチアは、かつてのユーゴスラビアである。
この国には「7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、 3つの宗教、2つの文字、1つの国家」があるといわれていた。 6つの共和国とはクロアチア、スロヴェニア、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア、モンテネグロである。 さらに国境を接するアルバニアがある。このように多様性のある国が紛争、独立を経ていまはヨーロッパの主要

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noteで出版 その2

noteで出版 その2

ある程度noteでの記述が進んできたところで出版社
(銀の鈴社 https://www.ginsuzu.com)にレイアウトのサンプルを作ってもらった。項目ごとにどのくらいの文字と写真があれば形になるかを事前に見てみたいと思ったからだ。いくつかの写真配置のレイアウトを受け取り、文字数によって写真の大きさのヴァリエーションでページレイアウトを調整することができることがわかった。
現在6章立てで考えて

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日本の旅と神話の舞台

日本の旅と神話の舞台

皇室ジャーナリストの久能靖さんに当社の「旅の案内人」としてツアーの企画と同行をお願いしてきた。長い間、皇室を取材され、著作も多く、皇室の宮中行事のことなどについて「カルチャーサロン」で講演していただいたこともある。上皇陛下との心温まるお話しなど、普段伺えないようなジャーナリストとしてのエピソードを興味深く伺った。
久能さんは東大文学部を卒業後、日本テレビ放送網でアナウンサーとして主にニュース部門で

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ウクライナの少年

ウクライナの少年

ウクライナ ドニエプル川クルーズ
サックス奏者の三四朗さんとウクライナに行くことになった。ウクライナには苦難の歴史がある。東ヨーロッパに位置していたキエフ大公国が13世紀にモンゴル帝国に滅ぼされた後は独自の国家を持たず、ロシア帝国の支配下に入りソビエト連邦内の構成国となった。1991年のソビエト連邦の崩壊に伴い現在のウクライナ国家が成立したが、現在、残念ながらまたロシアとの戦争状態になってしまった

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天空の星空コンサート

天空の星空コンサート

ストリートミュージャンという生き方
「音楽(演奏)を生業として生活する」ということは夢があり、素晴らしい生き方だと思う。その反面、それを仕事として生活してゆくことは、経済的、精神的、肉体的にはたいへんなことだと思う。
40年以上、日本と海外のストリートで演奏を続けている三四朗さんは、サックスの響きと美しいメロディーだけでなく、その穏やかな人柄に魅せられる人は多い。
彼はボストンのバークリー音楽大学

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ウィーンフィルと旅する

ウィーンフィルと旅する

世界初の挑戦
「グローバル クラシック コンサート」は旅行に参加された方にお楽しみいただけることを目的に国内外で実施してきた。第1回目の開催は1987年にサントリーホールで、そして第100回目の開催は2023年に同じくサントリーホールで実施した。コンサート事業との関わりでウィーンフィルの世界ツアーを担当しているブーフマン氏から提案があった。「ウィーンフィルが乗船する音楽クルーズを一緒に実現しないか

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noteで出版

noteで出版

断捨離と出版
溢れ出した写真を整理する必要があり、この機会にnoteを書いて自分の本を出版し、写真の整理を同時に進めようと考えた。
今までの仕事のことや旅先での写真などを整理しながら自分史的にまとめるか、或いはテーマを決めて執筆するかと迷ったが、「書く」という経験がないので、まずは思いつくままに進めてみることにした。
写真は、デジタルカメラやスマートフォンで撮影したデータをクラウドに保存してあった

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ヴァイオリンと刀

ヴァイオリンと刀

武道と音楽の修行
QE2のクルーズで初めてお会いした古澤巌さん。香港の九龍から香港島に渡るスタークルーズの船内に刀を持ち込んできた。居合刀である。「君も居合をやってみれば?僕は毎朝早朝に道場に行っているんだよ。」との談。連日コンサートで多忙な彼が毎日稽古をしていると聞いて驚くとともに興味が沸いた。帰国後すぐに道場に参加し、ほぼ連日夜明け前の稽古場に通うことになった。刀の使い方、身体の動かし方、体重

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バッハの故郷への旅

バッハの故郷への旅

リバークルーズの旅
東西ドイツが統一され、旧東ドイツ側の町々を訪れる旅を企画した。ライプツィヒやドレスデンなど音楽家に所縁のある場所を訪れるにはエルベ川のクルーズが最適である。ドイツで開催されたGTM(ジャーマントラベルマート)という商談会でペーターダイルマン社を紹介されエルベ川の船を見つけた。
ベルリンの郊外に停泊していた船「Katharina von Bora」号を視察してチャーターの契約をし

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グローバルとの出会い

グローバルとの出会い

初めてのクルーズ体験
「QE2(クィーンエリザベスII世号)の世界クルーズに乗船してみないか?」年上の友人に誘われた。私は、初めてのクルーズで外国客船の体験に胸を躍らせて乗船したことが昨日のことのように思い起こされる。乗船時に友人から紹介された方はヴァイオリニストの古澤巖さんだった。彼はQE2のオフィシャルアーティストとして船内で演奏を行うことになっているという。サントリーホールでの演奏を聴いたこ

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望郷のバラードとルーマニア

望郷のバラードとルーマニア

旅と音楽の企画がうまれる
天満敦子さんとお会いしたのは、私がまだ家業の出版社で働いていた時期だった。当時「望郷のバラード」という曲がクラシック界でのめずらしいヒットとなっていた。天満さんの自伝をCDサイズのコンパクトな本にする出版企画でご本人とお会いすることとなった。その頃、ロータリークラブで親しくしていた古木さんの会社(グローバル)がクラシックコンサートを主催していたので、天満さんを紹介すること

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選択する旅

選択する旅

「こんな時こそ経済復興のために金沢にツアーで来てください!」能登地震直後に計画していた旅をどうすべきか思案していた時に地元の方から届いたメッセージである。
「石川県が被災」という報道で県内の宿泊施設や飲食店は軒並みキャンセルとなったという。石川県の能登半島は甚大な被害を受けたので救援関係者以外は行くべきではない、しかし金沢や南部の加賀地域はほとんど被害がなかったにもかかわらず経済打撃が著しい。経済

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