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馬日記・その2


2004年3月11日 Thu.
サン・ホセ(コスタリカ)

 昨晩、ようやくサン・ホセ到着。中米ということで、トロピカルな気候を想像していたのだか、予想に反してとても涼しかった。空港にはbookingしておいたはずのゲストハウスからのピックアップは来ておらず、諦めてTAXIでゲストハウスまで向かった。陽気で親切なタクシー・ドライバーだった。ゲストハウスにチェックインして、ようやくほっと一息。あぁ、ここまでよくやってきたものだ。旅の疲れを感じるが、一向に眠くない、時差のせいか。新しい土地にようやく辿り着いたものの、日本に残してきた彼女ことが気になってしょうがない。チェックインカウンターの横にあったパソコンを目にして、余計ソワソワとする。インターネット料金を払い、メールをチェックすると彼女からはメールは来ていたものの、日本語表記ができずに本文を読むことはできなかった。このゲストハウスで待ち合わせをしていたはずのMemeからはメールが来ていて、いっときサン・ホセを離れて馬を見に行っている、とメッセージが残されていた。

 ドミトリーのベットにて、目を覚ます。あまり眠れなかった。朝はホテルの中庭のハンモックに身を沈め、カリンバを弾いてのんびり過ごす。建築様式とか、光の具合、湿度に、遠く中米までやってきたのだなとしんみりと感じている。しかし、体は、飛行機の移動と時差の影響か、お疲れである。

 ボリビア人のセルジオと仲良くなる。そして、彼とスペイン人の女の子と買い物へ出かけた。コスタリカの首都、サン・ホセの街はとても小さい印象だったが、とても綺麗であった。市場は、今で行ったことのある南米や東南アジアの国の喧騒に比べたら、静かに感じられた。これから行くRainbow Gatheringの一ヶ月のキャンプ生活のために、お皿やハンモックなど買いたいと思っていたものを全て買えた。こんな短時間に、しかも先ほど出会ったばかりの他国の友人たちと一緒だったのに、よくもパッパッパと決断して買い物ができたものだ。それは、日本で出発前に、買い物を後回し、後回しにして、チャンスを逃していたので、良いものが見つかったら、すぐ手に取ってみて、購入することにした。もう、一刻も早くRainbow Gatheringにも行きたかったもので、サン・ホセでもそんなのんびりしていられないとの思いもあった。こうして、一個一個やらなければいけないことを片付けていった方が気持ちよく、いつまでもそのことを考える必要がなく、他のことに時間と気持ちを使える。うん、ちょっとづつ、学びと実践をしていこう・・・。

 そう、市場には、実家にあって小さい頃から慣れ親しんで使っていたものと同じ、青い琺瑯の大小のスプーンやコップ、お皿を見つけて嬉しかった。母がアメリカ西海岸の短大留学時代か、フランスの航空会社のスチュワーデス時代に世界を飛び回っていたときの調度品だったのだろうか? とにも、実際に青い放浪の食器が売られている姿をはじめて目にして、母がそれを手にしたときのことを色々と想像することができた。

 日本語の読めるインターネット・ショップを街中で発見。彼女からのメールをようやく読むことができた。「自分のことばかりで、わたしに時間を使ってくれない。嫌気がした」と書いてあった。はあ、その通りだ・・・。彼女はぼくよりも年下で、それなのに、彼女の気持ちに甘えすぎていた。はあ、本当にやらなければいけないことに、ちゃんと向き合って行かなければいけない。自分の一番大事なものに、余裕がなくなってしまっては全く意味がない・・・。

*当時(25歳)の日記に綴られた、若い頃の自分の言葉に恥ずかしさを覚えながら、加筆も加えて。


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