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【商業BL感想】妄想エレキテル  ねこ田米蔵

【旧ブログより】
2017年6月22日 (木)

正統派イケメン・ふみが大真面目にする変態妄想が楽しい。

【あらすじ】
高校の同級生・春平と文博(ふみ)は、同じマンションの隣同士に住む幼馴染。ある日“自分はゲイかもしれない”とふみに告白され動揺する春平。てっきりふみが自分のことを好きなのだと思い込む春平は、ふみから彼氏を紹介され、なぜ自分が相手ではないのかとがっかりして…。

CP 
文博×春平

【感想】

この作品、すごく好きです。高校生の性春。

ふみはゲイで春平はノンケ。ふみは繊細で優秀で春平は単純バカ。ふみはずっと春平が好きだったけれど、ノンケの春平を混乱させたくなかったから、たまたま告白された生徒会長とつきあうことにして、物語の冒頭のゲイかもしれない発言につながる。

春平は、彼氏(生徒会長)にふみをとられたようで面白くない。ふみに彼女ができたときは平気だったのに、相手が男だとわかると許せない。なぜ自分じゃダメのか、と。

ここでポイントとなるのが、春平の妹が腐女子だということ。妹がとにかくいい味出してくれている。

ふみと恋人として付き合うため、春平は妹の部屋から勝手に腐本を拝借し、男同士のあれこれについて学習するんだけど、そのあたりが結構リアル。腐本にありがちな、いきなりなのに、意外とすんなり入りました。そして感じちゃいました。というようなものではなく、実際はちゃんと準備するんだということも妹(の本)から学び、春平の腰が引けていく姿がかわいい。

そういう雰囲気になっても、流れで最後までしてしまうことなく、無理に中断してでもきちんと準備する春平と止まらないふみとの対比も面白いし、そういうもたつき感も含めて楽しめる。春平が、最初のうちは全然そこで感じないのも良くて、後半だんだん開発されていくエピソードがあるのもたまらない。

あとは、妹がふみを美人受として腐った妄想をしているのに、兄が受けだと知って衝撃を受けるシーンもよかった。

生徒会長・バリタチ里中先輩のドSなセクハラと無茶ぶりも強烈だし、春平の元カノも、悪い子じゃない適度なウザさで好感が持てた。

軽いんだけど中身がないわけではなく、かといって現実的になりすぎない。ちゃんとエ口いしちゃんと切ないバランスの良い作品だと思う。


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