ハイパー無計画脱サラ備忘録 01

現在、2024年の7月。
私は8月末日付で、新卒から5年以上勤め続けた会社を退職します。

7月の今はいわゆる有給消化期間というものにあたり、最終出勤日は数週間前に終えている立場におります。

己の為の覚書、兼、誰かのためになるかもしれない記録として、「ハイパー無計画脱サラ備忘録」を、少しずつ書き留めていこうと思います。

心構え的な偉そうな講釈から、保険なり税金なりの四角い諸々まで、筆の赴くままに。


そもそものはなし

大学4年生であった折、就職活動をしている時点から、新卒で入った会社に末長く居座るつもりはありませんでした。
明確な理由は特にありません。
「そういう人生はつまらないだろうな~」くらいのものです。

パヤパヤしていた就活生時代の私に、今は亡き父は再三こう言ったものです。

「石の上にも三年やぞ」

言われたことはとりあえず真に受ける性分の私はハハアなるほどねんと聞き入れ、どんな会社でも身体か心が死なない限りは三年居座ってやるぞぅと思っておりました。
もとより、どんな環境下にいても「ここでこそ学べることがある」と考えるたちであるため、違和感なくすんなり受け入れられたともいえます。
実際、父も新卒で入った会社が酷いありさまだったそうで、キッチリ三年働いた末にスッパリ辞めたそうな。

実際のところ、新卒で入った会社には五年と少し在籍しました。
マトモな感性と危機感を持った人間ならとっとと辞めていた程度には過酷だったパワハラモドキを受けつつも「ま、いっか~(鼻ホジ)」とダラダラ勤め続けたので、我ながら大物やもしれません。
パワハラモドキ周りの話は長くなるので、またいずれ。


辞めたい理由がネガティブなうちは辞めないよ

常日頃「辞めたいッピ~」を漏らしていたかわいい後輩たちと己自信に繰り返し言っていたマインドです。

パワハラモドキを受けている頃から「おクソちゃん! 辞めちまいますわよ!」と思うことは多々あれど、本気で行動に移すことがなかったのは、その頃はまだ辞めたい理由がネガティブなものであったからです。

ネガティブな理由で辞めたら、きっと後悔するから。
というのは、ちょっとカッコつけた言い回しです。
実際のところは「フン……貴様らが私に不貞を働くからといって、なぜこの私が辞めて差し上げねばならんのだ……この程度で逃げると思うな……あまり私をナメるなよ……」くらいの心持ちでした。
要は負けず嫌いだったわけです。

では実際に私が今こうして辞めた理由ってなにかしらん、と考えると、ざっくり二つ挙げられます。

マジで辞めた理由①「ここはもう卒業かな~」

パワハラモドキの主犯は、私より一年ほど早く会社を辞めておりました。
おかげで以降はなにに怯えることもなく、いらん気遣いをすることもなく、精神を病むこともなく、とても健康的な心持ちで日々出勤しておりました。

しかしその日々は、妙な言い方をすれば「張り合いがない」のです。
「もっとパワハラ受けていたかったよぉん!」なんてトンチキな話ではなく。
「パワハラの主犯が去った」という事実は、私にとって「この会社で学ぶべきことを学びきった、免許皆伝である」ことと同義なのではなかろうかと、そう思えてならなかったのです。

必要な情報を与えられず。
業務の協力を申し出たら無視をされ。
黙って手伝ったら溜め息と舌打ちを返され。
右を向いたら「左向けって言ったよね?(※言ってない)」、左を向いたら「ふつう右向くよね?」とそしられる。
(こうして改めて挙げていくと結構ひどいな~)

そんなゴミクソのカス環境で揉まれ揉まれ揉まれきった末、きっと「ハ~イよく頑張りました~卒業で~す! あなたはもう立派な最高優勝天才秀才ミラクル美女で~す!」と言われているに違いねェ!

その確信が、私に焦りをもたらしました。

「え、じゃあ、この会社に勤め続けて得られるもの、もうなくない?」

向上心の塊である最高優勝天才秀才ミラクル美女の私は、新たなるステージへ向かい、更に「己を磨くほかあるめぇよ!」と思い至ったわけです。

マジで辞めた理由②「終活」

私(28歳)「私がここを辞める理由、終わる方の『終活』だから。死ぬ前に後悔したくないの」
後輩「マジすか」
私「平均寿命までは生きるつもりだけどね」
後輩「いや、だったら早くないすか」

早くない早くない。

最高優勝天才秀才ミラクル美女の私には夢があります。
といっても、「理由あって、アイドル!」みたく、一言でポンと言い表せるものではありません。
なにがしかの職業の肩書きを目指すというよりは、「こういうコトをやりたい」みたいなイメージです。
が、その「こういうコト」も、今のところ多岐にわたるというか、フワッとしています。

小説でもいいし、エッセイでもいいし、CDシナリオでもいいし、ゲームシナリオでもいいし、作詞でもいい。
なにがしか、文筆で一旗あげてみたくなったのです。

ふ、フワッとしてんね~!

物心ついたころから絵本を握り、中学時代からはいそいそと二次創作の小説などを書いておりましたが、就活などの時点では「文章を書くことは仕事にはしなくていいかな~」と思っていたような気がします。
しかし、それと同時に、絵のように「趣味として続けるために、絶対仕事にはしないぞ」と決めていたわけでもありませんでした。

このご時世なら、フルタイムで働くかたわら文筆にいそしむ方々は多々いるでしょう。
賞を取ったりなんなり、ある程度「その先」の見込みが立って、ようやく「じゃあ会社員やめてみよっかな」と思うのが安全かつ健全であります。

しかし私はそうしませんでした。
これこそが、己の暴挙を「ハイパー無計画脱サラ」と認識するゆえんです。

「ちょうど現職辞めたかったし、ン~、せっかくだから、二十代のうちに冒険して大やけどしてみっか!」

平たく言えば、ノリと勢いです。

総括「そろそろ仕事辞めたいし、ちょうど仕事としてやってみたかったことあるし、やってみっか~!」

じ、人生ナメすぎ!!!!!!!!!!!!!!!

しかし、一度スパッと人生をナメてみてもいいかなと、なんだか無性にそう思えたのです。

その根底にあった感覚が恐らく「終活」なのだと思います。
遠いか近いか分かりませんが、いつか死ぬそのときの私の心持ちを想像したとき、思ったのです。

「ウーム。一度たりとも文筆で事を成そうと挑戦していなかったとしたら、死の間際に後悔するに違いない」

あらゆる創作物の中で触れてきた「たとえ失敗したとしても、挑戦すらしなかったら、なんで挑戦しなかったんだろうって後悔するよ」という観念が、「なんかいい話」ではなく「ま、マジでそうだよねえ!?」という現実味を持って、己の身に深々と突き刺さってきたのです。

よ~し!
だったら、やるっきゃないっしょ~! ウホホ~イ!

そんな感じのノリと勢いで、退職を決意しました。

うっすらと抱いていた退職願望がいよいよ強固な「決心」として固まったのは、2023年の12月のことでありました。


つづくよ

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