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【田端大学定例】なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?回の文字起こし

いけてる営業マンと、いけてない営業マンの大きな違い。いけてない営業マンほど、あらゆるお客さんに対して、壊れたテープレコーダーみたいに、同じセールストークをいつも言ってるんですよ。いけてる営業マンほど、お客さんに応じて、言うことが違ってくる。


お客さんをまずよく観察して、観察結果に基づいて、いかに、オンタイムで、アドリブで営業トークを変えれるかということが、営業の一つの非常に大事なポイントです。

で、これ課題図書の本文を引用すると、モロッコのマジートなんですけど、マジートの場合は全てのお客さんに対して、事前に完璧な情報もないけど、パターン認識で、きっとこういうお客さんだったら、これが正しいに違いないっていうことを、ほとんど瞬間的な、とっさの反応で、組み替えていきます。もし、皆さん営業していて、あらゆるお客さんに対して、いつも同じセールストークをしているんだったら、ダメですよ!。


商談の時間が1時間あるとして、自分が30分しゃべるとしたら、その30分で、いつもお客さんに言ってる同じ事の比率と、お客さんごとに言うことを変えている比率を考えてもらいたいんですけど、ほとんど同じだとしたら、まずダメですね。100%変える必要までないけど、50%くらいは変えるべき。

で、僕は営業電話で、テレアポしてくるダメな営業マンがクッソ嫌いな理由は、テレアポのダメな営業マンって、あらゆるお客さんに対し、同じこと言ってるんですよ。ほんと、壊れたテープレコーダーかお前は!って感じ。そういう電話がかかって来たら、受話器を2mくらい離して、置くんですよ。でも、連中は気づかずに、うっと勝手に話してるんですよ。で、さすがに3分くらいすると切れるんです。そしたら、2度と電話はかかってこないです。

でも、そういうことなんです。だから、要は、ダメな営業マンは、相手を観察してないということです。で、いけてるやつほど、ピッチャーとバッターのようなものなので、反応に応じて、1球目にこういう見送り方をした。最近ね。野球の例えがね、若い人野球に興味がないから、すぐオッサンは野球で例えちゃうんですけど、いかにどれだけ、自分が状況や文脈に応じて投げ込む球を組み替えていくか。即興です。もちろん事前に提案を練りこんだ上で、変えるというのも素晴らしいんですよ。事前に準備しつつ,かつ、ライブで、どれくらい組み替えられるかということが、営業マンの振れ幅なんです。そのラジオのチューンしてる周波数のバンド幅が大きいほど、優れた営業マンだと思います。

例えば、課題図書で言うメモという営業マンの例ですね。お客さんのセリフや何やで、この人は本当は何を求めているのかを見抜いた上で、自分が何を提案するかを、即座に組み替える。で、メモが提案した相手はと言うと、お金持ちの奥さんなんですよ。その女性は、大きな家でいつも一人で、家族はあまり、家にいない。家のことなら、彼女の好きにできる。ご主人はお金のことは気にしない。で、完璧な提案をして、即座に100%かなえちゃうと、そこで、ジエンドじゃないですか。だから、50%、もし、家が50点だとしたら、まずは55点にしましょう。60点にしましょう。65点に70点にしましょうと言っていくことこそが、この人が本当求めていることなんです。


あの、同じパターンであるのは、よくですね、投資信託とかを売ってる、地方銀行の営業とかでよくあるんですけど、結局、寂しい爺さん、婆さんが、話し相手を求めている。結局、求めているのは資産が増えるといいうよりも、一人暮らしで寂しいから、話し相手を求めているんですよ。
このように、本当にお客さんが何を求めているんだということを、その場の、ライブで感じ取って、そこでいかに、相手の心に合わせてチューニングできるかということが、営業にとっては、大事だと思うんで、もし皆さん営業するときには、そのお客さんに対して、テーラーメードの1TO1の提案を事前に、かつ実際に会ってる場面でできるかというのがめちゃくちゃ大事なんです。


僕の一番嫌いな話として、営業が、売り込む側が、常に下手にでていて、業者扱いされて、買ってもらう方が偉いというのは、クソです。営業ってのは対等なんです。だからこそ、お客さんとの駆け引きを楽しむべきなんですよ。


これ、マジートの例で良かったのは、あるお客さんに琥珀を売りました。そしたら、そのお客さんが返品しにきた。そしたら、喜んで返品を受け取り、彼女が支払った3000ユーロをカウンターの上に出した。で、かつここから、この琥珀はですね、色々由来を語るわけです。本当は、あんたに安く売りすぎた。いや〜ラッキーだ!と。返品してくれてありがとうございます!!!。みたいなことを言ってたら、すみません、すみません。返品するつもりできましたけど、やっぱり欲しくなりましたと。と、お客さんが言ってきた。そしたら、あんた一回返品したんだから、何を言ってるんですか。追加で120ユーロほど上乗せしてください!で、なきゃ売りませんよ!と。これこそが、営業ですよね。要はあんたに売らなくても、いくらでも売れるよ。と。だから、あなたには3000ユーロで売ったけど、後から後悔してるんだ。という具合に。

〜大人の事情によりカットの部分がしばらく〜


杉本さん:ちなみ1個いいですか?今、駆け引きの話聞いてちょっと思い出したんですけど、私が、法人営業にハマった理由が、実は駆け引きにあったんですよね。で、ちょっと対等の立場の文脈とは違うんですけど、私、大きな企業用ネットワークとかシステムとか、大きな商談が多かったんですよ。で、月額いくらみたいな感じで、3社コンペになってますっていうときに結果を聞きにいくんですが、お客さんが「おたくは無理ですよ!おたくの会社は無理!無理なんで、今回は、大変申し訳ないんですけど、ご提案してくれてありがとう。お断り願います!」っていう風に、頭下げて来たんですね。だけどその時に、お客さんが、「杉本さんわかりますか?ここにA社という会社がいますと。ここゴールとします。A社と3馬身離れて、ここにB社という会社がいます。御社は10馬身離れているんです。貴方達は本当に無理です。提案いただいて、本当に感謝してますけども、今回は採用できません。」と言われた時に、このお客さん、カラ出張・・・じゃなくて(笑)一緒に出張をして仲良くなった「共犯」のお客さんなんです。この「共犯」のお客さん、絶対に私に発注したいんじゃないかな・・と思ってて、これはもしや、謎かけかもしれないと。このお客さん何馬身って言ってたんですけど、私はこのお客さんは競馬好きだってわかってましたし、一緒に競馬場にも行った事あるんですよ。で、これは絶対俺へのエールなんじゃないかと思って、1馬身が実は、月額100万円で、今、実はこのくらいの差があるよ!ってことをいろんな意味だけども、教えてくれてるんじゃないかなと。そいうことがありまして、もしかしたらコンペやり直しとかしてくれるんじゃないかと、社内で調整するんですよね。期限は1週間くらいかなと推測して。その期間中に「他社との差である月額1000万円下げれば、これは受注できるはずです!そこで下げなければ失注しますよ!いいんですか!?」と。ですが、「お前は月額1000万円下げろって何の根拠があって言ってるんだ!」って社内から言われるんですけど「俺を信じてください!」と。「信じてもらえればいけるんです」ともうお客様との関係性も含めて説明して、懸命に社内でやりあうわけです。そう言ってたら、結局は推測とおりでコンペやり直しになって結果的に価格でも品質でも評価されて、結局は受注できました。数億円の案件の案件になったんです。

田端さん:これいい話で、イケてる営業は必ず、黙って失注はないんです。逆にカウンターして、この条件だったら、相手は発注してくれるって言ってるんですけど!って社内を説得しようとするんだけど、説得しきれなくて、失注するのはいけてる営業なんですよ。一番ダメなやつは、バッチリの提案して来たんで、受注すると思ってますって言って、黙って失注するっていう。

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