常連さん。いらっしゃ〜い!


家の近所にこじんまりとしたアットホームなラーメン屋さんがある。
ゴハンどきともなればまあまあ待ち時間があり
結構繁盛してんねんけど、近いこともあってオレはよく通っている。


その店は500円で1ポイントもらえるポイントカードがあり
1枚のカードで40ポイント貯まる仕組みになってる。
もう4、5枚目??に突入したことを考えるともはや常連といっても
いいくらいの域には達してるかなと思っている。

ここからが本題やねんけど、
それだけ通って、それだけまあまあの待ち時間を待って
それだけここのラーメンの味を味わって


いまだ、



一言も店の人と談笑も、ベタな会話すらしたことがないのである。



もはや自分の「陰」のパワーが恐ろしくもある 
ダークサイドの化身やん 笑

武骨な主人が一心不乱にラーメンを作るラーメン屋さんでもなんでもない
こじんまりとしたアットホームな店やで?

この「こじんまり」と「アットホーム」という



2大コミュニケーションしやすそ〜。的な
コミュニケーションするためのお膳立てもうできてるやん。的な
もうコミュニケーションしいひんヤツ逆に引くわ。的な
2大キーワードをもってしても


オレの前ではそんな言葉すら無力だ
依然としてダークサイドが炸裂している。

ほかの常連さんらしき人とは店の人が談笑している姿を
何回も確認してるからこの店がアットホームなことに疑いはない。
そんな常連さんと店員さんの談笑してる姿が
オレには時にまぶしく見えることさえある。
これこそが真の常連さんのあるべき姿だと。

じゃあなんでオレとは会話すらないのか、

多分やけど、そんなオレの暗黒面を感じ取り、
なおかつ顔がちょっと怖いことも拍車をかけ店の人も

「コ、コイツ、ダークサイド丸出しやないかっっ」と敬遠してる可能性がある。


もしくは貧乏性丸だしで、外食するなら一食もしくじりたくない!
という考えのオレは、美味しいとわかってる同じメニューを
毎回必ず注文することが逆に仇となり、
ラーメンをこよなく愛し、この店のラーメンの味だけを
求めている武骨なラーメンフリークと思われているか‥‥




ちゃうねん!!!そんなんちゃうねん!!!オレも談笑とかベタな会話ぐらいならしたいぞっ!!!


でももはや向こうから喋りかけてくることはない。
という図式ができてしまった今、オレから喋りかけることでしか
この状況が打開できへんことが確定している。

でも、

ムリやっっ!いきなりこれまでのスタンスを崩してアットホームキャラは。第一何をしゃべんねん!


そう考えるとオレはダークサイドであり武骨なラーメンフリークでエエわ
と諦めた。

めっちゃ喋りかけられるようになるくらいならば
このままが心地よいかも。と思った。



家の近所に別のラーメン屋さんがある。w


っていうてもこのラーメン屋さんはみんなも知ってるチェーン店です。


この店も近所ということでまあまあの頻度で通ってるにも関わらず
ここでもオレのダークサイドは健在。

コミュニケーションは依然として皆無なんやけど

1つだけ違うことがある。

それはいつものごとく貧乏性丸出しで
「外食は死ぬまで一食もしくじりたくない」バイブスが炸裂して
美味しいとわかってるから永遠に
カラアゲ定食ばっかり注文する。(ここまではルーティンね)

そこにいつも「ニンニクとマヨネーズとソースください。」
と注文してた。


もう今ではニンニク、マヨ、ソースを注文せずとも
席まで店員さんの女のコ(いつも同じ女のコ)が持ってきてくれるように
なった。
これはどう表現したらエエかわからんねんけど、なんかうれしいもんやな。
人はこんな小さなことでも少しだけ幸せを感じることができる。



言葉はなくとも、




「わかってるよ。大丈夫。まかせとき」



と言われてるようで。

でもある日のこと。その日はなにをイキってたのか、
なにを色気づいてたのか、
いつものルーティンを崩して謎に豚キムチ定食を注文した。

ずっとずっとカラアゲ定食一択やったから仕方ないんやけど、
いつものように店員の女のコはニンニク(ラーメン用やからこれはいい)

それとマヨネーズとソースも持ってきてしまう。


オレは「き、今日は豚キムチ‥‥定‥‥」というと、
その女のコは食い気味に「あっ‥‥ゴメンナサイ!」と少し赤面して
マヨネーズとソースを持ち帰る。

この恥ずかしさって出来事は違えどみんななにかしら経験あると思う。


オレは少しヘコんだ。
なんやろこの気持ちは。
多分、


あのなんかうれしかった、


「わかってるよ。大丈夫。まかせとき」


をくれたあのコに恥をかかせてしまったからや。

それからオレは


ここではもう永遠にカラアゲ定食しか頼まへん!と心に誓いましたとさ。


カラアゲ定食 Forever
                                                                 TABACHI





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