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NICO Touches the Wallsが終了したんです

NICO Touches the Wallsが終了した。突然と言えば突然、いや、ガチファンの中にはもやっとそういう最悪のシナリオを想像していた人もいた事だろう。
今夏のラブシャ出演を最後に、公式からはNICOの活動についての情報が全く発信されず、そこまでは楽観視していたファンも唯一期待していた11/25の「イイニコの日」についても何もアナウンスされない事に漠然とした不安を感じていたのは確か。
それが11/15の正午、「僕たち4人はNICO Touches the Wallsを終了することにいたしました」という衝撃的な文章で始まるメッセージがLINE、メールTwitter等で発信されたのだ。
何て日だ!(この言葉をこんな風に打ちひしがれて使う日が来るとは…)

私がNICOを知ったのは「ホログラム」だった。何の番組なのかCMだったのかは分からないが、深夜につけっぱなしのTVから流れてきたその曲のメロディーに引き寄せられるように気にもとめていなかったTVに目を向けると丁度長ったらしいバンド名が出ていたので慌てて読み取れる単語を記憶した。NICOとWalls。アホな私を呪った。がしかし、Google先生は見事にNICO Touches the Wallsを導き出しその曲が「ホログラム」であると判明。TSUTAYAにあった発売されたばかりらしいアルバム「オーロラ」と目に留まった「Who are you?」を借りてきて瞬く間にハマった。特に「Who are you?」はズブズブにハマった。なので2009年の冬だったと思われる出会いから丁度10年。で終了。
途中他のバンドやら韓流に浮気した時期もあるが新譜が出れば購入し聴き込んだ。「How are you?」から最新作「QUIZMASTER」まで全て聴き込んだのはNICOくらいと言っても過言じゃない。
この様にNICOについての思い入れや思い出を語るととてつもない長文になってしまうがそれは自分の中に留めておくとして…
NICOがこんな風に終わるとは誰も予想しなかったはず。今はただただ悲しい。

思えばNICOは自分のホームグラウンドのような存在だった。そこにいて当たり前の存在。色んなバンドの曲を聴きライブに行くが帰ってくる場所はいつもNICOというホームグラウンドだった。NICOの新譜やライブを心待ちに、他のバンドを楽しめたのだ。
そのホームグラウンドがなくなった今、帰る場所を無くしてしまったかのような不安感や虚無感を感じる。
正直好きなバンドがたった1つ終了しただけでこんなに辛く、悲しいとは自分でも思ってもみなかった。

所謂“売れてるバンド”ではなかった。(失礼)全国ツアーをしてもソールドアウトするのは東名阪くらい。(マジで)けどディープな音楽好きなファンが沢山ついていた。と思う。
“音源を超える”と言われるNICOのライブはCD音源通り演奏される事はほとんどなく、馴染みの曲でさえファンを心酔させるアレンジで披露され、ライブ後にファン達の間では今回のあの曲のアレンジがどーだこーだと盛り上がるのもよく見られる光景だった。
大きなフェスのメインステージに立ち続けたのもそういった本当に音楽が好きな人達に観て欲しいバンドだと、そう思う人達が少なからずいたからだと思う。

NICOの音楽に出会って10年。色んな音楽を取り入れ自分達の音楽に昇華し続けてきた彼らの「音楽で遊ぶ」という姿勢は何度もライブに足を運びたくなる程魅力的だったし、足を運ぶ回数が増える度そこに集う顔馴染みのファンの方達も増え、皆と会えるのも楽しみの1つだった。そんなかけがえのない楽しみが1つなくなってしまう。

NICO終了から丸2日、少しは気持ちも落ち着いてきた(気がする。)
未だ納得いかない事は多々あるし辛い気持ちに変わりはないけど、冷静に今までのアルバムやライブを振り返ってみる。
おそらくNICOはNICOの音楽をやりきったんだなと、そう思う。そう思いたい。やり尽くして「NICO」としてこれまで以上の物は出来ないと今の時点でそう感じたから終止符を打ったのだと。
NICOを経た先にメンバーそれぞれ、特に光村(ボーカル&ギター)には次のビジョン、やりたい事が見えているのかも知れない。
そんな事をファンに一々説明するようなマメな人ではないし、頑固で融通の効かないそんな人が作り出す音楽が好きだったのだからしょうがない。
泣く泣く諦めよう。
その代わりにこの先、私達ファンが納得するような今まで以上の音楽をまた鳴らしてくれることを約束して欲しい。
沢山のNICOファンを泣かせた代償は大きいのだ。
“「壁」はなくなった”と言ったその「壁」はファンにとってはNICOの象徴のようなものだったけど、前へ進もうとする彼らの足を止める障害であってはならないとも思う。

幸運なことにNICOの曲達はこれからも残っていくだろうし、私のプレイリストから消える事はないだろう。
今はまだ感謝の言葉は言いたくない。彼らが新たな場所で、最初に聴いたNICOの音楽以上の衝撃をもって現れた時に心からこの10年間の幸せな時間をくれた事にありがとうと言えるような気がするから。

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