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幼なじみとのらぶしちゅえーしょん

○:なんだよ!せっかくお前と遊べると思って来たのに!


△:そんな怒るなよ笑


○:怒るだろ!お前らバカップルの話されて!


学校のない夏休み。


俺は唯一の友達△△の家に遊びに来ていた。


そこで△△の彼女菅原との話をされてイライラしていた。


△:バカップル...笑


○:間違ったこと言ってるか?
デートでお花畑に行って、お花畑を背景にバックハグして写真を撮り、その勢いでキスした!じゃないわ!
お前らの頭がお花畑だよ!


△:実際に体験してからそんなこと言えよ笑


○:...っ!何も言い返せねぇ...


最上級のカウンターを受け、言葉が詰まる。


△:お前も彼女出来たらこうなるから笑


○:う、うるせぇ!


正直に言うと完全に嫉妬している。


△△はこの夏を物にしている。


しかも、学校の人気者兼マドンナの菅原と...


○:俺もお前らみたいなラブシュチュエーションを体験してみたいよぉ〜


自分の情けなさに涙が出そうになる。


△:なんだよ、ラブシチュエーションって笑
てか、お前もいるじゃん!


○:誰だよ!


△:井上!


○:っ...和か...


井上和。


この子は俺の幼なじみ兼恋をしている人。


恋をしているなら告白すればいいじゃん。


と思っているかもしれないが、


菅原と同じく人気者でマドンナ。


告白しようと何回も考えていたけれど、


マドンナと幼なじみという関係が壊れるのが嫌で蓋をしていた。


△:井上とお前の相性抜群と思うけどな〜


○:そうなのか?


△:うん、だって2人で話してる時どっちもニコニコしてるからな笑


△:夏だぞ!こんなに絶好のチャンスはないぞ!


△:俺はお前にも幸せになってもらいたい


△:だから勇気出せよ


嬉しいことを言ってくれるのが親友だなと思う


少し勇気をもてた気がする。


○:ありがとう△△


○:俺、頑張ってみるよ


△:頑張れよ!


○:うん!でも、イライラするから大乱闘するぞ


△:はいはーい笑


ーー


○:は〜スッキリした〜


△△をボコして気分が良くなった。


じゃそろそろ帰ると言って△△の家を出た。


時刻はまだ4時過ぎ。


なのでまだ家には帰らない。


何故なら、今日は集めている漫画の発売日。


両耳にイヤホン付け、


自分の好きな曲を聴きながら本屋に向かう。


○:この曲みたいなシチュエーション最高だろうな〜


なんて思いながら本屋まで足を進めた。





○:涼しー


○:ササッと買って、帰って読むぞ!


前回の巻が凄い終わり方をしたので、


今日の発売を楽しみにしていた。


○:あった!


漫画に触れた時、


誰かの手が重なった。


??:ごめんなさい!


○:こちらこそ...ん?


どこかで聞き馴染みのある声をしてるな〜


と思ってその手の主を見るとそれはびっくり。


○:和じゃん笑


和:○○だ...笑


○:どっかで聞いた声だと思ったら...笑


胸の鼓動が早くなった。


さっき△△と話していた人とまさか本屋で会う。


和:全然○○って気づかなかった笑


○:俺も笑


和:新刊無茶苦茶楽しみだったんだよね!


○:分かる!


和:あの終わり方は気になるよね!


○:うん!和も買うんだろ?


和:もちろん!


完璧な場面で会う。


これは見せ場だ。


○:和の分も俺が買うよ


和:え?いいの?


○:偶然会ったし、いいよ


和:ありがとう○○!


よっし!少しはかっこいいと思われたかな?


なんて思いながら会計を済ませる。


○:はい!どうぞ!


和:ありがとう!やっぱり○○は優しいね!


○:そう.../// ありがとう


好きな人からの優しいねという言葉に、


照れてしまう。


和:やっと続き見れる!


○:そうだね!


ここでお茶の誘いでもしたら、


完璧なんだろうけど、


今は緊張してそんな余裕は無い。


○:じゃまたな!


と言って去ろうとした時。


和:○○!もし良かったらカフェ行かない?


和から誘ってきた。


その返事は1つ。


○:いいよ


和:いい?ならちょっと話したいことあるから行こ〜


移動している時どんな話をされるのだろうと、


思いながらカフェへと向かった。





和:ん〜冷たーい


和はかき氷を頼み、


俺はアイスコーヒーを頼んだ。


和:体が冷える〜


○:だろうな笑


和:でも、美味しいんだよね〜


かき氷を美味しく食べる姿に可愛いなぁ〜と思う。


○:で、話ってどうしたの?


割り切って自分から聞いてみる。


和:これみてよ!


見せられたのは...


○:バカップルじゃん笑


そう、バカップルこと△△と菅原のお花畑デートの写真。


和:○○もやっぱりバカップルって思うよね?


○:思うよ笑


○:俺さっきまで△△の家でその話してたよ笑


和:そうなの?


△△の家で話したことを話した。


○:あいつらマジでお花畑


咲:お花畑笑


○:んで、その後お前も付き合ってからバカバカ言えよって言われて何も言い返せなかった


和:あはは笑


○:羨ましいよな〜笑


確かに和と話しているとさっきあいつが言っていたことが分かる。


俺も和もニコニコだ。


おい!ちょっと待てよと。


和と2人きりつまりこれは、


最高の場面!


ここはいっその事、男○○!


勇気を出してデートに誘えばいいじゃないか!


○和:和!(○○!)


○:どうした?


和:○○こそどうしたの?


○:俺、△△に惚気話されて悔しいから
明日もし良かったらデート行こうよ!


和:○○...私もそう言おうと思ってた!


○:え?ホント?


想定外の展開。


和:私もさっちゃんに惚気話されて悔しかったから、私たちも最高の幼なじみって言うのを
見せつけようよ!


最高の幼なじみを見せつける。


いい案だと思った。


でも、俺は最高の幼なじみじゃなくて、


最高の恋人にしたいと思った。


それならもう1つしかない。


○:なら決まりだね!


和:うん!


そして突然決まった。


和とのデート。


和は俺の事をどう思っているのか...


それは和にしか分からない。


俺は、漫画のことなんか忘れて、


はやる気持ちが抑えきれなかった。





そして迎えた翌日。


あまり寝れなかった。


朝のいつものルーティーンを終わらせ、


準備をする。


この日のために買っていたかのような、


新品の靴を履き、床にトントンして、


和の元へ向かう。


家のドアを開けて、


外の景色を見るとトキメイテいる。


それは俺の気持ちを表しているような景色。


和の笑顔が浮かんでくる。


俺は幸せのチケットを握りしめて、


足を進める。


俺が好きな曲のシチュエーションが現実になる





○:おはよう


和:おはよう!どう似合ってる?


○:似合ってるよ!


可愛いよ!とも言えたら完璧だけど、


そこまで言える勇気はまだない。


和:良かった!早く行こっ!


○:うん!





電車に乗り、目的地に向かう。


俺の向かい側に座る和。


目の前に見る和の瞳は、


俺の頭が真っ白になるぐらい美しい。


そして俺に話しかけて来る。


和:今日行くお花畑行きたかったんだよね〜


今日行くとこは、


あいつらが行ったとことは別の場所。


○:花好きだよな〜すぐ枯らすけど笑


和:ん〜なんだと〜!


少し揶揄って見ると、


可愛い顔を膨らまして怒る。


どの表情をしても可愛いのが和の良さだ。


和:でも、最近は枯らしてないよ


○:そうなら良かった


和:棒読みなんだけど!


○:ごめんごめん笑


和とこうやって話してる時が1番幸せだ。


だから俺は告白が出来ない。


この幸せの時間を壊したくないからだ。


和:2人きりで出かけるの久々だね


○:確かにそうだな


和:だから今日は楽しもうよ!


○:うん!


出来すぎなラブシチュエーションだが、


和と巡る季節を沢山過ごしてきた。


いつか誰だって願いが叶う。


それが今日だ。


もう俺は決めた。


コケてもコケなくてもこれ以上の場面は、


もう二度と現れないと思ったから。





和:うわぁ〜綺麗!


○:綺麗だな...


目一杯に写るお花畑に目を奪われる。


和は目をキラキラさせていた。


和:お花ってすごい魅力的だよね!


○:そうだな...魅力しかない


○:この魅力に目を奪われるからね


和:分かってるね


○:花はそんなもんだろ


和:そうだね!ほら、一周するよ!


○:はーい


和は夢中になって写真を撮ったり、


それぞれの花言葉などを読んだりしていた。


その夢中になっている和に、


俺は夢中になっていた。


愛しさを前にして、


花の美しいさも敵わないほど、


和は綺麗だ。


そして色んな花の前で、


あいつらに送る写真を撮った。


周りからすれば恋人同士のように。





和:少し疲れたから座ろうよ


○:いいよ


座る時に目に入ったものがある。


それはソフトクリーム。


○:和、ソフトクリーム食べる?


和:食べる!


○:じゃ座ってて俺買ってくるから!


和:わかった!


美味しいそうだったのもあるのと、


暑かったのもあるのと、


それと和の喜ぶ顔を見たいのもあった。


○:すいません。ソフトクリーム2つください!


お店の人に400円を渡す。


座っている和を見ながらできるのを待つ。


可愛いな〜なんて思っていると、


「はい兄ちゃん!」


ソフトクリームが出来た。


○:ありがとうございます!


「サービスで1巻多く作ったから!」


○:いいんですか?


「さっきから兄ちゃん達カップル見てるとなんか幸せそうでこっちもほっこりするから
サービスでもしようと思ってな!」


カップル...


「彼女のこと幸せにしてやれよ!」


○:はい!ありがとうございます!


カップルと言われて口角が緩んだ。


何故なら、俺は和とちゃんと釣り合っている。


と言うのがわかったからだ。


自信をくれた、おっちゃんに感謝だ。


○:お待たせ!


和:キタキタ!美味しそ〜


○:だな


和:上手い!やっぱり疲れた時は甘いのだね


○:うん!うまっ


なんか、いつもより甘い。


糖尿病になるじゃないかと思うぐらい甘い。


まぁ和と一緒に食べているからだろう。


和:ねぇこっち見て


と言われて和を見ると、


○:赤ちゃんかよ笑


赤ちゃんのように口の周りにソフトクリームを
つけていた。


○:わざと?笑


和:わざと!○○の反応が気になったからしてみた


俺の反応が気になった?!


もしかして可愛いって言う返事を求めた?


なら、こういう時は勝負に出る。


○:可愛いよ...///


言ってしまった。


自分で言っておいて照れてしまう。


和からの返事は、


和:ありがとう///可愛いって言ってもらいたかったから嬉しい


○:なら良かった...


勝負には大勝ちしたみたい。


和:これ食べたら海行こ


○:うん


そう、ここはお花畑を見た後に海も見れる。


そこが本当の勝負所。





和:海も綺麗だね!


○:そうだな、すごい綺麗


太陽が反射して眩しいが、


それがいい感じになって綺麗だ。


和:楽しかったなぁ


○:俺も楽しかった!久々に和と出かけれて良かった


和:私も!


そしたらお互い黙り込んでしまう。


言葉を言い出せなくても、


恋するチカラには敵わない。


俺はさっき決めた。


なので、もう話してみる。


○:和...今日誘った理由何か分かる?


和:何となく分かるよ...


○:俺...和の事がずっと好きでした


ついに言ってしまった。


今まで貯めに貯めまくった想いを、


本人に伝えた。


どっちにコケようがもう後悔はない。


和:やっと伝えてくれたね


○:え?


和:ずっと待ってた


○:っ...!


ずっと待ってた。


つまりこれは両想いだったということだ。


それが分かったことで、


不安でバクバクしていた鼓動が、


胸を突き抜けて、一気に解放される。


和:勇気出して言ってくれてありがとね!


和:私からも言っていいよね?


和:私もずっと○○の事が好きでした!


○:和... ギュッ


和から好きと言う言葉に嬉しくなって、


抱きしめてしまった。


○:俺嬉しいよ!待たせてごめん!


和:私も嬉しいよ!私も待たせてごめんね!


○:なら、もう1個伝えたい事があるからいい?


和:いいよ!


○:ずっと好きでした


○:これからは幼なじみとしてじゃなく


○:恋人として沢山の思い出を作りたいです


○:俺と付き合ってください!


和:はい!お願いします!


○:やった!グスッ


和:泣かないでよ!私も泣いちゃう グスッ


○:嬉し涙だよ!幸せすぎるよ!


和:私も幸せすぎる


○:俺、△△の気持ちが分かるね笑


和:私もさっちゃんの気持ちが分かる笑


○:俺らもあいつらに負けないぐらい幸せになろ!


和:うん!





最高の幼なじみから、


最高の恋人になった。


これが俺の求めていたラブシチュエーション。


俺は今すごい幸せだ。だから、


今は何にだって、


どこの誰にだって、




シアワセ分けてあげたい!




end



読んでいただきありがとうございました!


和ちゃんの中編です。


どうでしたか?


誰かの作品と被ってたらごめんなさい


とにかく、僕の理想の物語です。


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