いらす

ざっくりした生分解性ストローのはなし

※2019/07/03/13:00、
誤解を招くような表現があったので一部を修正しました。
※2019/07/04/0:30、
誤った情報があるとご指摘を受け一部を修正しました。
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※文章や図に登場する「生分解性プラ」や「生分解性ストロー」は”PLA”という生分解性プラスチックの一種類の事です。


人が本当に環境問題のために行動するのは一体どんなときだろうか。。?

【カメやクジラが絶滅したとき?】

いやいや ”そんなこと” で人は変わらない。人は沢山の動物を絶滅させてきた。これじゃまだ行動しない。

ではこんなことでしょうか?

●ゴミでリゾート海岸が消えたとき
●人の死亡原因BEST3に「マイクロプラスチックが胃に蓄積したこと」がランクインしたとき
●奇形の魚が大量発生したとき
●普通ごみを出すのにお金が必要になったとき

。。。。。

これらはあり得る未来です。


今、国内の飲食業界がストローを「生分解性プラストロー」に替えています。生分解性プラはそんなにすごいの?という素朴な疑問が浮かびます。

どうやら調べてみると、これがけっこうややこしい上に誤解が多いことがわかりましたので、めちゃざっくり図解することにしました。


その前に、そもそも、なぜ生分解性のストローを起用し始めたのか。その背景のひとつには海洋汚染があります。近年、プラスチックを食べて死んでしまう海の生き物が多く見つかるようになり、プラスチックを減らしなさい。変えなさい。と世界会議で提言されたらしいです。

(そのほか、プラスチックは昔から焼却するとダイオキシンが出るだの、石油が枯渇するだの様々あります。)


そして早速、こちらが生分解性ストローのその後をざっくりまとめた図

画像1

(※PLA樹脂ストローを対象にしています。厚みや気温、湿度、微生物量により分解時間は変動します。ここ最近ではPLAよりも優秀な樹脂が多く開発され、実用化もしています。)

もっとも大きな誤解ポイントとしては

「結局、日本では燃えるゴミで焼却廃棄。」

それと

「生分解性ストローだからと言って海洋汚染は防げない」ということです。

海中で分解するプラスチックの研究も実用化レベルになってきていますが、その他ほとんどの生分解性プラは海でほぼ分解しません!何十年と海を漂ううちに分解する場合もあるそうです。でもその前に海の生き物が食べてしまいますね。

え?なんの意味あんの!?
と思いましたので、メリットをざっくり図解。

画像2


そう「燃やしても悪いのが増えない」という事なんです。

ストローによく使われるPLA(ポリ乳酸)という素材もトウモロコシなどからできています。それらは焼却処理されたときに、元々空気中にあった物質しか出ません。これまでの石油生まれのストローは地中にあった環境によくないものを空気中に排出します。そこで差がでるわけです。


まとめ

生分解性プラのストローを大企業が使用すれば、その量もかなりのもの。焼却時や、枯渇する(らしい)石油を使わない事は大きな効果が期待できます、、が、まだまだ海洋汚染の解決にはなってないのが現状です。

実際、海で分解されるプラスチックも開発され一部の国内企業も使い始めましたが、世界中に広がっていくのにはまだ時間がかかりそうです。

今回はわかりやすくストローに注目しましたが、各企業、そもそもストローを使わなくても飲めるフタを導入したり、紙製のストローにしたり、自社の紙パックごみからナプキンを作ったり、コーヒーかすを肥料にするなど、現時点でできるベストな取り組みをいろいろとしています。生分解性プラのストローもその一つに過ぎないのです。


結局のところ、海洋汚染に関してはプラスチックの新素材に頼るのはしばらく難しいようです。

生分解性プラだからポイ捨てしていいという事ではなく、物理的にコツコツやっていくのが良さそうですね。そうしないと、はじめに書いたようなことが数年後に起こってしまいます。


自分たちができることは
【●正しい現状を知ること】【●マイバッグなどプラの使用を減らしゴミを減らすこと】【●プラスチック製品を長く大切に使うこと】【●生分解だからといってゴミをポイ捨てしないこと】【●ちゃんと分別してゴミ処理すること】
という当たり前のことに尽きるのかなと思いました。



※生分解性プラの定義もかなりややこしく、ここでは説明しませんが、ざっくりまとめた図を載せておきます。

画像3

(植物由来じゃなくても生分解する)



参考:

●現状のこと:




●生分解性プラのこと:


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