先手

色々と考えなきゃいけないことだらけで、冷静に俯瞰で判断しなきゃいけないことが山積みの今回の東京五輪だけど、素直にすごいなと思ったのは開会式の「動くピクトグラム」だと思う。

今までこのパフォーマンスのアイデアが無かったのは何故なのか。
それについてはわからないが、表現という土壌が柔軟な欧米ではいつやられてもおかしくなかったと思う。
2024年がパリ、2026年がミラノ、2028年はロサンゼルス。
この並びならありそうで仕方がない。
でもそれを日本が先手を取ったのだ。
これは素直にすごいと思う。

特に、26番目のセイリング。
次の準備のためにスタッフが映り込んでしまった!と思ったらカメラが急にズームアップしていきそのスタッフの胸元に「セイリング」!
なんと素敵な、ウィットに富んだ演出か。
日本の公式なイベントなんて、やたらめったらお堅い流れというイメージしかないから、何とも新鮮で思わず声が出てしまった。
それほど私は感動してしまった。

もっとすごいなと思ったのは、この演出を一番最初に練り込んでやってしまったことだ。

恐らくこの動くピクトグラムは今回日本がやらなかったとしても、いつかどこかの五輪でされるだろう。
多分最初にやる国はきっちりこなすことを大前提としたパフォーマンスになると思う。
そしてこのパフォーマンスを何度目かでやる開催地が初めてこんなユーモアある演出を差し込んでくるはず。
それを最初からやってしまったのだ。

また、この演出は日本がユーモア持ってますというアピールと、「失敗したとしてもうまくやり直す」、そんな柔軟性を日本は持っているのだと世界に伝えてしまった。

これを見せてしまった以上、これからの日本はこの柔軟性を体現するようにしないと、
「え、あんな返しができるんじゃないの?」
と重要な局面で求められるかもしれないのだ。
それは国としてもだし、一つのビジネスとしても、人間としての付き合いも幅広く。

この演出を誰が考えたのかはわからないが、今後の日本の展開を望んでのプランだったのではないのかと感じた。

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