全容 ~行こうぜ小学館(前編)~

はじめに


皆様はじめまして。そこ捨てる部位ラノベ作家の有象利路と申します。
この度はこの……まるでKAD○KAWAことnoteにて、例によって懲りずに記事を作ってみました。

さて、この記事が公開されているということは、既に私の(現時点での)最新作である「賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 擦 ~愛弟子サヨナはぷにぷに天国DX仕様~」が発売されているのだと思います。
(これを書いているのは発売よりかなり前の段階なので)

本記事は読んだ方はタイトルより察することが出来るとは思うのですが、その賢勇者三巻のネタバレを多く含むので、未読の方やオメェに興味なんざねェわって方は素直に♡を押してからブラウザバックして下さい(欲)
もうええわって方は読み進めて頂ければと思います。

では始めていきましょう……。














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小学館行ってきました(事後報告)


って言うと「は?」と思う方が……居たらもう賢勇者三巻読んでないのが確定するのですが、まあそういう人も居るやろということで改めて言いますが、賢勇者三巻の作中にて小学館さんを出しました。
もっと言うと小学館さんより発行しているライトノベルレーベルであるガガガ文庫さんをピックアップしてネタにした感じです。

何しとんねんワレと思われた方が大勢居ると思いますが、別にノンアポで突撃したのではなく、ちゃんと許可を得た上で取材という形式でお邪魔しました。ラノベの常識には唾を吐きますが、社会の常識は守ります(謎)
そして取材内容を作中に反映したのですが、ページ数の制限からある程度カットせざるを得なかったので、それは非常に勿体無い……ということで、この記事で針小棒大にあることないこと語ろうと思います(最低)
故にあくまで事実を再構成したフィクションとしてお楽しみ下さい♡
(ガガガ文庫さんに迷惑をかけたくないので……)


さて、まず事の起こりですが、賢勇者はあくまで私が内容をほぼ全部考えて書いています。まあ作者ですからね、一応……。
が、二巻からは自分ひとりではどうしようもないデカ目のネタに関しては、事前に打ち合わせで担当二人と相談して決めるようにしています。
※例:三木一馬氏全般

三巻を書くにあたって、「今回のデカいネタは何にすっかな~」ということを三人で相談し合ったのですが、そんなすぐには浮かびませんでした。
普通にギャグを書くのも大変なのですが、巨大な爆弾を仕込むのもこれはこれで非常に大変なのです。
しかし三巻で終わりなのに日和ったらつまんねえわ、というのも私の中にはあったので、結構色々と考えていました。

その中で「どっかに迷惑掛けっかぁ……」と誰かが言ったので、「おっ おっ どこに迷惑掛けますか?」となり、「他レーベルかな……」と決まった感じです(この間一分)

一度決まると後は速いと言うか、基本私がウヒャウヒャ笑いながら話を詰め始めるので、今回は「どっか他レーベルに迷惑を掛けよう」みたいなノリになりました。ゴミクズみたいな集団ですね(素直)
「よそに迷惑は掛けないようにしよう」という誓いで作品を作ることは多々ありますが、「どこに迷惑を掛けるか」を最初に考える作品はまあそこまで多くないでしょう……。

しかしながらどのレーベルにするかは重要であり、この選択をミスったらモロに中身に響くな……と私は思っていました。
何度かnote内で触れていますが、私と担当の土屋さん&阿南さんは、傾向で言うなら

穏健派→阿南さん
中立派→土屋さん
過激派→わし

……となっています。
なので「KADOKA……」と担当のどちらかが口にした瞬間、私は「いやこの手のネタでKADOKAWA内のレーベルが同じKADOKAWA系列のレーベルに突撃するとかクソ寒いっすわ」と牽制しました。
言ってしまえばそれはマッチポンプであり(ぶっちゃけ編集部が違うと何もかも違うのですが)、対外的に見ても「いや同じKADOKAWAやろ」としか思われないと判断したので、先に潰しました。

とはいえ担当二人も既にクレイジーに肩まで浸かっているので、私の意見に対して「だよね~~」と言っていました。
もうちょい抵抗しろ と思わなくもないのですが、まあ二人が納得してくれたならそれでいいのでしょう……。
大丈夫かこいつら(今後本記事で何度か使うフレーズ)

となると、我々の間に浮かぶのはある2つのレーベルです。

そう、ガガガ文庫とGA文庫ですね!(すぐ言う)

ここは譲れない一線というか、「ガガガとGAじゃなかったらこのネタはやらない」と決めて、とりあえずこの2つのレーベルのどちらかに行けないか、担当が取材許可をどうにか取るという形になりました。
二度言いますが、ここで「完全他レーベルは無理そうだから同じKADOKAWA内レーベルに行く」と日和るぐらいなら、そもそもネタを変えたほうが絶対に良いと思ったからです。

じゃあまずは許可を得よう……ということで、後日――


土「ガガガいけますよ」

私「マジすか」


ぶっちゃけほぼ無理かなと思っていたので、代わりのネタを考えていたのですが、望外の吉報に小躍りしました。
何分コロナ禍の真っ只中であり、外出や外食が自粛ムードである2020年夏のことですから、業界が同じなだけでライバル関係にあるレーベルが(更にマジで縁もない作者が)取材しに来るのにOKを出す会社があるのか……と思いました。
この段階で”器”というものの差が某デソゲソと出ていると言えるでしょう(叩きチャンス)

とはいえすぐに行けるわけでもなく、ある程度日程調整した上で向かうことになりました。
その間に私は賢勇者三巻の初稿を九割ぐらいは完成させるよう頑張りました。取材内容を反映させる部分は空けた状態で、それ以外の部分については大体先に作っておこうと思ったのです。
(完成原稿を先方にチェックして頂く必要がある以上、取材後すぐに原稿を仕上げたかったからですね)

不幸中の幸いと言うか、コロナ禍の影響で私は元々少ない外出機会が更に減り、もう空いた時間は全部創作にぶつけるぐらいしかやることがありませんでした。クソみたいな余暇の過ごし方でしょう(作家にあるまじき発言)
本来は書くのに時間が掛かる賢勇者という作品ですが、今回に限っては初稿自体はかなりのハイペースで作ることが出来た感じです。


土「じゃあ行く前に先方へ訊きたいことをリスト化するので、訊きたいことがあればデータで下さい」

私「真面目に訊きたいことだけを伝えつつ、訊くべきではないことはその場で不意打ちのように訊きますわ(分かりました)」

土「お前……」


というやり取りがあったかは定かではありませんが、ギャグラノベには転用出来ないであろう真面目な取材部分の項目について、事前にガガガ文庫の湯浅氏へと伝えることになりました。
もうこの段階で悪意たっぷりなカス具合ですが、ギャグを書く以上は仕方のないことなんです!! 赦してチョンマゲロ!!

……と、謝罪をしておこうと思ったのですが、本編内にあるようにガガガ文庫側の対応がこちらの想定を遥かに超えてきたので、結果としては何をこちらがやったところで相手方の”器”に敗北する未来しかなかったのでしょう……。フォーエバーファックオフDENGEKI……(アタックチャンス)





というわけで酷暑極まる八月某日、私は遠路遥々東京まで行きました。
担当二人とは飯田橋駅で待ち合わせの手筈です。

私「飯田橋駅が進化しとる……」

何か前(2019年末)来た時より駅の構造が変化しててクッソ戸惑いました。
予告なく進化するのはたまごっちですらしないだろうがよ(憤怒)
駅のどの出口で待ち合わせなのかすら聞いてなかったので、ああこれは……遭難じゃな? と思ったのですが、偶然歩いている阿南さんを私が見付けたので事なきを得ました。

因みに向こうは私に気付いていませんでした。(お互いマスク装着)
いつでもこちらはお前を不意打ちするだけの”覚悟”があるんだぜ? という理由から顔をしっかり判別していたのかは定かではありませんが、そこから土屋さんとも合流し、三人で小学館へほな行きましょか……と出発。


土「小学館ビルは噂によると神保町駅の地下から直接入れるとか」

私「すごいっすね……土地との癒着が

阿「便利だよね」

私「KADOKAWAもそんな感じにならないんですか?」

阿「無理」

土「どんどんビルが縮小してるんで……」

私「まあお宅んトコは所沢で覇を唱えるのが関の山っすよね^ー^」


小学館ナメんなよ? お? と、行ったこともないし縁もないのにマウントをKADOKAWAの電撃文庫編集二人に取りつつ、神保町駅に到着。
するとマジで駅地下から小学館のビルに連絡通路があってビビりました。

私は一応本が好きなので神保町は一度ゆっくりうろついてみたかったのですが、やっぱ出版社と言えばここ周辺に居を構えるべきでしょう。
なので飯田橋駅に居を構えたと思いきや最近になって所沢で覇を唱えるのはどうかと思いますねえ(二度刺す)

まあそんなわけで小学館に初到着、ということで撮った写真がこちらです。

画像5

本記事都合二度目の掲載ですね。文庫合わせたら三度目ですか。
これしか撮ってねえのか? と思われるのもアレなので……



画像1

阿南&土屋両名を撮影しておきました(謎ファンサ)
左が阿南さんで右が土屋さんです。ノリノリじゃねえかよお前らよ!
電撃文庫編集としての誇りとかはねえのか!?
と、思われる方がもしかしたら居るかもしれないので、撮影までの経緯を話しておくと


私「せっかくなんで記念撮影しましょう!!!」

土「なんで……」

阿「意味あんの?」

私「作中どっかで使うかもしれないので……(※嘘)」

土「それなら一応……」

阿「作中のどこで使うんだよ……」

私「じゃあ小学館のロゴをバックに二人で並んで下さい」

阿「お前は写らないのか……」

私「!! なにピースしてんすか! 中指立ててホラ!!

二人「無理に決まってんだろ!」


中指の要求をしたのですが、残念ながらしてくれませんでした。
してくれたらその画像を匿名で電撃文庫編集部へ送りつける予定だったのですが、その辺の二人の警戒心は流石に敏腕編集部員というだけある(適当)

というわけで遠足に来た小学生を凌駕するはしゃぎっぷりを私が披露していたのですね。
他にも幾つか写真を個人的に撮ったので掲載しておきます。

小学館1

青ダヌキ!!! 青ダヌキじゃないか!!!!
もう私は「ドラえもんのモノマネしま~す!」って言ってダミ声を出さない人とは友達になれない(世代格差)
いやでも……わさび声のモノマネをする人を見たことがないぞ……?

まあそれはともかく、ビル入口にこれが置いてあるので、きっと小学館に就活へ来た高学歴の人は心が安らいだことでしょう。
因みに私が一番欲しいひみつ道具は『時門』です(クソマイナー)

小学館2

ジバニャンじゃないやつ!!ジバニャンじゃないやつじゃないか!!!
悪ィが俺全く詳しくねえんだよ!!ポケモン派だから!!!!!
でも何か可愛いので撮りました。座布団に鎮座しています。
ゲッソーみたいな面構えだなお前(マリオ派兼任)

他にも最新刊のサンデー等の雑誌がショーケース内に飾っていたり、小学館作家の方がサインを入れたモニュメントがあったりと、ただ単に来ただけでも非常に面白かったです。
(写真掲載はしないので、気になった方はご自身でGO★)

さて、そんな小学館ビルのエントランスは非常に静まり返っており、更には入館証がないと立ち入れないというつよつよセキュリティでしたが、取材の許可を取り付けているので入館証を三枚受付で頂けました。
湯浅氏が来るまでは少し時間が掛かるということで、エントランスにある巨大モニター前の椅子に三人で座って待つことに。

モニターには無声で映像が流れており、主にコロコロコミックの動画が流れていました。
それをぼんやりと阿南さんと眺めていたのですが、


阿「コロコロって今マイクラとかも取り上げてるんだよね」

私「時代ですよね~。けど今も昔もでんぢゃらすじーさんは神漫画っすわ」

阿「ていうか強すぎね? ポケモンもドラえもんも妖怪ウォッチも全部コロコロってヤバいでしょ」

私「子供心を絶対に掴んで離さない覚悟を感じますね」

阿「ずるいわ~。ウチにはそういうの無いから」

私「KADOKAWAにも居るじゃないですか 子供心を掴んで離さない方が」

阿「居たっけ? 誰?」

私「御坂美琴さんがね……

阿「もうその名前出すのやめろって」

私「でも僕はキッズの頃に彼女と出会っていたら初恋相手になってましたよ……間違いなくね……」

阿「子供には早いよ……まだ……」


我々はコンテンツ力の差をひしひしと感じていました。
KADOKAWAは確か……宇宙から来たカエルがそんな感じのポジションでしたっけ?(反旗)
中期までの頃まではめっちゃ好きでしたね……宇宙のカエル……。
今は……いえやめましょうこんな話は(山口隆構文)

そんなこんなでしばらく雑談しながら待っていると、謎の男性がこちらに向かって歩いてきました。
隠す意味もないので紹介しておくと、今回取材を受け入れて下さったガガガ文庫編集部員の湯浅氏ですね。
非常に朗らかで優しげな方でした。電撃文庫の編集とは何かが違うと、現時点で私は薄々感じていましたね……。

余談ですが湯浅氏が我々三人を見て「どなたが作家の方ですか……?」と言うぐらいには、私、阿南、土屋の三名は年齢と背格好とオーラが似ているようです。
まあラノベ作家にオーラなんて必要ないですからね。
だってハンター試験は合格してねえからよ(初期)

ってなわけで、我々は別室の応接室に移動しました。。。




各自自己紹介を終え、名刺交換をし、手土産をお渡しし、あとついでに己の著作物三冊を強引に湯浅氏へ押し付け、早速取材に入りました。
何か阿南さんが音声録音してたんですけど、その音声データは私に一切くれなかったので何のために録音してたんでしょうね(謎)
あ、私は己の土鳩並の脳味噌とメモ書きに全てを託すスタイルです。
なので割とあやふやな部分はフィクションだし想像で補っています(建前)



湯浅氏「何でも訊いて下さって結構ですよ~」



私「じゃあガガガ文庫さんの印税ってどんなもんすか?」



初手はこれでいく というサトシのピカチュウ並の信頼を寄せた質問を即で湯浅氏にぶつけました。
この質問は事前の伺書にも記載していない、いわば不意打ち!
惑え!! 躊躇え!! 狼狽しろ!!
とんでもねえクソ野郎共の取材を受けてしまったと心中で後悔し、苦々しげな表情を我ら電撃文庫に見せてみろガガガ文庫ォォォー!!!!!



湯「●%ぐらいですね 他にも色々な条件で変わりますが……」







あっ 言うんすか・・・






普通に笑顔で即答されたので、ネタ抜きで「イカレてんのかこの人……?」と思ってしまったのですが(超無礼)、こっちの切り札が秒で機能停止というか、むしろ順調に機能したので死ぬほど戸惑いました。
もうこの段階で完全に湯浅氏側のペースになったように思います。
ていうか終始一貫して湯浅氏は「何でも答えますよ~」というスタンスを崩していないだけなんですけどね。
リップサービス(直喩)という感じです。

それに比べて相手を掻き乱してやろう……みたいな浅はかな考えを持っていた己を恥じ入るばかりですね……。
相手は小学館だぞ? ということを失念していました。

争いは、同じレベルの者同士でしか発生しない!!(小学館の好きな漫画)

向こうがメガレックウザならこちとらヒマナッツ三連星よ……。
なので死ぬほど狼狽えた様相を披露しながら、私は「え、あ、そうなんすか……」とメモを取っていました(小者)
余談ですが印税についてちょっとだけ詳しくなれたので、ネタ抜きで普通に有用な質問でした。。。

そんな取材内容は多岐に渡り(要数時間)、全部を書き記すとそれはそれで中編小説ぐらいになりそうなので、質問事項とそれに対する返答を箇条書き+SS形式で以下に記していこうと思います。(文庫本編で出た項目はカット気味にします)
初手でこんな空気になった以上は、もう事前の伺書なんてガン無視して、訊きたいことを全部ぶつけよう! となりました。
湯浅氏には本当に頭が上がりません。本当にありがとうございました。




・電撃文庫の魅力とは?(私→土屋・阿南両名に)

阿「何でこっちに訊くの??????」

私「小学館の取材だからって油断してへんか、と思って……」

湯「私は好きですね~、電撃文庫」

私「駄目ですよそんなこと言っては」

土「いきなり聞かれても出てこない……」

阿「ないですね って言えば満足すんの?」

私「事実を述べても仕方ないのでもっと何か言って欲しいですね」

阿「まあ……企画の股が緩いかな」

私(いきなり何言い出すんだこの人……)

土「確かに……。編集主導であることが多いから企画の多様性がある」

阿「誰とでもヤる感じw」

私「よく分かんないですけどクソビッチ、と」

阿「ていうかそうじゃなかったらコレ生まれないでしょw」
※湯浅氏に渡した賢勇者を指差す

私「己の担当作をコレ呼ばわりか???(半ギレ)」

湯「ウチは編集部全体で作品をチェックするので全然違いますね~」


地味に電撃とガガガの制作過程の最大の違いが明らかになりました。
担当編集の企画に対する権限の差と言いますか……。
良くも悪くも電撃文庫の方がフリースタイルって感じですね。
そう言われると良さそうに思えるけど果たして本当にそうか?(疑念)


・新作に対するスタンス

湯「言った通り、ガガガは編集部全体で作品をチェックして、全員で良さそうと思ったらGOサインを出します。そうである以上、一巻打ち切りみたいなシリーズをすぐに閉じる行為はなるべくやりたくないですね」

私「もうちょっと長い目で作品を見る、ということですか?」

湯「そうです。何が起こるかわからないですからね」

私「聞いてるか? お前ら

阿「めっちゃこっち見てくるじゃん(半笑い)」

土「出版不況なんで……」

私「電撃とか出す前に打ち切り宣言されますけどね」

湯「それはそれで見切りがすぐついていて良いことかと……」


あくまで作家としてはガガガ文庫のスタイルは神やな、と思いました。
もちろんガガガ文庫に一巻打ち切りが存在しないわけではないそうですが、長い目で見るという選択肢がある時点で圧勝でしょう……。
電撃は基本的に「売れたら次、そうでなければ(お前の作家人生)終わり」というデッド・オア・ちょっぴりアライブ形式です。
私はいつか砕かれた数多の作家の怨念が実体化して彼らに天誅を下すと信じています(奇跡)




すみません、15000字ぐらいになったので二分割します。
普通に短編小説並の文量になりました……。
小説書けって話ですね……。
とはいえ続きはまた後日!!

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