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韓国ポーカー遠征vol.2

~前回のあらすじ~

 ウォーカーヒルでfishingをしようと意気込んだものの、バッドビート、フィッシュプレイの嵐で逆にfishingされてしまったなかCま。財布の中にあった200万₩はすべてなくなり、あとはパラダイスシティのチップ計8万円と交通費があるのみ。ここからどうなってしまうのか???



4日目夕方 パラダイスシティ vsプロギャンブラーと日本人たち

 朝6時過ぎにウォーカーヒルを一人寂しく出発し、電車を乗り継ぎ乗り継ぎ、パラダイスシティに9時前に到着。一応卓が立っているか確認しにいくと、やっぱり卓は立っていなかった。パラダイスシティはトーナメントの会場になることが多く、ポーカーテーブルはやたら多いのだが、この時間帯はだれもいなかった。目減りしたジャックポッドの電光掲示板が光るだけだった。


 まあ正直に言うとポーカーができる体調でもメンタルでもなかったので別によかった。ポーカーテーブルを後にして、せっかくの機会だからブラックジャックをやろうと考えた。

 レートはミニマムベット10000₩(1000円)。卓には4人ぐらいの日本人が座っていた。

 ふと見ると、前回11月にパラダイスシティでバチバチにやりあった日本人おじいさんが隣にいた(おじいさんがATのフロップトップ2ペア、ぼくがQJのダブルベリーストドロ+バックドアフラッシュドローでフラッシュ引いてオールイン対決に勝った)。向こうはぼくのことを覚えていないようで、ぼくのブラックジャックのプレイにアドバイスをしてきてくれた。ぼくはブラックジャックは初心者だったので素直に聞いておいた。

 ぼくが4と6の合計10のときにダブルして絵札を引いて、これは勝ったな!と思っていると、ディーラーに6→J→5の21をつくられた。また自分がBJのときにディーラーもBJをつくられ、結果はトントン。これ以上やったらヤバイ、ギャン中になってしまうと思いプレイを切り上げた。

 その後はカジノ近くのゲストハウスに泊まり、夕方まで睡眠をとった。


 夕方6時ぐらいになって目を覚まし、パラダイスシティに赴くと、ちょうど卓に入ることができた。テーブルは日本人が多く、それにスタックがショートのアジア系のおっちゃんがぼくの右にいた。

 そのおっちゃんがリンプしてきて、自分のハンドを見ると88だったので、アイソレートするとBBの日本人とそのおっちゃんがコールしてきた。


 フロップはQ83の2ダイヤ。フロップセットをツモった(2回目)。

 BBはチェック、ショートのおっちゃんが20bbぐらいのオールインをしてきた。これは現状勝っているなと思い、しかしBBも巻き込みたいと考え、30秒ほど使ってコールするとBBもコールしてきた。しめしめ。

 ターンはラグ。BBチェックにぼくが35bb(1万円)のベットをすると相手はしばらく考えてフォールドした。たぶんQだろう。


 リバーは3枚目のダイヤ。ぼくはスナップでハンドをショウするとおっちゃんはK♦4♦をショウした。リバーでフラッシュを引いていた。ついてないね(2回目)。


 しばらくするとぼくの隣に美人の日本人女性の方が座ってきた。話をきくと、同卓しているもう一人の日本人女性の方と、日本人のおっちゃんの方とポーカー合宿をしに来ているそうで、3日間ほどここで打ち続けているらしい。もっと早くこればよかった。

 さらに話をきくと、このおっちゃんはかなり有名な、「プロギャンブラーのぶき」さんであることがわかった。おっちゃんって連呼してすみません。ググったらすぐに出てきた。2人の女性の方はこの方に弟子入りしてポーカーを教えてもらっているそうだ。


 しばらくするとEPあたりで66がきた。このテーブルはタイトだったためスチール期待でオープンすると、のぶきさんにコールされた。

 フロップは333。これ前も見たな…

 フロップのCBにレイズを返された。相手のスタックがショートだったため、コールした。

 ターンはQ。チェックするとポットの半分くらいのオールインをしてきたのでコール。リバーは8。


 相手は88だった。そんなレンジがあったのか。

 ハンドを聞かれたが教えることはできなかった。リバーで引いたと思われて謝られたがずっと負けていたわ。


 その後はずっとスチールし続けていた。正直に言ってしまうと、日本人の方はずっとリンプし続け、ぼくがレイズするとずっと降りてくれたのでありがたかった。かなり弱いハンドでもスクイーズを続けていた。A6sとかKToとか笑


 ぼくがMPでJJ。EPの日本人2人が参加していた。バリューのつもりで3ベットをすると、はじめにオープンした若い日本人男性はけっこう悩んでフォールド、右隣の日本人女性もフォールドした。ハンドが何かしれっときいてみると、99とTTだったらしい。 ナイスフォールド…

 この男性の方は、ぼくのAQoの3ベットに4ベットをJJで返してきて降ろされたことがあったから、今回の99はコールするかと思った。もしや鉄橋か?


 EPでKK。オープンすると左隣の日本人がコールしてきた。友人と来ているそうで、手つきから察するにポーカーは始めたばかりだろう。

 フロップはT52のレインボー。ハーフちょい上くらいのベットに相手コール。 しめしめ。

 ターンは5。もう一発撃つと相手はコールしてきた。これはTが濃厚か?


 正直に言うと、このターンの5が被った時点で嫌な予感はしていた。

 リバーはT。最悪だ。ぼくはまだ悪い流れを断ち切れてないのかもしれない。

 チェックすると相手はハーフより下の安めのベットをしてきた。もうぼくはウォーカーヒルの時のような無様な真似はしない。自分が勝っているのはAハイぐらいで、リバーで負けているハンドが多すぎる。それに相手はコーラーでどんなハンドを持っていてもおかしくない。

 悶絶しながらKKを見せてフォールドした。



 相手はAJoをショウしてきた。 So disgusting!



 次のハンドは最後にのぶきさんと戦ったハンドだ。

 のぶきさん含む数人がリンプしてきた。ぼくはSBでA♠J♠。スクイーズするとのぶきさんのみコールした。

 フロップはAJ2のレインボー。トップ2ペアを得た。ここでぼくはチェックした。相手はこのボードでかなりの確率でベットをしてくるだろうとここまでのプレイで分析していた。予想通り相手はハーフちょい上のベットをしてきて、ぼくはコールした。

 ターンはJ。ほとんどナッツに近いセカンドナッツを得た。チェックすると、相手はベットしてきた。ぼくはリバーにドンクベットをしようと考えて、ターンはコールした。

 リバーはK。いいカードが落ちた。KJのフルハウスやJのトリップス、ストレートもあるかもしれないと思い、ドンクオールインをした。相手はスナップコール。これは勝ったな!





 AJのセイムだった。それだけはまったく予想できなかった(2コンボ)。「君だけがAJを持っているわけではないよ。」

 


5日目朝 パラダイスシティ vsAFバケモン

 のぶきさんとそのお弟子さん方が朝の飛行機で帰られると、新しい日本人の方々と同卓した。さっきからこのテーブルではほとんどが日本人の方だった。

 ぼくの左2つ目の席に若い日本人の方が座った。この方は毎回リンプ(+コール)し、フロップでダブルポットベット、トリプルポットベットでリードしてきて毎回ポットを獲得していた。VPIPとアグレッションファクター(AF)が高すぎるのである。ほんとにハンドもってんのか?一方でコールするハンドはリバーの時点で34oの4ヒットというようにかなり弱かった。ぼくはこのプレイヤーに狙いを定めた。

 しばらくして、このAFバケモンが巨大なチップを獲得した。

 QJ6のボードで1オールイン2アクティブになった。

 ターンはQ。残りの2人もオールイン。

 このAFバケモンが、QJ>66>AQの3wayオールインを制し、ドチップリになったのだ。66もAQもこれは事故や…

 ぼくは虎視眈々とこのプレイヤーを狙っていた。


 誰もオープンしていないところにSBでT♦T♣がきた。BBは例のAFバケモンであり、ぼくがレイズすると相手はコールした。

 フロップはA♦2♦3♦。一応フラッシュドローがある。チェックしてみるとダブルポットベットされた。クソが、持ってねーだろ!

 しかしまだ慌てるときじゃない。昨日の反省を生かすんだ。こんなハンドでコールするのは馬鹿げている。ぼくはフォールドした。ここはフロップベットしてもよかったかな。


 しばらくしてからSBでQQが入った。またもやAFバケモンとヘッズ。

 フロップは992。ぼくはとことんボードについてない。

 しかしまだ負けていると決まったわけじゃない。このプレイヤーはベット額がでかすぎる。そのリークを狙おう。ぼくはフロップはチェックした。

 案の定、相手はポットベットをしてきた。今回はもちろん抵抗するで?コールで。

 ターンはラグ(3とか4とか5とか)。チェックしてみると相手はまたポットベットしてきたので歯を食いしばってコール。

 リバーもラグで、フラッシュは完成せず9のボードペアのみ。チェックすると相手はオールインしてきた。ぼくは9を見せられたらしょうがない、これで負けても悔いはないという気持ちで、長考した後、天を仰ぎ、静かにチップを1枚、テーブルの前方に置いた。OK,Good Luck‼︎




 相手はA8だった。12、3万円超えのポットをとった。I just struck oil!



 その後もぼくはチップを増やしていき、最終的に彼はすべてのチップを吐き出して帰っていった。



5日目朝 パラダイスシティ vs陸奥のスーさん 

 同じくして、60歳前後の気前のいい日本人の男性の方とも同卓していた。この方は陸奥のスーさんという方で、バカラやブラックジャックのプロであった。話を聞くに、AJPCのお偉いさんやパラダイスシティの事業に関わっているセガサミーのお偉いさんと親しいこと、かなり前からカジノをやっていらっしゃること、ポーカーはまだまだだが巨大なバンクロールでぼくらを圧倒するぞ(笑)とのことだった。リゾカジ.comの運営にも関わっているらしい。

 ぼくがBTNでハンドを見るとAAだった。オープンするとSBのスーさんが3ベットしてきたので4ベットを80ほど打つとスーさんはコール。

 フロップはT83。やっとボードがおとなしくなったぜ。

 ターンにポットベットのオールインをしようと考え、フロップでCBを打つと、スーさんは悩んでいる。

 「これはな~勝ってるかもしれんけどな~たぶん兄貴たちがいるんやな」何を言っているんだ?もしや…

 




 そういってQQをフォールドした。 What the fuck?!

 

 ぼくは快くハンドをショウした。この人、ただもんじゃないな。


 後日、パラダイスシティ内のバカラのVIPルームへ連れて行ってもらった。中国人が300万円の絞りに負けていた。スーさんによるとここでは死人が出るらしい…。もっと奥には桁違いの額を賭ける部屋があるらしいが、廊下が長すぎて奥は見えなかった。ほかにはブラックジャックのプレイも見せていただいたり、貴重なお話を聞かせていただいたりした。とても楽しかった。またお会いしたいなぁ。


5日目夜 パラダイスシティ vsルースアグレ

 今日のぼくはめちゃめちゃ上振れていた。ハンドが入りすぎる。AAが面白いようにきて、面白いようにポットが取れる。AAが入りすぎて、AAをめくる瞬間のあのドキッとする感情はもはやなく、逆に「おいおいまたきたよ。こんなにAAが入ってしまっていいんだろうか?」と思うほどであった。AAはパラダイスシティの2日間で10回ほど入り、そのすべてでポットをとることができた。AKsやAQsもたくさん入って、スクイーズも多く成功してチップを稼いでいった。

 また印象に残っているハンドでビッグポットだったのがある。そのときはリンプポットでぼくはSBでA♣8♦をもっていた。フロップは8♥2♦x♥で、ぼくはTPTKを得た。チェックするとCOかBTNがハーフより上のベットをしてきたのでコール。ヘッズアップ。

 ターンはA♦。トップ2ペアだ。しかしハートが2枚にダイヤが2枚で怖い。チェックすると再び相手はハーフぐらいを打ってきたので、3倍にチェックレイズした(正確なベット額を覚えていなくて申し訳ない)。すると相手は20bbぐらいを残してコールしてきた。

 リバーはA♠。バックドアフルハウスを引いた。当然のオールイン。すると相手はスナップコールしてきた。そして出てきたのがA♥3♥。相手はフロップナッツフラッシュドローからターンとリバーにかけてトリップス。ハンドとボードがバチバチに絡んで2~3万ポットをゲットした。

 そしてA♣8♣でフロップナッツフラッシュのときに相手がK♣Qxでフロップ4ベットオールインしてきてくれたり、88でバックドアストレートを引いたりと、大きめのポットをいくつもとった。

 あなたは信じるだろうか。「GOD MODE」を。


👇元ネタ

 

 しばらくすると、背の高い赤帽子の韓国系アメリカ人らしき人がぼくの右に座ってきた。

 このプレイヤーは非常にルースアグレで、めっちゃオープンするし、誰かのオープンにスナップコール、3ベットにスナップコールしていた。あと額もでかい。それでいて的確にベットをしてきて非常にやりづらかった。73sもBTNだからコールできると言っていた(そしてポットをとっていた)。しばらくすると彼はAK3のボードで3のセットをツモってAQの日本人を飛ばしていた。


 このプレイヤーがストラドル(パラダイスシティではUTGにストラドルが認められている)をしているところに、自分のハンドを見るとA♣K♠だった。オープン20するとこのプレイヤーがコールした。

 フロップはK♣6♣9♠。ぼくはトップペア+バックドアナッツフラッシュドローを得た。相手チェックに30のベットをすると相手はコールした。

 ターンは9♣。ナッツフラッシュドローだがボードがペアった。しかもそこそこ相手のレンジにある9。

 すると相手は7割くらいのドンクベットしてきた。おいおい、またこのパターンかよ…

 しかしTPTKでナッツフラッシュドロー、降りるはずはない。コール。

 リバーは3♠。フラッシュは引けなかった。相手はスナップで6~7割の40bb(1万2千円くらい)ベットしてきた。

 ここで勝っているのはKQ、KJ、KTあたりか。しかしこれら全部がドンクするか?

 A♣は抑えており、ボードにK♣が出ている。あるとしたらQ♣以下のフラッシュとあとは9か…。


 2分ちょい考えた。ここまでかなり勝っており、気持ち的にも余裕があった。勝っているハンドはKxQ♣くらいしかない。ブラフはわからん。


 ぼくは彼にこう尋ねた。「I fold. I show you my hand,so please show me one card.」そしてA♣K♠を見せると、彼はQ♣を見せてくれた。


 


 彼は驚いていた。「So tight player! I had KQ! You had very strong hand.」

 そして彼はこう続けた。「If I get trips or flush,I bet pot over,but I hit a King, so I bet 70% pot.」



 ラストはクレイジーなハンドで、ぼくのミスプレイだ。

 数人がリンプしているところにCOでハンドを見ると99だった。アイソレートするとBTN、BB、リンパーが一人コールした。

 フロップは256の2トーン。さすがにこれは勝っているやろ!

 BBが大きめのドンクベットしてきた。それにリンパーがコールした。WTF!

 どちらかはドローでもう一方は6のペアあたりだろうとは思うが、後ろにBTNも控えているし、3人以上でこのボードを戦い続けるのはキツイと考えた。



 ぼくはフォールドしてしまった。


 なぜレイズをしなかったんだ???

 

 そうしてBTNもコール。ターンは3。フラッシュは完成しない。

 BBがオールイン、全員コール。3way。リバー2。

 BBは…AK??? リンパーはハンドを忘れるぐらい弱かった。BTNが67で6のペアでトリプルアップ。


 ぼくは勝っていると逆に弱気になるんだなとわかった。


終わりに

 ぼくは8日の土曜の夕方6時過ぎから10日の月曜の朝7時までポーカーを打ち続けた。はじめの5万のバイインで一度もアドオンすることなく、最終的にチップの合計が20万になった。


 最終的な収支は-5万円程。


 朝の7時にパラダイスシティを出て、荷物を取りに行き、ダッシュで空港に飛び込みチェックインしたのが8時過ぎ。搭乗が8:40だったのでギリギリセーフ。前回の二の舞にならなくてよかった。

 ポーカーをしているときは全く眠くなかったが、空港に着いた瞬間に強烈な睡魔に襲われて立っているのがやっとだった。飛行機に乗り込んだ瞬間に気を失い、気づいたら日本に着いていた。空港でポケットWi-Fiを返す予定だったのだが当然忘れて、後でコンビニで郵送した。ポケットWi-Fiはソウル市内に電車で行く人は必ず持っていったほうがいい。6日間で1000円くらいだった。家に帰るまで本当にしんどくて、着いた瞬間に夜まで爆睡してしまった。

 

 そして一夜明けて、今回の遠征で経験したハンド、悔しさ、楽しさ、ミスを忘れないように記事にしようと思い、今に至る。

 

 

 

 

 今回の旅でメンタルが相当鍛えられたと思う。マネープレッシャーを全然感じなくなった。

 そしてぼくはまだまだ未熟であることを痛感した。特にレイズに対してフィッシュコールをしすぎることがわかった。これは改善しなければ。


 今月末の学生選手権では、今回の遠征を糧に優勝を狙いにいく。楽しみ。

 




 最後に、今回の遠征でお会いした方々、特にK村さん、H本さん、Y田さん、A川さん、サムギョプサル美味しかったです。おごっていただいてありがとうございました。

 陸奥のスーさん。あなたはポーカーも鉄橋です。楽しかったです、ありがとうございました。

 同卓した方々もありがとうございました。

 そしてここまで読んでいただいた方、ありがとうございました。



 F井くん、一緒に遠征に来てくれてありがとう、楽しかったよ。

 君は強い!学生選手権でヘッズになるのを楽しみにしてるわ。


 おしまい




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